T君という教え子がいます。
T君が大学生のときに、教採塾の講座を受講してくれました。
お茶目な大学生でした。
初めて会ったときは、赤い上着に真っ白なズボン、ファッションセンスもユニークでした(微笑)。
一生懸命だけれど、どこかお茶目なところがあって、笑えるミスばかりしていました。
その年は、教採は不合格でした。
大学を卒業後、T君は、臨時採用として、教壇に立ちました。
お茶目な性格だけに(笑)、かなり苦労したようです。
本人は、いたって、一生懸命なのですが、今度は、笑えないミスを連発したそうです。
偶然、T君が勤務している学校には、私の他の教え子も正教諭としていましたので、こっそりとその教え子に連絡して、T君のことを必要があれば助けてあげてほしいと頼みました。
お茶目だけれど、一生懸命な素敵なT君は、かなり頑張ったようでした。
今年の教員採用試験で、T君は、合格を勝ち取りました。
あいかわらず、お茶目なメッセージでの報告でした。
合格を勝ち取ったT君は、9月いっぱいで、勤務する学校が変わりました。
学校が変わったのは、臨採の単なる契約上の都合でした。
9月末で、T君(T先生というべきですね)が他の学校に行くと知って、三十数人の児童たちが、みんな泣き出したそうです。
クラスで一番やんちゃだった子供が一番先に泣き出したのだそうです。
その後、やんちゃだった子供から感謝の手紙が届いたそうです。
T君もたくさんもらい泣きをしたとツイートしていました。
そのツイートを見て、私ももらい泣きをしました。
お茶目で、あどけない表情で、笑えるミスばかりしていた大学生のT君が、いまは、子供たちの成長に関わり、子供たちにとって、かけがえのない先生になっています。
その昔、私は、冗談交じりに、T君に、「君は、本当に教師に向いているの?」と言ったことがあります。
いま、ここで、T君に私は、次のように言いたいと思います。
素敵な教師になりましたね!
T先生に教えてもらえる子供たちは幸せですね!
T君の、大学生から教師への素晴らしい成長を見守る機会を私はいただきました。
ちょっとだけ、T君の成長に関わり、手助けをすることができたのかもしれません。
そして、何より、今は、素敵なT先生の誕生を心から喜んでいます。
教採塾という仕事をしていてよかったと感じました。
教採塾という仕事が、もし、誰かの成長のためになるのなら、教育者の一人として、私は幸せです。
幸せを感じさせてくれた、T君には、とても感謝しています。
T君、いえ、T先生も、これから、多くの子供たちの成長を見守り、成長に関わり、成長を喜ぶ営みを続けていくことでしょう。
今の私のこの喜びと同じような喜びを、T先生も、これから、たくさん感じることになるでしょう。
この喜びがあるから、教師の仕事には魅力があります。
この喜びを感じたいから、教師という仕事を続けます。
教育者仲間となったT先生、
教採合格、おめでとう!
素敵な感動をありがとう!
ご活躍をお祈りしています!
では、また明日!!
河野正夫
コメントはまだありません