教員採用試験の2次試験は,面接が大きな柱になります。
個人面接に強い人は,2次試験を突破し,最終合格を勝ち取る可能性が極めて高くなります。
それだけに,面接力の向上は,教採合格の決め手ともなります。
さて,教採で合格を勝ち取るための,面接の練習ですが,以下のようなことだけをやるだけでは,合格には届きません。
ダメダメな面接演習法
1.想定される面接質問に文字原稿を作る。
2.文字原稿を先輩教員などに添削してもらう。
3.友人同士などで,面接のリハーサルをする。
以上のような面接練習法では,合格力は養成できません。
まず,想定される面接質問に文字原稿を作る,ではダメです。
確かに,予想される面接質問に対して,自分なりの想いを固めておくことは必要です。また,想いを言葉というカタチにしておくことも重要です。
しかし,ここで,重要なことがあります。
ほとんどの日本人は,文字で原稿を書き始めると,文字に集中します。その原稿は,語るためにあるということを忘れてしまいます。紙の上,あるいは,パソコン上の文字で文章を綴ることに集中してしまいます。
ほとんどの教採受験者の面接原稿は,文字言語です。話すための台本であるという意識がありません。ですから,学習指導要領や教育施策などの言葉をそのまま引用してしまいます。
耳だけで,声だけで聞いても,すぐには理解しづらいような表現を平気で使います。この時点で,面接の語り失格です。
そして,そもそも語りの原稿としては失敗している文字原稿を,先輩教員や管理職教員などに添削してもらいます。先輩教員や管理職教員も,文字で書かれた原稿を見ると,どうしても,文字言語として添削してしまいます。文字原稿を,話すためには,こう修正した方が話しやすく,相手も耳にも届きやすいといった添削は,あまりありません。
文字原稿の添削は,より無難な内容にする方向に進みがちです。
もともと語りの原稿としては失敗している文字原稿が,添削によって,さらに退屈でつまらないものになっていきます。
そして,受験者は,それを覚えて,面接の本番で語ろうとします。
上手くいくわけがない練習方法です。
また,友人同士で面接演習をするというのも,面接の場慣れという点では,ある程度の効果がありますが,次の2つの点で,面接の演習としては,あまり成果は期待できません。
(1)そもそも,面接の語りのコミュニケーション理論に精通していない素人同士が一緒に練習しても,互いにコメントや批評することができません。
せいぜい,「もうちょっと元気に。」とか「もうちょっとわかりやすく」というくらいのアドバイスしかできません。面接のどこをどう見たらいいのか,どう助言するとどう変わるのかが分かっていない人たちだけが集まってやってもダメです。
特に,文字原稿を見せ合って意見を言い合うというのは最低です。面接演習は語りのパフォーマンスを評価し合う必要があります。
文字原稿を見せ合って話し合うのは,もはや面接演習とは呼べません。
(2)素人同士の面接演習では,語りそのものの分析ができないため,結局は,椅子への座り方,姿勢,手を置く位置,ノックの仕方など,儀式的な動作やマナーの指摘に目が移り勝ちです。
もちろん,ある程度のマナーやエチケットは,面接にも必要ではありますが,それなりにきちんとしていれば,それ以上の訓練は必要ありません。普通にドアを開けて,普通に閉めることができるのであれば,ドアを閉めるときの体の位置や向きの角度などは,それこそ枝葉末節であり,面接官もほとんど見ていません。
素人が集まると,とかく,こういう意味もない細部にこだわり始めます。他にこだわるところがないからです。
こんな細部にこだわっても,面接での合格は勝ち取れません。
教員採用試験の面接で高得点で合格を勝ち取るためには,面接の基礎的訓練が必要です。
面接の基礎的訓練というのは,少なくとも以下の8つのことをすることです。
A. 想いを固める訓練
B. 想いをユニークな視点で語る訓練
C. 想いを言葉というカタチにする訓練
D. 言葉を相手に効果的に伝えるための訓練
E. 聞き手の好感と共感を勝ち取るため語り方の訓練
F. 追加質問や補充質問に耐え得る想いと言葉を仕上げる訓練
G. 語りのデリバリー(語り方・表情・雰囲気)の訓練
H. 第1印象を優れたものにする訓練
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以上,8つのことをせずに,面接の文字原稿を作って,先輩教員などに添削してもらったり,友達同士で面接演習をしてもダメです。
はっきり言います。
だから,毎年,2次試験で不合格になるのです。
自分では,なぜ不合格になったか分からない,納得できないと思っていても,文字原稿とその添削と素人同士の演習では,合格するはずがなかったのです。
面接は科学的にトレーニングできます。
面接力は戦略的に向上させることができます。
教員採用試験の面接の能力を向上させるためには,基礎的訓練が必要です!!
このことを忘れないようにしましょうね!!
では,また明日!!
河野正夫
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