受験ギャンブラーにはならないでください!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 不合格の理由, 教育論
【教員採用試験のバイブル】
今日のお話のテーマは、「受験ギャンブラーにはならないでください!」です。
合格とはある意味で不思議な現象です。
もちろん、合格は長く辛い勉強と戦略的な準備で合格を勝ち取ることが多いものです。
でも、中には、ほんの少ししか勉強しなかったけれど合格した、あるいは、面接は全然ダメだったけれど合格した、といったこともあります。
悪い表現かもしれませんが、「偶然、合格する」ということはあり得ます。
きっと宝くじで10億円当てるよりは、教採で、まぐれで合格する確率の方が圧倒的に高いのでしょう(微笑)。
まぐれでの合格でも,合格は合格ですから、それはそれで大切にすればいいのですが、あくまでも合格した人の話です。
これから受験する人が「まぐれ」を期待してはいけません。
一方、不合格には明白な理由があることがほとんどです。
教職教養の勉強が足らなかった、専門教養がダメだった、面接が準備不足だった、模擬授業ができなかった、などなど、不合格の理由は自分でもある程度ピンポイントで納得ができるものです。
今日のお話の主人公は「受験ギャンブラー」です。
「受験ギャンブラー」とは何でしょうか?
「受験ギャンブラー」は周囲の人(典型的には無責任な先輩)の影響でなってしまいます。
「受験ギャンブラー」に変身させられないように注意することが必要です。
「受験ギャンブラー」とは,賭け事でのギャンブラーのように,大したオッズもないのに,一獲千金を夢見て教採を受験する人のことです。
教採受験経験者の先輩の言葉は参考になります。
どんな試験だったのか、受験会場の雰囲気はどうだったのか、どんな勉強がこうかてきなのか、先輩はいろいろと教えてくれます。
これは貴重な情報です。どんどんアドバイスをもらいましょう。
ただ、ひとつだけ気を付けなければいけないことがあります。
気を付けなければいけないことというのが、「受験ギャンブラー」に道に引き込まれないようにするということです。
先輩は時に言います。「勉強しなくても合格したよ」、「面接はダメでも合格するよ」、「模擬授業なんてできなくても合格するよ」などなど。
こういったアドバイスには要注意です。
もしかするとその先輩は、謙遜してそう言っているのかもしれません。
勉強していないと言っていながら、本当は猛勉強していたのかもしれません。
でも、もし仮に先輩が事実を語っているとしても、それは先輩が引き当てた「偶然」です。
その偶然を信じて「受験ギャンブラー」になってはいけませんよ。
喩でお話ししてみましょう。
例えば、あなたがお金に困っているとします。
どんなアルバイトをして,どうやってお金を得ようかと考えているとしますね。
そこにある人が、「俺、この前、宝くじで大金が当たったから、お前も心配ないよ。宝くじを買って待ってろよ。きっと当たるから。」と言ったとします。
あなたはこのアドバイスに従うでしょうか?
従わないですよね。
宝くじなんてそんなに簡単に当たるものではありません。
でも次のようにも言えます。
日本では毎年、何百人もの人が宝くじで億万長者になっている。
これは事実です。
でも、あなたが1億人以上の中からその何百人になる確率は小さいのです。
宝くじでは絶対に従わないアドバイスでも、教採だとついつい信じてしまいがちです。
「場面指導なんてできなくても合格するから」とか、「教職教養なんて30%くらいの得点でも合格したよ」といった話を聞いて、自分も場面指導を勉強しないでもOKとか、教職教養の勉強をしないでもOKではダメです。
先輩はたぶん偶然で合格したのでしょう。
ラッキーなことです。
喜んであげてください。
でも、そのラッキーさがあなたに合格をもたらすことは,まずありません。
受験は運だけで合格を狙ってはいけません。
合格した後で、ラッキーだったと思うことは良いのですが、受験前に運を狙ってはいけないのです。
教採塾の講座でも、最初のうちは、このようなアドバイスの真偽確認の質問がたくさん寄せられます。
「先輩に聞いたんですが、XXXはできなくてもいいんですか?」といった質問です。
もちろん、ある県で出題される範囲と出題されない範囲はあります。
その見極めは重要です。
でも、出題される範囲で、どう考えても教師になるにあたって重要に決まっているようなことを「勉強しなくてもいいんですよね?」と聞かれると、時々、返す言葉に詰まってしまうこともあります。
極めつけは「別に授業とかできなくてもいいんですよね?」でした(笑)。
確かに、この人は先輩にあたる人から、「模擬授業、全然できなかったけど合格したよ」という言葉を聞いてそう思ったのでしょう。
模擬授業ができなかったけど合格した先輩はラッキーだったとは思いますが、そのラッキーはあくまでも偶然だったということを理解しなければいけません。
そして何より「授業ができる」というのは教師としての最低限の職務内容です。
これができなくても教採に合格するなんて言わないでくださいね。
授業が下手なら上手になるように向上していかなければいけません。
その努力を怠って「授業できなくても合格した人がいるよ」という言い訳をしてはいけません。
「受験ギャンブラー」への警鐘は、今まさに受験しようとしている人だけではなく,。教採受験経験がある先輩方にも申し上げたいですね。
あまりにも無責任な助言をしないようにお願いしますね。
「受験ギャンブラー」、いずれも,ついつい知らないうちになってしまいがちです。
これから教採にチャレンジする皆さん、「受験ギャンブラー」にならないように気を付けてくださいね!
では,また明日!
河野正夫