信頼とは,必要とされる時にそこにいるということ!!教育の根本でもありますね!!

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私がアメリカで大学教員をしていた頃,アメリカ人の友人に,次の質問をしたことがあります。

 
 
What is trust?
(信頼とは何か?)
 
 
友人は,微笑みながら,次のように答えました。
 
 
Being there, when needed.
(必要とされるときに,そこにいること。)
 
 
即興で答えた友人でしたが,その言葉には重みがありました。
 
確かに,その通りだなと思いました。
 
 
 
 
Being there, when needed. (必要とされるときに,そこにいること。) まさに言い得て妙とはこのことです。
 
 
私たちが人を信頼するというとき,特にその人と24時間一緒にいるわけでも,定期的に頻繁に会うわけでもありません。
 
 
例えば,子が親を信頼しているとします。
 
その子が大学生以上なら,親と一緒に暮らしていることはそんなに多くはないでしょう。
 
もしかしたら,年に2回くらいしか親には会わないかもしれません。
 
でも,その子は知っています。何かあれば,親は自分のために何でもしてくれるということを知っています。
 
これが信頼です。
 
いつも一緒にいるわけではないけれども,when needed,必要とされる時には,being there,そこにいるというのが,信頼の本質なのではと,私も考えています。
 
 
きっと教育も同様です。
 
教師はいつも子供たちの行動に介入するわけではありません。
 
もちろん,授業や指導では,教師は主導的な役割を果たします。
 
しかし,学習の主体は子供たちです。
 
理想的なのは,教師がきっかけを与え,子供たちが自ら学ぶという姿でしょう。
 
そして,もし,そこに,子供たちと教師との間に信頼があるとすれば,それは,子供たちが,教師は自分たちが本当に困ったら助けてくれる,守ってくれると知っているということでしょう。
 
ここでも,Being there, when needed.(必要とされるときに,そこにいること)が,子供たちと教師の信頼の基礎になっていますよね。
 
 
いままで述べてきたことは,当たり前と言えば,当たり前のことです。
 
でも,大事なポイントがあります。
 
それは,信頼を裏切るという行為も,また,この言葉によって定義できるからです。
 
 
Being there, when needed.(必要とされるときに,そこにいること)が信頼の土台だとすると,信頼を裏切るとは,まさに,
 
 
NOT being there, when needed.(必要とされるときに,そこにいないこと)
 
 
ということができるでしょう。
 
 
普段はいい顔をして,偉そうなことを言っていても,必要とされるときには,そこにいない,逃げてしまっている,というのが,最も典型的な信頼の破壊ですよね。
 
 
私たちが,「あの人を信頼していたのに,裏切られた。」というときには,多くの場合,その人を必要としたときに,その人が逃げ出してしまった,ということではないでしょうか。
 
 
信頼は,行為ではなく。「心の保険」,つまりは,「安心感」です。
 
あの人は,いざというときは,自分を助けてくれる。
 
あの人は,いつも陰ながら私のことを見守ってくれている。
 
それが信頼です。
 
 
ですから,普段,いくら,調子の良いことばかり言っていても,いざというときに逃げ出してしまうようでは,「心の保険」にも,「安心感」にもなりません。
 
 
そういう意味では,約束を破るというのは,もっとも分かりやすい信頼の破壊方法です。
 
いろいろな事情で約束を変更することはあり得ます。そういう場合は,正直に誠実に,約束の変更を相談すれば,ほとんどすべての場合,信頼を壊すことなく,約束は変更できます。
 
しかし,相談もなく,連絡もなく,約束を破れば,そこには信頼はありません。
 
 
私は,20年以上も前に,Being there, when needed.(必要とされるときに,そこにいること)という言葉を友人に聞いてからというもの,ずっとこの言葉を私のモットーのひとつに掲げてきました。
 
 
誰かに必要とされるのであれば,そこにいたい。
 
助けを必要としている人がいるのであれば,そこにいて支えたい。
 
私を必要としている人がいるのであれば,その人のそばにいたい。
 
 
私は,常にそう思ってきましたし,これからもそう思い続けます。
 
 
信頼とは,行為や行動ではなく,心の安心感,人のことを想う心の誠実さだと考えています。
 
 
信頼できる人かどうかは,すぐにわかります。
 
調子のいい時だけそこにいて,何かあると逃げてしまう,消えてしまう人は,まったく信頼に値しません。
 
信頼できる人は,人のことをよく見ています。
 
適度な距離感を取りながらも,人のことを見守り続けています。
 
 
私は,これからもそんな人であり続けたいと願っています。
 
 
 
では,また明日!!
 
 
 
 
河野正夫
 
 

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