ナポリに滞在して、1週間が経ちました。
今回のナポリ旅行の最大の目的は、教採合格のためのパフォーマンス力の秘密を探ること。
ナポリの人々の屈託のない明るさと、どうしようもないほどの開放感(笑)の中に、教採合格の鍵を見つけようとしてきました。
ヨーロッパからの観光客が多く集うところを散歩したり、ナポリの地元の人が集まるレストランで食事をしたり、ナポリの上流階級の人々とシャンパンを飲んだり、日本ではなかなかできないことをいろいろとしてみました。
いろいろと感じたことはたくさんありますが、もっとも心に刺さったことは、
窮屈で、旧態依然とした受験態度では、教員採用試験に合格するのは難しいのかもしれない。
ということです。
教員採用試験を受験する、学生さん、講師の方々、教育界以外から教師を目指す方々、いろんな方がいらっしゃいますが、
窮屈で、旧態依然とした、受験マインドが蔓延しているようです。
失礼な言い方でごめんなさい。
でも、本当にそう思うのです。
何が窮屈かというと、それは、以下のようなことです。
教採を受験する方は、みなさん、大人(20歳以上)です。
大人ならば、かなり学習のあり方・やり方にも自由度があり、それぞれの個性や能力や状況に応じた学び方をされているのかなと思うと、そうでもないのです。
多くの皆さんは、中学校・高校の定期テスト、あるいは、高校入試・大学受験のときと同じような詰め込み型の勉強をしていらっしゃいます。
あえて、比喩的に表現すると、部屋の壁に勉強予定表を貼って、頭に「合格」と書かれたハチマキを結んで、歯を食いしばって、深夜まで勉強するという感じです。
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これはもちろん、あくまで比喩的なイメージなので、皆さんがこうしているということではありません。
教採のための予備校や塾・講座を選ぶ際も、自由度のある大人の選び方というよりは、中学生や高校生が進学塾を選ぶ時と同じような態度で選んでいる人が多いように見えます。
窮屈で、旧態依然とした受験態度という表現で、何が言いたいかというと、教採受験者の「受験勉強」のモデルは、中高の定期テスト、あるいは、高校受験・大学受験なのです。
大人になり、子供の時よりは、格段に知恵も教養も獲得しているのに、受験勉強のモデルは、いつまでたっても、中高の定期テストか高校受験・大学受験のままなのです。
だから、勉強をしている態度に、原始的な悲壮感が漂っています。
比喩的なイメージでいうと、「合格」印のハチマキを頭に結んでいるという感じです。
せっかく大人になり、生活の自由度、経済的自由度、時間的自由度がある程度、自分でコントロールできるのだから、もっと自由に勉強すればよろしいのにと、私は思ってしまいます。
振り返ってみれば、教採塾の元受講生で、圧倒的な存在感で教採合格を勝ち取った人々のことを思い出してみると、皆さん、自由度の高い、その人にぴったりとあった勉強法を取っていました。
中学校・高校の時との受験勉強とは、ちょっと違う、その人にふさわしい、その人らしい、「大人の勉強法」を身につけていました。
こういう人は、志望先が、どんな高い競走倍率でも、どんなに採用定員が少なくとも、確実に、一発合格を勝ち取っています。
冷静に考えてみると、教採受験者が、いわゆる中高生の受験勉強をモデルとしているのは、実は、教採受験者のせいだけだとは言えません。
教採受験の周囲にある、いわゆる受験ビジネスの影響も大いにあります。
教採受験のための参考書・問題集・雑誌、教採受験のための予備校などが、さかんに受験マインドを喚起します。
こういった受験ビジネスの受験勉強のメンタリティーもまた、いわゆる高校・大学等の入学試験の勉強がモデルとなっています。
「ここが出る!」、「これを暗記!」、「合格率90%!」といった、高校受験・大学受験と同じモチーフのスローガンがこだまします。
大人が働きながら受験することが多い、教員採用試験が、やはり、中高生の受験勉強のモデルに基づいています。
これは、受験ビジネスの最大の欠陥だと、私は考えています。
日本の受験ビジネスの根本思想は、高校入試、大学受験に基づいています。
しかも、昭和の時代の旧態依然とした受験勉強観に縛られています。
中学校・高校で教壇に立っている人なら、中高の学校教育をもっとも捻じ曲げているのは、受験勉強だということを知っています。
学習指導要領がどんなに変わっても、結局、中高の学校教育で、重視されるのは、受験勉強だということは、誰でも知っています。
高校入試・大学受験は、あたかもガン細胞のように日本の学校教育を内側から蝕んでいます。
これから、教師になる教採受験者も、大人として、自由度の高い勉強ができる立場にいるにもかかわらず、やはり、高校入試・大学入試をモデルにした勉強をします。
指導する側の受験ビジネスも、高校入試・大学受験しか、モデルにするものが見つからないので、現状がこうなるのは必然なのかもしれません、
私(河野)が、15年前、教員採用試験対策講座を始めたとき、私がもっとも強く目指したのは、この窮屈で、旧態依然とした、受験メンタリティーをなくすことでした。
私(河野)も、受験ビジネスの一部なのかもしれませんが、高校入試・大学受験をモデルとしない、教採のための学び方を確立し、それを伝授することを目指してきました。
幸いにも、過去15年間で、何百人もの教え子が、教採合格を果たし、現在、教壇に立っています。
その何百人もの先生たちは、おそらく、私(河野)のことを、「これまでにいなかった先生」、「破天荒な指導者」、「人生に刺激をくれた先生」といった感じで記憶してくれているものと自負しています。
私(河野)が、彼ら元受講生たちに教えたものがあるとすれば、それは、教職教養の断片的な知識ではなく、大人として、楽しく、戦略的に、しかも、生涯使える学び方だったと、自分では考えています。
ここナポリに1週間滞在して、ナポリの人々の自由さ、陽気さ、明るさに毎日触れて、もう一度、私自身の想いを強くしました。
教員採用試験は、大人が受験する試験です。
教員採用試験は、教師になる人が受験する試験です。
窮屈で、旧態依然とした受験勉強がふさわしい試験ではありません。
あなたのいまの勉強法は、子供に模範として示せる勉強法でしょうか?
あなたのいまの勉強法は、生涯、活かせる勉強法でしょうか?
教員採用試験だけは、受験勉強の奴隷になってはいけません、
教員採用試験は、将来、子供に誇れる勉強法で、挑戦してみてください。
そして、少なくとも、私(河野)の15年間の経験からは、自由で自分にあった勉強法で学んだ人が、教採合格を勝ち取っています。
教採塾は、そういう人を応援してきました。
これからも、教採塾は、そういう人を、全力で応援していきます。
では、また明日!!
河野正夫
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