先日、ある講座で、すべての受講生に模擬授業を披露してもらいました。
それぞれの模擬授業に対して,全受講生と私でコメントしていきました。
ある受講生が模擬授業をしました。
ほとんど語れず、授業の流れも決まっていなくて、何を言っているのかもさっぱりわかりませんでした。
かろうじて板書したことも、専門の教科内容学から考えると、まったく間違ったもので、はっきり言って、どうしようもなくダメなレベルでした。
私はこの受講生さんに厳しくコメントしました。とくに叱ったわけでも、怒鳴ったわけでもありません。
しかし、語りも最悪。授業の流れも見えていない。しかも、教科知識も極めて曖昧で、そもそも授業になっていない。話にならないと申し上げました。
他の受講生たちもコメントに困っていたようでした。
こういった風景は私の模擬授業の演習講座ではよくあります。
ダメなものはダメと申し上げ、どうすればよいのかを提案します。
ところが、この受講生さんは、翌日の早朝、退塾のメールを私に送ってきました。
退塾の理由は何も書かれていませんでした。
私は、この受講生さんの退塾のご希望をお受けした上で、次のような趣旨のメールをご返信しました。
「野球ができない人は野球選手になれず、ピアノが引けない人はピアニストにはなれないのと同様に、授業(指導)ができない人は教師にはなれません。まずは、授業(指導)ができるようになるための努力をなさってください。語りの力の向上、そして、専門教科の知識と教養の向上を図ってください。」
失敗は、あきらめるまでは、成功へのステップにすぎません。
999回失敗しても、1000回目に成功すれば、999回の失敗は、成功への999のステップとなります。
失敗とは事実ではありません。
失敗とは、あきらめたことによって生まれる副産物にすぎません。
人はちょっとしたことをきっかけとして、夢を抱き、未来に希望を持ちます。
きっかけから逃げないこと、きっかけを大切にしていると、未来は開けます。
失敗もきっかけのひとつです。
大人から大人への厳しいコメントも一つのきっかけです。
コメントが厳しいから退塾するというのもいいでしょう。
お引き止めはしません。
退塾等いうのも、ひとつのきっかけになるかもしれません。
ただ、現実から逃げないでくださいね。
現実から逃げ出すと、未来に繋がるきっかけには出逢えませんから。
この受講生さんの未来が素敵なものになることを願いながら、このブログ記事を書きました。
では、また明日!!
教採塾
河野正夫
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