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レトリカ教採学院（教採塾）の川上です。

現役の学生の受講生から、よく「講師のように経験が無いのですが、合格は勝ち取れるでしょうか？」と、質問をいただきます。

確かに、学生と比べて、講師（臨採含む）をされている方からすれば、正規でないにしても、その経験値、経験年数というのは、面接において、武器になります。

大抵の質問に対しても、現場での経験をイメージして語ることができるので、話しやすいでしょう。

しかし、講師経験者は、講師経験者で、また別の課題が浮上してきます。

それは、講師経験年数です。

面接において、例えば、「講師経験6年の中で、子供達に、○○の指導をしてきました。」と語るとしましょう。

その人にとっては、「6年も現場に立っているから、即戦力で使えますよ！」というアピールになると考えての、語りだと思います。

しかし、それは、あくまでも、受験者側としての視点に過ぎません。

反対に、面接官の視点としては、講師経験が長い場合、2つの疑問や不審点が、出てきます。

1つ目は、

「経験ではなく、ただの経年だろう。」と、感じられることです。

講師経験6年目の受験者が、

「不登校の子供がいたのですが、最初は、なかなか話しかけても振り向いてもらえず…（中略）でも、最後は、学校にも来てくれるようになり、話しかけても反応してくれるようになり…」というような語りをしたとして。

不登校の子供が、学校に来れるようになった、その事実自体は、素晴らしいことです。

しかし、面接での語りとしては、あまりに事実の羅列、時系列の語りで、要点が見出せず、平凡で、惰性に感じるものであれば、「ただ単に、歳を取っただけで、向上している様子や、採用しても、メリットが感じられないな。」と、思われてしまいます。

むしろ、「不登校の子供がいれば、そのように接する、指導するというのは、教師として当然のことではないのか。加えて、学校に来させることがゴールではないのに、そんなことを堂々と語るのか。6年も経験を積んでおいて、語ることは、そんな当然の事実しかないのか。であれば、学生でも、他の先生でも、できるだろう。他のライバル受験者ではなく、あなたを採用するメリットは他に無いのか。」と感じられます。

経験を積んだというよりも、ただ単に、講師経験の年数が経過しただけ、という印象になってしまうのです。

2つ目は、

「6年の講師経験ということは、これまで教採に6回も不合格になった人なのか。」と、感じられることです。

6回も不合格になる ＝ これまで、先輩面接官が、6回に渡って、不合格にしてきた人、という認識に変わります。

6人の面接官が、不合格にしてきた人ですから、当然、今回の面接官も、何か決定的に、不合格に値する理由があるのだろうということで、ガサ入れのごとく、詰問が始まります。

先輩面接官が、6回も不合格にしてしてきた受験者ですから、よほど、素晴らしい能力や資質が無い限り、今回の面接官が不合格を覆すことは、不可能なのです。

「なんだ、こんなにいい人で、優秀な人なのに、なんで今までの先輩面接官達は、不合格にしてきたんだろう。」

このレベルまで、感じさせることができなければ、恐らく、7回目の不合格切符を渡されることになるでしょうね。

いかがでしょうか。

学生には学生として、教壇に立ったことのない不安、講師経験者との比較で、不利に感じることもあるのでしょうが、講師経験者は講師経験者で、学生ではなく、講師経験者のあなただからこその、追随を許さない、差別化を図ることができるような要素を語る必要があるのです。

学生は、教壇に立ったことが無い分、ある程度、理想に満ちた語りでも、「まぁ、現実は違うけど、理想としてはそうでありたいよね。熱い想いは良く分かるよ！」と、面接官の共感を得やすく、割とすぐに、合格を勝ち取っていきます。

しかし、講師経験者は、経験の数だけ、パフォーマンスも、資質も、能力も、語りも、向上していなければ、合格はなかなか勝ち取れません。

講師経験者は、【経年だけ】に感じられたり、【ガサ入れ】されたりするような、不合格予備軍に入らないように、注意してくださいね！

ではまた！

レトリカ教採学院（教採塾）

川上貴裕