グローバルな視点では,教育のオンライン化は止められない流れになるでしょうね!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論
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レトリカ教採学院(教採塾)の河野正夫です。
2020年7月7日付のCNNのニュース(インターネット版・日本語)に,次のようなニュースがありました。
【記事引用】
<米大学の留学生,オンラインのみの授業に移行なら出国迫られる可能性>
(CNN) 米移民税関捜査局(ICE)は6日、米国で学位の取得を目指している外国人留学生について、在籍する大学がオンラインのみの授業に切り替えた場合、米国から出国しなければならなくなると発表した。自発的に出国しない場合は国外退去処分となる可能性もあるとしている
この措置は、米国の大学で学ぶ留学生のほか、研修プログラムや職業訓練講座などの参加者も対象となる可能性がある。
米国の大学は、新型コロナウイルス対策のため、オンライン授業への切り替えを決定しつつある。例えばハーバード大学は、キャンパス内に居住する学生向けも含め、全ての講座をオンラインに切り替える予定で、その場合、留学生は米国からの出国を迫られる可能性がある。
ICEは6日の発表の中で、特定のビザ(査証)を保有する留学生について、「オンラインで全講座を受講して米国にとどまることはできない」と説明。「米国務省は、秋季の授業が完全にオンラインになる学校やプログラムに在籍する学生にはビザを発給しない。米税関・国境警備局(CBP)も、そうした学生の米国への入国を許可しない」とした。
ICEは、現時点で米国内の大学などに通っている留学生については、例えば対面授業を行う学校に転校するといった措置を提案している。オンライン授業と対面授業を組み合わせている大学は、今回の措置の例外扱いとなる。
全米の大学やカレッジ約1800校でつくる教育団体の関係者は、「これで一層、混乱や不安が拡大するだろう」と懸念を示した。
【引用終了】
引用元URL: https://www.cnn.co.jp/usa/35156358.html
記事自体は,この決定に批判的なニュアンスを加えていますが,よく考えてみると,米国当局の判断も妥当なものかもしれませんね。
アメリカの大学の全授業がオンライン化するのであれば,そもそも,アメリカに「留学」するために,「入国」する必要がないわけです。
ハーバード大学などの超名門大学も,完全オンライン化を行う予定ですので,ハーバード大学で学ぶために,ハーバード大学のキャンパスに行く必要はないということになります。
つまりは,アメリカに「留学」する必要はなくなるわけです。
この決定は,極めて合理的で,時間的,コスト的にも,圧倒的なメリットがあります。
もちろん,アメリカで生活したい,アメリカ文化を肌で感じたいという人にとっては,残念なことですが,そもそも学問をするということと,現地の文化に親しむということは,必ずしもイコールではありません。
日本人は,「外国に留学する=外国語と外国文化を知る」という風に理解しがちですが,ハーバード大学のレベルの大学で学ぶ人は,英語やアメリカ文化を学ぶというよりは,学問をする・研究をするということが中心となるでしょうから,完全オンライン化するのであれば,わざわざ世界中から,米国マサチューセッツ州にあるキャンパスに集まる必要もないわけです。
大学のこのような歴史的転換を,国家レベルで行おうとしているアメリカは,やはり,すごい国なのかもしれません。
ノスタルジックに,顔を合わせてこそ教育だ!とか,やはり「飲みにケーション」が大事だ!などと言うだけでは,これからは,グローバルスタンダードの教育には追い付いていけないかもしれませんね。
もちろん,小学校・中学校・高等学校・特別支援学校での教育は,オンラインだけでは,上手くいかないのかもしれませんが,高等教育(大学・大学院等)では,オンライン授業でも,システムを上手く駆使して,組み合わせれば,リアル教室・リアルキャンパス以上に,高度な教育ができる可能性を秘めています。
いつまで経っても,みんなで集まり,顔を合わせて,という旧態依然とした教育観では,21世紀の教育に乗り遅れてしまう可能性がありますね。
アメリカの大学で始まり,アメリカ政府もその一役を担っている,この動向が,今後,どのように進化・進歩していくのかに注目する必要がありそうです。
教育の在り方を変え,教育を革新し,教育を未来水準に進化させていく取り組みが,スタートしているようです。
変化に対応し,変化を楽しみ,変化をチャンスにして,成功と幸せを勝ち取れるようでありたいものです。
では,また次回!!
河野正夫