【川上貴裕】流れて行くものの中から、流されないものを見出す。
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論
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教採塾の川上です。
「流れて行くものの中から、流されないものを見出す。」
私が、高校生の頃から、信条にしていることです。
昨今の世の中は、忙しなく動き、色々なものや情報が溢れ、流行り廃れも激しく、毎日が激動の日々となっています。
だからこそ、
「時の流れを超えて、価値を持ち続けるものと、共に暮らしていきたい。」
そのように、考え続けています。
時代の流れを超えて、価値を持ち続けるもの=クラシックをイメージされる方が、多いかもしれません。
クラシックはクラシックでも、レトロ、ヴィンテージ、骨董とは違います。
確かにクラシック=古典的な、伝統的な、という意味を持ちます。
しかし、私が考える、クラシックというものは、
『色褪せることなく、今の時代にもマッチしていて、古めかしさを感じさせず、むしろ上品、優美、気品、凛、色気などを感じさせるもの。流行り廃りが無いもの。』
を指します。
特に、類似されやすいものとして、レトロが挙げられますが、レトロ特有の、【懐かしさ】というのは、入りません。
また、これらに加えて、こだわっていることは、「それを使う【時間】自体が楽しめるものかどうか。面白いものかどうか。」
ということです。
最新のプロダクトは、使いきれないほどに、機能も充実していて、手入れも楽で、時短で、モダンでかっこいいものも多くあります。
ただ、便利になればなるほど、面白さが欠けてしまい、物足りなくなってしまいます。
それよりも、手間がかかっても、良いもの、上質なものを、手入れしながら、長く使い続けていきたいものです。
大学3年生の冬、スターバックスで、ストア・コーヒーマスターまで登り詰めた際、自宅にもエスプレッソマシンが欲しいと思い、購入したのが、〔la Pavoni(ラ・パヴォーニ)Professional〕です。
当時は、まだ、日本での販売が無かったので、イタリア人ディーラー宛に、英語でメッセージを送り、やり取りをして、本国から、30万弱で、輸送してもらったものです。
MoMA(ニューヨーク近代美術館)のエントランスにも飾られたり、007の映画に、インテリアで登場したりするほど、そのデザイン性は、今も昔も、多くの人を魅了しています。
かの有名な、ストラディバリウスの様相を意識して、作られたものでもあるので、流れるようなフォルムと、その美しさは、毎年のようにモデルチェンジされる電化製品と違い、何年たっても、古びた感覚をまとうこともありません。
1905年にイタリアで製造されて以来、100年以上経ても、デザインや構造が変わっていません。
もちろん、全手動式なので、手間はかかります。
気温、湿度、産地などによって、毎回、豆の挽き具合を調整しなければなりませんし、ポンプを上げ下げする匙加減一つで、気圧を調整しなければなりませんし、ミルクジャグの角度をミリ単位で変えていき、スチームが完璧にできるポジションを探していかなければいけません。
でも、手間暇をかける面白さ、自分だけの一杯を淹れる楽しさ、こだわり、その時間は、何ものにも、替えることはできません。
また、「流れて行くモノの中から、流されないモノを使う、楽しむ。」というのは、【ゆとり】を持つ、ということにも言い替えられます。
先ほども述べたように、激動の時代だからこそ、敢えて、手間暇をかけてみる。
自分が好きなもので、過ごす時間を楽しむ。
例えば、お茶を淹れるとき。
私は、南部鉄器、有田焼抹茶碗を使っています。
手間暇はかかりますが、蒸らす時間、ゆっくり注ぐ時間、南部鉄器を眺めつつ、湯呑を愛でる時間をもつことで、ゆとりを生み出すことができています。
昨今の社会人・教員は、常に、時間に追われているので、便利なもの、時短できるものを求めがちですが、敢えて手間暇をかけ、上質なものを長く使うことで、ゆとりを生み出す、という発想が無くなっているようにも思えます。
そもそもの思考が逆転しているので、更に、ゆとりが無くなっているのです。
このことに気付いていない人が、多いですよね。
これは、極論、体罰や不祥事にも、繋がると考えています。
時間、心、仕事にゆとりが無いからこそ、イレギュラーな対応に苛立ち、結果、体罰や不祥事に繋がっていると、私は考えています。
時間、心、仕事のゆとりは、大切ですよね。
さて、少し話が脱線しました。
他にも、時代に流されないもの、時を超えて、愛され、色褪せないものを、私は、多く愛用している自負があります。
例えば、
10年前、高校生の頃に買った、一眼レフ。
10年経っても、デザインが色褪せることのない、バイク(daytona675)。
万年筆。
ラギオールのソムリエナイフ。
ゾーリンゲンの折りたたみカミソリ。
成平の特殊鋼の柳刃包丁。
有田焼の抹茶茶碗。
LPレコード。
などなど。
気品があり、上質で、優美なもの、色褪せないものなどの、クラシックなものは、使うだけで、身に付けるだけで、自分自身も、その雰囲気を纏った気になれます。
大切なものなので、ぞんざいに扱うこともありません。
そうなると、自然と、所作や振る舞いにまで、影響してきます。
ゆとり、こだわりも、生まれてきます。
「時の流れを超えて、価値を持ち続けるもの」、「色褪せることなく、今の時代にもマッチしていて、古めかしさを感じさせず、むしろ上品、優美、気品、凛、色気などを感じさせるもの。流行り廃りが無いもの。」、もっと言うと、値段云々ではなく、自分が良いと信じて、長く愛用しているもの。
そのような、クラシックなものに囲まれた生活は、いいものですよね!
では、また木曜日に!!
川上貴裕