教師としての能力があるということは,例えば,
専門的な知識や技能がある,
教育への情熱や志がある,
子供への愛情や想いがある,
人間的な魅力や豊かさがある,
使命感や責任感がある,
などなど,いろいろな要素があるでしょう。
各教育委員会も,望まれる教師像について,記述していることが多いですね。
確かに,教師として,ふさわしい能力・資質というのは,上記のような典型的な例で考えることができます。
教師として,専門的な知識や技量があるのは当然ですし,情熱や愛情や使命感や責任感があるというのも当然のことでしょう。
教師として,持っていてほしい資質を考えるのは,そんなに難しいことではないでしょう。
教師としての能力があるということは,もちろん,教師になるにあたっての,出発点であり,必要条件とも言えます。
さて,ここで,重要なことがあります。
教師としての能力があることと,教師として採用されることは,必ずしも同じではない。
ということです。
確かに,教師としての能力があることは,教師になるための必要条件です。
でも,それだけでは,十分条件にはなりません。
教師になるためには,教員採用試験という「就職試験」で,採用してもらわなければなりません。
教員採用試験では,受験者に,教師としての能力があるかどうかという評価とともに,その受験者を採用して,一緒に働きたいか,子供を託したいかといったことが評価されます。
簡単に言えば,能力があるだけでなく,好感が持てるか,という評価がなされるということになります。
たとえ,教師としての能力があっても,一緒に働きたいとは思えない人,人間として信頼できそうにない人,コミュニケーションが取れそうでない人は,教員採用試験で採用されることはありません。
教員採用試験は,単なる学力試験ではありませんので,能力があればそれでいいということではありません。
教員採用試験は,選考試験であり,要は,採用したい人を選ぶ試験です。
能力がいくらあっても,この人を採用したい!と思ってもらえなければ,そもそも採用されることはありません。
その点では,教員採用試験に,能力のみを引っ提げて臨んでも,合格(採用)を勝ち取ることはできません。
自分は能力があるんだから,合格させろよ!と叫んでもダメです。
あなたが,採用側に気に入られ,好感を持ってもらい,共感を勝ち取れないのであれば,そもそも,教員採用試験に合格することは難しいのです。
当たり前のことですが,時々,見失うことがあります。
でも,このことは,自分を捨てて,採用側に媚びへつらうということではありません。
自分らしさを持つことは,とても重要です。
自分の想いに正直であるということは,大切なことです。
自分の想いと言葉で,堂々と,教員採用試験を受験してください。
ただ,独りよがりの能力中心主義を振りかざしても,教採合格は難しいということを知っておくことは肝要です。
あなたの能力も重要な評価ポイントですが,あなたに好感が持てるか,あなたと一緒に働きたいかというのは,さらに重要な評価ポイントです。
能力を持ちながら,能力をアピールしながらも,採用側に好感を持ってもらうという「人となり」が大切です。
そんな「人となり」を大切にした準備をしていけば,教員採用試験に合格する可能性をより高めることができます。
教師としての能力があることと,教師として採用されることは,必ずしも同じではない。
このことを,再確認しておきましょうね!!
では,また明日!!
河野正夫
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