話し下手が、話し上手になるのは、実は、簡単ですよ!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: パフォーマンス力向上, 合格への戦略, 教育論, 面接力向上
【教員採用試験のバイブル】
日本人の多くは、自分のことを、話し下手だと思っているそうです。
もちろん、話し上手の人もたくさんいますが、圧倒的に多くの人が、自分は話が下手だと感じているようですね。
確かに、政治家の演説も、入学式や卒業式での校長や来賓の挨拶も、あまり、上手なスピーチとは言えませんよね(微笑)。
中には、話し上手で、聴衆を感動させる人もいますが、全体から考えると、そんなことができる上手な話し手は少数派だと言っても過言ではないでしょう。
でも、不思議なことに気付くはずです。
多くの人が、自分は話し上手ではないと思っていても、そういう人々も、プライベートで友人等とお話するときは、かなり、おもしろおかしいことを話しているはずです。
友人たちと食事に行って、飲みに行って、笑いもせず、退屈な話ばかりをする人は、世の中にはいないでしょう。
そうなんです。
人は、みんなおもしろい話が好きなのです。
面白い話を聞くのも好きですし、面白い話をするのも好きなのです。
でも、改まった公式の場所になると、面白い話ができないというのが、多くの人の悩みなのですよね。
では、話し下手な人が、話し上手になる方法は存在するのでしょうか?
答えは、イエスです!
話し下手な人が、話し上手になる方法はあります。
話し上手になる方法は、シンプルに言えば、次の3つです。
(1)時系列で話さず、「ポイント」と「キャッチ」を重視した、聞いて興味が持てる話にする。
ポイントとは、要点、つまりは、何が言いたいのか、何を伝えたいのか、ということです。
キャッチとは、インパクト、つまりは、聞き手の興味関心をどこで惹きつけるのか、ということです。
多くの日本人の話は、時系列で話します。
朝起きて、シャワーを浴びて、デパートに出かけて、そこで、偶然にも幼馴染に出会った。その幼馴染とは10年ぶりに会った。懐かしかった。そこで、一緒に食事して、いろんな話をした。楽しかった。
というような話し方です。
これでは、ポイントもなく、キャッチもありません。
でも、これを、例えば、
昨日は、10年ぶりの不仲を解決できた日だった。たまの休日だったので、デパートに行ったら一人の幼馴染に会った。その幼馴染とは10年前にささいなことで口喧嘩をしてから一度も会っていなかった。少し気まずかったが話しかけたら、一緒に食事に行くことになり、10年分のたまった話をしながら、仲直りをした。多くの人で混む休日のデパートには、こんないいこともあるようだ。
これなら、伝えたいポイントもはっきりとし、聞き手のこころを掴むキャッチもあります。
こんな話し方でなければ、聞き手にとっては、どうでもいいような退屈な話になってしまいますよね。
(2)聞き手はあなたの話を聞く「義務」はない。だから、聞きたくなるように話す。
教師が教室で、生徒に向かって話をしているのであれば、生徒は教師の話を聞く「義務」があるのかもしれません。でも、普通は、聞き手は、話し手の話を聞く「義務」などはありません。
話し手の話が面白ければ、喜んで聞き、面白くなければ、せいぜい「聞いているフリ」をするくらいです。
聞き手の興味関心をつかまなければ、話し手の話は聞き手の心には届きません。
聞き手の興味関心をつかむための、語りの工夫が必要です。
まず、聞き手の興味関心を掴めないような話のサンプルをご紹介しましょう。
私には両親がいて【ツッコミコメント:そりゃ、いるだろう!】、母は52歳で、父は55歳です【その情報いるか?】。母は、わりと真面目な性格で、父もまた真面目だけが唯一の取り柄みたいな人間です【だからどうした?】実は、母は、その昔、いまの母からは考えられれないような職業を目指していました【どんな職業なんだよ?】。父も、いまのイメージとは違う職業に憧れていたそうです【だからどんな職業なの?】。母の実家は厳しく、門限まで決められていたような実家だったそうです【今の話に関係あるの?】。
と、こんな感じで話していたら、聞き手の興味をすぐに失ってしまいます。
聞き手が望んでいることは、たった一つ、あなたの話がさっさと終わってしまうことです(笑)。
でも、例えば、次のように話したら、どうでしょうか?
私の両親はユニークな過去があり、父が元ジャニーズJr.、母はNSC(吉本総合芸能学院)卒でコメディアン志望でした。ジャニーズ志望の父とコメディアン志望だの母が出会った場所もユニークで・・・・・
というように話し始めれば、聞き手は興味を持って聞いてくれることでしょう。
これは、ただ単に、面白い材料があるかないかの問題ではありません。
たとえ、上記のような最高に面白い材料があっても、最初のような話し方をしたのでは、面白い話に到達する前に、聞き手の興味はなくなってしまいます。
聞く「義務」がない聞き手に話すためには、話の最初の段階から、インパクトがあり、興味関心をひくものを配しておく必要があるのです。
(3)聞き手は、「事実」ではなく、あなた(話し手)の「想い・視点・考え方」に興味を持っている。
話し下手な人は、とかく「事実」だけを時系列で話します。事実なので、自信をもって話せるのでしょう。でも、他人の退屈な事実に、聞き手が興味を持つとは思えません。
例えば、
私の産まれた病院はXXXで、通った幼稚園はYYYで、よく行くカレー屋はZZZです。
と話しても、全てが事実であったとしても、聞き手にはどうでもいいことです。
でも、もしこれが、
私は、プロ野球選手のBBBとは共通点が多くあります。一つ目は、同じ日に同じ病院で産まれたということ、そして、同じ幼稚園に一緒に通ったということ、そして、今では、あるカレー屋さんで偶然に一緒になることが多いということです。
とういう風に語られれば、あなたの産まれた病院、通った幼稚園、よく行くカレー屋さんが、プロ野球選手のBBBと共通点があるという視点で統合され、聞き手にも十分に興味関心が持てるものとなっています。
ここまでのブログ記事を読んでこられた方の中には、次のような質問をされる方がいらっしゃるかもしれません。
このブログ記事で挙げられている語りの良い方の例は、いずれにも、ニュース性があります。10年ぶりに和解したとか、父親がジャニーズJr.だったとか、プロ野球選手と一緒に幼稚園に通ったとか。そういうニュース性がない場合はどうするのですか?
素晴らしい質問です。
確かに、このブログ記事で例として使った文章例にはかなりインパクトあるニュース性を伴った材料を用いました。
でも、本来は、ニュース性のないことを語る意味などないのです。
語るということは、話し手が聞き手になんらかのニュース性があることを伝えるということです。
例えば、
今日、新幹線に乗ったら、キムタクが乗っていたよ!
というのは、十分にニュース性があり、話し手も話したいでしょうし、聞き手も聞きたいでしょう。
でも、例えば、
今日、新幹線に乗ったら、他にもお客さんがいたよ!
というのは、ニュース性がありません。
むしろ、他に全くお客さんがいなかったという方が、はるかにニュース性があります。
語り上手の本質は、いかに、聞き手が興味関心を持つ、ニュース性のあることを伝えるかなのですよね。
まだまだ、語り上手になる方法はたくさんありますが、今日、このブログ記事でご紹介した3つの方向性に気をつけるだけで、ぐんと語り上手になれますよ!
お試しあれ!
追伸: 9月15日(土曜日)に広島校で開講する【教師のための語り方講座】では、これらのことを徹底して特訓していきます。3時間で、語り上手になっていただきますよ!
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では、また明日!!
河野正夫