多様性を祝うことができると,教育の世界も変わりますよね!!

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私(河野)は,時に,教育について,真剣に考えます。

 

思い起こせば,私が13年前に初めて,教員採用試験対策講座を担当した時も,その「講座開き」で語ったのが,ローマ帝国の知的文化の散逸について語った「教育は何のためにあるの?」というお話でした。

 

ちなみに,このお話は,「教育は何のためにあるの?」と題したブログ記事になっています。

 

 

時々,私は,教育について,深く想いをめぐらすことがあります。

 

当たり前かもしれません。

 

私は,広島大学,同大学院,サウスダコタ大学教育学大学院,アイオワ大学教育学大学院と,ずっと教育について,考えてきました。

 

それからも,教育に関する仕事に就いてきました。

 

 

時に,私は,何かに刺激され,沈思黙考します。

 

 

今日,そんなことがありました。

 

 

英語に,”celebrate diversity”という言葉があります。

 

直訳すると「多様性を祝う」という意味になります。

 

これは,アメリカなどで,「多様性を尊重し,多くの個性があることを喜び合う」という意味合いで使われます。

 

動詞の部分が,”celebrate”(祝う)なのが,とても素敵だと思ってきました。

 

 

さて,去る9月1日,ノルウェーの首都オスロにある王宮公園で、ノルウェー全土から招待された国民1500人を招いたガーデンパーティーが開催されたそうです。

 

そのガーデンパーティーでの,ノルウェー国王ハーラル5世のスピーチが大きな感動を呼んでいるとのことです。

 

 

このことについては,この記事に詳しく載っています。

 

 

ハーラル5世のスピーチの概要を,上記の記事から引用させていただきます。

 

 

 

 

【引用開始】

 

ノルウェーとは、なんでしょう?

ノルウェーとは、人でできています。

 

ノルウェー人とは、北部県民、中部県民、南部県民。そして、全ての地域の人々のことです。

ノルウェー人とは、アフガニスタン、パキスタン、ポーランド、スウェーデン、ソマリア、シリアからの移民でもあります。

 

私の祖父母は、110年前のデンマークと英国からの移民です。

 

私たちが、どこからやってきたのか、それは時に簡単に言い表すことはできません。どこの国籍に、私たちが所属しているかも。

 

私たちが、故郷とよぶものは、私たちの心の中にあり、国境で位置づけすることはできません。

 

ノルウェー人とは、若者で、高齢者で、背が高く、背が低く、健康で、車イスを使う者もいます。

 

100歳以上の人も増えてきました。ノルウェー人とは、裕福で、貧乏で、その間にいる人もいます。

 

サッカー、ハンドボール、クライミング、山頂、船が好きな人もいれば、ソファに座っていることを好む人もいます。

 

自分に自信がある人もいます。ありのままの自分が、すでに十分なのだと、信じられずに苦しんでいる人もいます。

 

ノルウェー人は、店、病院、石油掘削施設で働きます。私たちが安全でいられるように働き、地球からゴミを掃除して、グリーンな未来のために新しい解決策を探します。

 

ノルウェー人は、熱心な若者、人生経験が豊富な高齢者です。

 

ノルウェー人は、独身で、離婚していて、子どもがいる家族で、年老いた夫婦です。

 

ノルウェー人は、女の子が好きな女の子で、男の子が好きな男の子、そして、お互いを好きな女の子と男の子です。

 

ノルウェー人は、神様を、アッラーフを、全てを信じます。何も信じない人もいます。

 

ノルウェー人は、グリーグ(作曲家)、Kygo(今大人気のDJ)、Hellbillies(90年代からのロックグループ)、 Kari Bremnes(フォーク音楽家)が好きです。

 

別の言葉で言うと、ノルウェーとは、あなた方です。

 

ノルウェーとは、私たちです。

 

私のノルウェーへの最大の望みは、互いを思い合っていくことです。

 

私たちには違うところもありますが、私たちはひとつです。

 

ノルウェーとは、ひとつなのです。

 

【引用終了】

 

 

ノルウェー語ができる人は(微笑),ノルウェ―王室の公式サイトに,このスピーチのノルウェー語のトランスクリプトと動画があります。

 

英語ができる人は,YouTubeに,英語の字幕がついたこのスピーチの動画があります。

 

 

一部和訳の上掲のスピーチを読んでも,このスピーチの素晴らしいところが分かるでしょう。

 

 

ハーラル5世国王は,ノルウェー人を多様なものとして,表現しています。

 

そこには,ノ
ルウェー人ならこうあるべきだとか,ノルウェーの伝統はこれだという決めつけはありません。

 

また,排外的な思想も,民族中心主義もありません。

 

多様性を認めながら,多様性を喜び合えるからこそ,ノルウェーのアイデンティティは,そこにある,という趣旨になっています。

 

ノルウェーが一つになれるのは,ノルウェー人同士が個性を祝えるからだという国王の熱い想いがそこにはあります。

 

 

私たち,日本人の言説に,ハーラル5世のこのスピーチで描かれているような多様性を祝うというスピリッツがあるでしょうか。

 

日本の学校教育に,ハーラル5世のこのスピーチで描かれているような多様性を祝うというスピリッツが,本当にあるでしょうか?

 

 

日本の学校教育で,個性を尊重するとか,個のニーズに応じた指導をするということが叫ばれてから久しいのは事実です。

 

しかし,日本の学校教育で言う,個性の尊重は,このスピーチで描かれているような想いでしょうか?

 

 

はるか遠く,北欧の国,ノルウェーの,お顔も今回初めて動画で拝見した国王陛下のスピーチを聞いて,多様性を祝うというスピリッツを再認識しました。

 

 

教育者としての私は,ノルウェー国王のこのスピーチで表現されている多様性を大いに祝っていきたいと願っています。

 

 

 

では,また明日!!

 

 

 

広島教採塾

河野正夫

 

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