適切な日本語も話せないのに,教師を目指しているのは,悲しいことです!

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レトリカ教採学院(教採塾)の河野です。

 

最近,つくづく思います。

教師を目指している人の中で,適切に日本語を話している人が少ないということです。

 

「適切に日本語を話している人が少ない」という言い方は,私なりにかなり,抑制的に申し上げた言い方です。

本音を言うと,「無礼者!」レベルの日本語を話している人が多いということです。

 

 

いくつか,例を挙げます。

 

1.メールでも,電話でも,まず,名乗らない。

いきなり,「講座のことなんですが・・・」と始まります。

よく知っている受講生さんなら,これでもいいかもしれませんが,特に,初めての人が,名前も何も名乗らず,いきなり質問なり,相談をまくしたてるというのは,感心しませんね。

私なら,「(レトリカ教採学院)の河野(正夫)と申します。お聞きしたいことがあるのですが,よろしいでしょうか?」と切り出しますね。

 

2.「~する者です」と切り出す。

教員志望者の半数くらいが,「~する者です」という言い方で,メールや質問などを切り出します。

本当にたくさんの人(全体の半数くらい)が,この話し方なのです。

例えば,「私は,神奈川県の教採を受ける者です。」,「私は,中学校英語で受験する者です。」という風にです。

特に,日本語として間違っているというわけではないのですが,名前も名乗らず,いきなり,この表現から話し始める人があまりに多く,この語り出し方が,はたして,適切と言えるのだろうかと困惑中です。

自分を紹介するのに,「~する者です」が,特に20歳代の若い人に定着しているのは,もしかしたら,何かのネット文化・ネット言語なのか,はたまた,いわゆる「バイト語」に似た若者特有の表現なのか,いまだに,分析しかねています。

いずれにしても,語り出しを,例えば,「私は,神奈川県の教採を受ける者です。」とするよりも,「河野正夫と申します。私は,神奈川県の教員採用試験で,中学校英語での受験を予定しています。教採について質問があるのですが,よろしいでしょうか?」とする方が,はるかに,日本語として,洗練されていると思うのですが,いかがでしょうか?

 

3.「参考にさせていただきます。」を多用する。

私に質問があり,私が,丁寧にお答えすると,「参考にさせていただきます。」と返信が来ます。

返信した人にとっては,感謝の気持ちを伝えているつもりなのでしょうけれど,この表現は,いかがなものでしょうか?

「参考にする」という言葉のニュアンスは,「アドバイス等の内容を本気で信じて活用するかどうかは別にして,自分が判断する際の足しにする。気に入れば使ってみる。」という感じです。

ちょっと別の表現で言えば,「参考程度に聞いておく」というニュアンスです。

これは,いわゆる,先生とか目上の人に使うのは,極めて,礼を失する表現です。

「参考にする」というのは,本来は,先生や目上の立場にある人が,「もしよければ,私の意見を,参考にしていただければ嬉しいです。」という感じで使うものです。

教えを授ける立場の人が,謙虚に,「参考程度に聞いていただければいいですよ!」と語るときに使うのが適切な用法です。

それを,教えを受けた人が,教えてくれた目上の人(先生など)に向かって,「参考にさせていただきます」とうのは,たとえ,「いただきます」という敬語があったとしても,「気に入れば,自分の判断の足しにしてやる」ということを伝えていることになります。

言葉の捉え方という人もいるかもしれませんが,現代の日本語の適切な使い手の間では,「参考にする」を目上の人に使うのは,やはり禁忌だという人が圧倒的に多いでしょう。

私(河野)もその一人で,「参考にします」と言われたら,「この人は,日本語が適切ではないなあ」と悲しくなってしまいます。

 

4.「~ていただきたいです。」を使用する。

この表現も,いきなり言われると,「無礼者!」と感じてしまいます。

メールなどで,「講座の詳細を教えていただきたいです。」,「課題の内容を教えていただきたいです。」という表現が,しばしば見られます。

このような表現を使う人は,話し方をもう一度,学び直してから,連絡してほしいなあとさえ思います。

「~していただきたいです。」というのは,「いただく」という敬語表現は入っていますが,とてもきつい言い方で,どちらかと言うと,「最後通告」くらいの強い言い方です。

そもそも,「~していただきたいです。」は,自分の意思だけを,相手の都合とは関係なく,伝える言い方です。

あえて,極端に言い換えると,「あなたの都合や気持ちはどうでもいいので,私がやってほしいことはこれです!」というような感じですね。

「~していただきたいです。」という表現は,相手に有無を言わせず,自分の要求だけを伝える言い方です。

こういう時は,「講座の詳細を教えていただけますでしょうか?」とか,「お手数ですが,課題の内容をもう一度,送っていただくことは可能でしょうか?」というように,相手の意向を尋ねる形にすると,とても洗練された言い方になり,相手への配慮が感じられます。

 

5.「~があるじゃないですか」を語り出しに使う。

私にメールなどで,相談や質問をするときに,「模擬授業があるじゃないですか」,「XX県では,場面指導があるじゃないですか」などというのを語り出しにして話す人がいます。

洗練された言葉遣いとは感じられません。

「~があるじゃないですか」という表現を,先生などの目上の人に使うことは,おそらく,あり得ないのではないでしょうか?

こんな表現よりも,「私の志望自治体では,模擬授業があるのですが・・・」,「XX県では,場面指導が受験科目としてあります。そのことについて,お聞きしたいのですが・・・」とする方が,はるかに洗練された感じに聞こえますよね。

 

いわゆる就活(就職活動)では,こういった言葉遣いも厳しくチェックされ,また,就活のために学ぶようですが,教員採用試験の受験では,ほとんど顧みられることはありません。

私が,採用側の教育委員会の面接官や採点官,担当者ならば,上記のような適切とは言えない日本語を使う人は,絶対に採用しません。

子供たちの言葉遣いの模範になるべき教師が,適切な日本語さえ話せないようでは,教師としての資質がないと言っても過言ではないでしょう。

 

このブログ記事は,教育委員会関係者の多くもお読みくださっているとお聞きしています。

面接官・採点官になられる方は,受験者が話す日本語にも注意を向けてみてください。

おそらく,その人の,教養・品格・人徳が,言語表現に現れているはずです。

 

教採を受験する皆さん,

皆さんの日本語は,皆さんの教養・品格・人徳を映す鏡でもあります。

どうか,洗練された,教養・品格・人徳が現れているような言語表現に勤めてくださいね!

 

 

では,また,次回!!

 

 

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河野正夫

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