レストランでウエイターが、あなたが注文した熱くて美味しいステーキを持って、あなたのテーブルに歩いて向かっているとします。
そこに他のテーブルのお客が、「すみません、ちょっと。」と話しかけました。
ウエイターは、あなたのステーキを手に持ったまま、話しかけたそのお客の質問に答えています。
1分程、そのお客の質問に答えた後、そのウエイターは、ステーキをあなたのテーブルに持ってきました。
この対応には問題があります。
本来は、そのウエイターは、あなたのステーキをまずあなたのテーブルに運ぶべきでした。
話しかけたお客には、「はい。すぐにお伺いします。」と言い残して、あなたのテーブルに運ぶべきでした。
でも、研修不足のウエイターは、どうしても目の前のお客に足止めされる傾向にあります。
そもそもサービスを提供するはずのちょっと遠くのお客より、今、目の前で話しかけた客の方を優先してしまうのです。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
答えは明白です。
本来サービスを提供すべきちょっと遠くにいるお客は、あなたの目の前にいないからです。
それより、突然話しかけてきた、目の前のお客に対応してしまうのは、面と向かって文句を言われるのが怖い、嫌な顔をされるのが怖いからです。
毅然と誠実に、「はい。すぐにお伺いします。」と言って、その場を離れる勇気がないのです。
目の前にいないお客は平気で待たせることができるけれども、目の前にいるお客は待たせることができないのです。
どんなに優先順位や、サービスの順番が決まっていても、やはり、臆病な人は、気が弱い人は、目の前のお客を優先しがちです。
こういう傾向が強い人は、何事においてもこの調子です。
学校の教師でもそういう人は、多そうですね。
例えば、何か先約があって、学校を出ようとしていて、学校の出口で、同僚の先生に話しかけられて、仕事を振られると、また、職員室に帰ってしまいます。
生徒のところに行こうとしている途中で、誰かに話しかけられると、そこで立ち止まって、本格的に話してしまいます。
単に優先順位がつけられないのではありません。
目の前の人に待ってもらう、あるいは、とりあえず、お断りする勇気がないのです。
こういう人は、絶対にリーダーにはなれません。
こういう人がリーダーになると、集団は崩壊します。
最優先なのは、自分が自分の目の前の人に怒られないことになってしまうからです。
皆さん、自問自答してみましょう!
では、また明日!!
河野正夫
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