日本人は、自然であることを大切にします。
飾らず、準備せず、自然に出たものを愛でる傾向があります。
それはそれで、一つの精神的文化としてよいのですが、この文化を教員採用試験の面接に持ち込んでしまっては、大失敗します。
教師の仕事は、多かれ少なかれ、演技・演出です。
教師の気分がすぐれない時も、教壇に立ち、子供たちの前に立つ際には、元気で明るく楽しく授業をする教師を演ずる必要があります。
教師は腹が立ったから、子供を叱るのではありません。
教師は、叱る必要性があると感じるから、叱るのです。
叱るときの厳しい表情や雰囲気は、演技であり、演出です。
感情にまかせて叱ったのでは、指導ではありません。
教師の仕事には、演技や演出がたくさんあります。
教員採用試験の面接での語り、ふるまいも、演技や演出を効果的に使う必要があります。
演技や演出ができない人は、教師にはなれません。
表現したい自分を表現できるパフォーマンス力こそ、教師の資質の中でも5本の指に入るものです。
こう言うと、自分は自然でいきたい。
ありのままの姿でいきたいという人もいます。
残念ながら、こういうことを言う人は、自然やありのままの姿ということを、安易に考えすぎて、完全に誤った考えに陥っています。
多くの場合、自然さとは、人間国宝級の職人芸を必要とします。
俳優や女優は、自然な演技ができるようになるまでに、血のにじむような稽古をします。
茶道でも華道でも、自然な振る舞いができるようになれば、かなりの腕前です。
自然に振る舞うことは、努力を放棄することではありません。
自然に振る舞うことは、理性的な戦略が必要です。
人によっては、面接の語りは、台本を準備してはいけないと説きます。
台本を準備すると自然に話せなくなるから、ありのままの自分で行けと、無責任なアドバイスをします。
語りのことを知らず、レトリック理論を知らず、コミュニケーション理論を知らず、自分の思いつきで語る、素人の戯言です。
自然さは台本に基づいても可能です。
いえ、台本に基づくからこそ、調和のある自然さが可能なのです。
例えば、皆さんが感動した映画やドラマを思い出してみてください。
映画のシーンに、ドラマのセリフに、皆さんは涙したのではないでしょうか。
そのシーンやそのセリフは、すべて、あらかじめ台本に書いてあるものです。
俳優や女優の言葉ではありません。
映画やドラマの登場人物は、俳優自身・女優自身ではありません。
俳優や女優は、その台本で表されている人物を演技しているのです。
俳優や女優の演出力が、皆さんの感動を生み出したのです。
台本があると上手く語れないというのは、演技力・演出力がない人の言い訳です。
準備も努力も演出もせずに、ありのままの自分で語る人は、絶対に、準備と努力と演出を極めた人の語りには勝てません。
自然さは、怠惰の結果ではありません。
自然さは、準備と努力と演出の成果です。
もし、演技や演出を、「小手先のテクニック」と考えている人は、大間違いです。
演技や演出は、決して、「小手先のテクニック」ではありません。
演技や演出こそ、自然さの神髄であり、感動の源泉であり、合格の秘訣です。
毎年、このことを強調していますが、世の中には、努力をしたくない人がいます。
レトリック論も知らず、コミュニケーション理論も知らず、自分の思いつきが真実であると誤解し、意地を張って、ありのままの自分に固執してしまう人がいます。
ありのままの自分が相手の心をつかむには、ありのままの自分を演出する演技力が必要です。
ありのままの自分の想いや情熱を表す、伝わる言葉が必要です。
8月に開講する教採塾の直前講座では、連日12時間ぶっ続けの講座に、プロの芸人のRyoさんにティームティーチャーとして参加していただきます。
12時間のうち、2時間は、Ryoさんによる、パフォーマンスに関するレクチャーとエクササイズを行います。
教員採用試験の面接や模擬授業の特訓にプロの芸人を呼ぶ?と疑問に思う人もいたかもしれませんが、Ryoさんから学ぶことが、面接や模擬授業での不合格を合格に変える最大の秘訣となります。
パフォーマンスの力を知らない人は、パフォーマンスの力を知っている人には勝てません。
教採塾は、常に、最高の講座を皆さんにお届けします。
昔ながらの合格につながらない面接講座ではなく、最新の理論と最高の戦略に基づく面接講座です。
コミュニケーション理論はサイエンスであり、面接の戦略も科学です。
パフォーマンス理論もまたサイエンスです。
直前講座で、河野から、Ryoさんから、川上から、このことを学んだ人は、教員採用試験の面接と模擬授業で、高得点を勝ち取って、教採合格を勝ち取ることでしょう。
教採塾は、自信をもって、受講生の合格を応援します!!
では、また明日!!
河野正夫
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