面接で、ストックフレーズ(インフレ用語)を使って語ることだけで安心していませんか。
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 合格への戦略, 面接力向上
教採塾の川上です。
直前講座や、個人レッスンで、多くの受講生に、
・子供との信頼関係を築くためには?
・保護者との信頼関係を築くためは?
という質問を投げかけました。
子供に対しては、
「子供の良さを見つける。」
「声をかけて、信頼関係を築く。」
「その子をよく見る。」
保護者に対しては、
「電話で、その子のいいところを伝える。」
「連絡帳で、その子のいいところを伝える。」
「家庭訪問で、しっかり話す。」
「学級通信で、様子を伝える。」
という回答が、比較的多く返ってきました。
実際、現場で行っていることでしょうし、大事な要素です。
ただ、受験生にとっては、面接で初めて語る内容であっても、朝から夕刻まで1日中面接を受け持っている面接官からしたら、この内容は多くの受験者が語るため、インフレ状態となっています。
「驚きも発見もない陳腐な表現。」としか感じません。
私は講座で面接官役になると、核となる想いなのか、ただ単に響きの良い言葉(ストックフレーズ・インフレ用語)を並べて、何となく語っているのかを見極めるために、意地悪く、
「連絡帳でのやりとりだと、毎日記入しないといけないし、学級通信も月に1回程度しか出せません。毎日連絡帳を記入・学級通信を配るにしても、子供が絶対に保護者に渡している・伝わっているとも限らないのでは?」
「緊急の際の電話なら当然ですが、いいところを伝えるためだけに電話されたら、嬉しい保護者もいるでしょうが、夕飯の準備や買い物等で忙しい中(仕事がまだ終わっていない中)、ありがた迷惑になる保護者もいるのでは?」
もっと厳しいことを言うと、
「あなたも子供の頃に、少なからず1人くらいは、苦手な教師がいたでしょう。その教師に、何度も見られたり、何度も話しかけられたりしても、すぐには、気持ちは変わらなかったでしょう。もっと言うと、『ウザイ!』とさえ思いませんでしたか?それでも、声をかける・よく見ることで、信頼関係が築けると思いますか?」
「例えば、いじめの早期発見も、半数以上が、定期的なアンケート調査によっての発見となっています。『子供をよく見る』と言いますが、教師が実際にいじめを発見できたのは、全体の10%程度しかありません。その事実を踏まえても、『子供をよく見る』と言うのでしょうか?」
と、問いかけることもあります。
(誤解の無いように改めてお伝えしますが、現場では大切な要素だと思いますし、実際には、上記のようなやり取りで、信頼関係を築いている先生方も多くいらっしゃいますので、実践を否定するつもりは毛頭ありません!
ただ、面接官の視点から考えると、あるいは、2次試験で評価するという観点から考えると、もっと言えば、面接の語りにおいては、という前提での話です。)
私としては、 休み時間は(特に話をしなくとも)子供とできるだけ一緒に過ごしたり、昼食の時間も他愛もない話だとしても、語りかけたりしていれば、自ずと距離は縮まると考えています。 子供は色々な想いや意見をもっているので、子供の意見に耳を傾け、子供の想いを叶えてあげることもまた、大切だと考えています。 子供は教師をよく見ていますので、公平に接し、終始一貫ぶれない態度をとることも大切だと考えています。
昔から、「教師は授業で勝負!」と言われているように、教師自身がアクティブラーナーとして、幅広い知識と教養をもち、授業(特に導入)が面白く、発問が工夫されていて、雑談が楽しければ、「先生ともっと話したい。」、「楽しい。」と惹きつけることができると考えています。
面接においても、ただ単に「いいところを見つける。」、「声をかける。」と言うよりも、このようなことを語る方が「確かにね!」、「なるほどね!」と、好感と共感を持って面接官が聞いてくれます。
次に、保護者との信頼関係について。
小学生に限ったことになるとは思いますが、学校での日常が楽しければ、授業が楽しければ、家に帰って、その日の出来事を保護者に話します。
中には、「え!そんなことまで、お家の人に話しているの?!」ということまで、話していたりします。
気付いたら、教師の口癖や、癖を真似たりしています。
そんな、嬉しそうに学校の様子を話す姿、あるいは、朝、元気よく我が子が学校に向かう姿を見るだけで、保護者は安心してくださいます。
子供は何よりのメッセンジャーなのです。
極端な話、連絡帳や電話、学級通信等で信頼関係を構築しようとしなくとも、はるかに効果があります。
また、
私は平成生まれですが、クラシックを愛する人間ですので(笑)、日常の写真の多くは一眼レフで撮影しています。
教員時代も変わらず、支給されていたカメラで、学校行事、遊んでいる姿、クラスでの様子等を毎日撮影・録画していました。
写真や動画は、スライドショーにしたり、編集ソフトでムービーにしたりして、参観日・懇談会・2者面談・開校日等の際に、教室内や廊下にテレビ(デジタルフォトフレーム)を出して流していました。
保護者の皆さんからは、
「子供からその日の学校の様子を聞くのもいいけど、写真だと、表情までよく分かって良い!」
「その行事の日は仕事で行けなかったから、ありがたい!」
などと、仰っていただきました。
これが好評だったのか、教員生活の中で10数回の懇談会がありましたが、いずれも参加人数が20人を下回ることはありませんでした。
このような形をとることで、保護者の皆様も、お忙しい合間を縫って、学校に足を運んでくださいます。
そのスライドから話が盛り上がり、保護者の方から、子供の家での様子や興味があることなど、更に細かい話も聞くことができ、今後の子供との関わり方にも活きていきます。
声を掛ける、よく見る、電話や学級通信で連絡を取る・想いを伝えるのももちろんOKです。
ただ、改めて、子供や保護者との信頼関係の構築の方法について、面接で語るときは、今回のブログを参考にしてみてくださいね!
では、また7の付く日に!
川上貴裕