今日は、広島県では、教員の人事異動の内定が本人に通知される日だったようですね。
昨年の夏に教員採用試験の合格を勝ち取った人にとっては、来月4月1日からの新しい赴任先が決まる日です。
何十人もの私の教え子たちも、今日、新しい赴任先を知り、爽やかな春風に吹かれながら、皆さん、希望を胸に未来を夢に描かれたことと思います。
本日、ご赴任が決まった皆さん、本当におめでとうございます。
そして、今日は、小学校の卒業式があちこちであった日でもあったようですね。
正教諭・臨採・講師と立場の違いはあれど、情熱をもって育んできた子供たちが羽ばたいていくのを見て、心を熱くした教え子たちもたくさんいることと思います。
本日、卒業された児童・生徒の皆さん、本当におめでとうございます。
人生には、始まりがあり、また、旅立ちがあります。
人は、それぞれのステージで、想いを新たにして、次の舞台に歩みだします。
それを見守る機会が多いのも教師という仕事の魅力の一つです。
私自身も、今日、新しい赴任先が決まった教え子たちの前途を祝福しながら、今日、卒業していく子供たちを熱い心で見送った教え子たちのこれまでの奮闘を讃えています。
今日は、そんな爽やかな春の日になると思っていました。
ふとYouTubeで聞いたのが、「なごり雪」というイルカさんがカバーしたことでも有名な名曲です。
何気なく聞いていたのですが、歌詞の中のある一説が耳に残りました。
なごり雪も 降る時を知り
ふざけすぎた 季節のあとで
そもそもの歌の意味を離れて、このフレーズには何か深いものがあるなあと思いました。
特に何かを表現しているとか、何かを譬えているというのではなく、深い表現だなあと感じ入っていました。
そして、自宅を出て、午後遅く、広島本社に行きました。
いつもの郵便物の中に、「親展」と書かれた封筒がありました。
差出人の名前はありません。
あて先は、私(河野)宛で、プリンターで印刷されたあて名書きでした。
中には、次のような手紙が便箋で一枚だけ入っていました。
差出人の名前も、手紙の署名もない、便箋1枚だけの手紙でした。
この手紙には、ゲイのDNA存続は不細工なエンジェルだと書かれています。
不細工なエンジェルの意味は不明です。でも、ネガティブな意味だということは文脈から読めて取れます。
この手紙の趣旨は、ゲイは「悪性の遺伝子」とでも言いたいのでしょうか?
私にはわかりません。
しかし、ゲイを優生学的に、そして、生物学的に否定しようとしているようにも読めます。
たったこれだけのことを私(河野)に伝えるために、わざわざ封筒にプリントアウトしたあて名書きを糊付けし、A4の用紙にわずか3行の文章をプリントアウトし、82円の切手を貼り、わざわざポストに投函した人がいます。
何のために?
何を伝えたいから?
私にはわかりません。
偶然ですが、昨日(2017年3月16日)、文部科学省は、いじめ防止対策推進法の学校での運用についての通知 を出して、性的少数派(LGBT)へのいじめを「特に配慮が必要」なもののひとつとしました。
また、今年(2017年)2月には、人事院は、セクハラ防止に関する規則の運用通知を改めて、LGBTなど性的少数者に関する偏見に基づく言動やからかいもセクハラに当たると明記しました。
「同性愛者は気持ち悪い」「おとこおんな」などの差別的発言もセクハラとされ、国家公務員の一般職約28万人が対象で、違反すれば懲戒などの処分対象となるそうです。
2017年になり、日本社会も大きく変わり、学校でも、そして、公務員の世界でも、性的少数派への攻撃や偏見は違法行為となりました。
ところが、まだまだ、この世の中には、わざわざ、上記のような手紙を丁寧に送り付けてくる人も残っています。
これを「なごり雪」に譬えようかと思いましたが、やめておきます。
「なごり雪」は、もっともっと美しいものに譬えられるべきだと思い直しました。
なごり雪も 降る時を知り
ふざけすぎた 季節のあとで
今日の本当のなごり雪は、こんな手紙では決してなく、感動に震え、希望に胸を高鳴らしている人たちの爽やかな気持ちに譬えられるべきでしょう。
邪は正に勝たないのたとえのごとく、美しいままのなごり雪を大切にしたいと思います。
もう一度、名曲「なごり雪」を聴いて、心をきれいにします。
来年の春は、世の中は、もう少しだけ、きれいになっていることを願っています。
では、また明日!!
教採塾
河野正夫
コメントはまだありません