【川上貴裕】子供たちに、「思いやりを持て!」、「人に優しく!」なんて、根性論、精神論をぶつけてもダメです!

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教採塾の川上です。

 

 

前回のブログに引き続き、『繋がり』、『思いやり』などについて、考察していきます。

 

寂しく、孤独だと感じていた人が、誰かと繋がることで、「自分みたいな人が、仲間が、他にもいる!独りじゃないんだ!」というのが分かって、幸福感や安心感が、出てくることもあるでしょう。

逆に、例えば、クラスという、強制的に作られた空間であっても、その中で、気が合う仲間を見つけたり、一見、「なんだこいつ!」と、思っていた同級生とも、行事やクラスの中で何かしら、関わっていくことで、気持ちの変化も相まって、「なんだ、良いやつじゃん。」、「仲間がいるのも、悪くないよな。」と、感じることもあるでしょう。

 

こうやって、新たな繋がりが生まれていくわけです。

前者においては、思いやりを醸成させていくことは、意外と簡単かもしれません。

しかし、後者においては、元々、「どうでもいい」と、思っていた人たちに対する、思いやりというものは、なかなか、一筋縄では、醸成できないかもしれませんよね。

その、後者の立場である子供たちに、「思いやりを持て!」、「人に優しく!」なんて、根性論、精神論をぶつけてもダメです。

 

前回のブログにも記載したように、『間接的』に繋がらせることで、教師が言わずとも、勝手に、子供自らが、思いやりや、優しくなれる術を、身に付けていくことができると考えます。

もちろん、『繋がらせる』と、いっても、本人たちは、その強制感を感じることはありません。

気付きもしません。

そうでなければ、間接的とは、言えませんからね(笑)

 

間接的な繋がりをもたせる仕組みは、至ってシンプルです。

変なメソッドや、理論は、全くもって不要です。

多くの人が、既におこなっていることでもありますが、その過程の捉え方や、意識を変えるだけです。

 

今回は、最もシンプルな仕組みの例を、挙げていきますね。

間接的な繋がりをもたせるために、まずは、

子供達の机の向きやレイアウト、教師の机の位置、掲示物の位置・配置、学級に置いておく荷物の位置、板書のレイアウト、教師の行動や服装、スタイル・発言に至るまで、ありとあらゆるものを、ちょっとしたタイミングで、あるいは、一定の間隔で、変えていくことから始めます。

(もちろん、これは、基礎や、学級内のきまりなどが定着していなければ、子供達も混乱しますので、私が取り組んだのは、後期からのみです。)

 

いろんなものを変えていくと、

 

「なんで、先生はここに、これを貼ったのだろう。」

「どうして、先生は、この子のノートのコピーを貼ったのだろう。」

「どうして、先生は、この机の配置にしたのだろう。」

「なんで、先生は、これを使ったんだろう。」

「なんで、先生は、このタイミングで、それを語ったのだろう。」

「なんで、この位置に置いたのだろう。」

「なんで今日は、スーツじゃないんだろう。」

 

というようなことを、子供達が、色々と思考し始めます。

この、『思考させること』こそが、間接的な繋がりをもたせる前提として、何より、重要なファクターとなります。

多くの教師は、理由を先に、子供に話してから、色々なものを変えていきますよね。

もちろん、場面場面によっては、それが重要なこともあります。

しかし、なんでもかんでも、教師が先に説明をしてしまっては、子供達は、考えることをやめてしまいます。

色々なものを変えていくことで、子供達の動線や視点が変わり、便利なこと/不便なこと、人のためになること/人のためにならないこと、必要なこと/不要なことなどに、どんどん気付いていきます。

そういった思考を、クラスの中で、共有していきます。

教師は殆ど、話す必要はありません。

教師が間接的に与えた、きっかけさえあれば、子供達は、思考し、共有し、議論していきます。

 

このようにして、前提となる『思考』が出来上がれば、例えば、今までは、自分のために行動していたことでも、「あそこに置いておいて、よかったのかな?」、「こっちの方が、もっと便利だよな。」、「この掲示板のイラストと説明は、分かり易いかな?」、「こうすると、みんな助かるだろうな。」と考えるようになって、次に取る行動は、自分のためだけではなく、他の人にとっても便利だったり、役に立ったりする行動に変わっていきます。

間接的ではあるけれども、多くの人に喜んでもらえる、褒めてもらえるための、良い言動スパイラルが勝手に、起こっていきます。

SNSでいうところの、「いいね!」みたいなものですね(笑)

「いいね!」を貰えて、嫌な人はいませんよね!

それと同じ感覚です。

 

また、一連の流れは、ちょっとした推理ゲームみたいな要素もあるので、前提である『思考させる』ことが定着していけば、子供達は、かなり楽しみながら、意欲的に、チャレンジしていきます。

こうやって、知らず知らずのうちに、思いやること、人に対して優しくなれることが、身に付いていくのです。

教師が「思いやることが大事!」、「仲間を大切に!」なんて言わなくともいいのです。

 

さて。

敢えて他者と距離を置く、間接的に繋がる、ということに関して、日曜日と、火曜日の、2弾に分けて、記載してきました!

今回は、一番シンプルな例を挙げて、記載しました。

 

また、ご要望があれば、いつか、どこかで、他の色んな例を、ご紹介できればと思います!

 

 

では、また日曜日に!

 

 

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