教師(教育者)には,様々な人がいます。
研究肌の人,
実践型の人,
しゃべり上手な人,
やや寡黙な人,
などなど,個性多彩なのが,教師の素晴らしいところかもしれません。
しかし,もし,あなたが自分のコミュニケーション能力を上達させ,語りの力を向上させたいと願い,また,人の心を自分の言葉で,メッセージで動かしたいのであれば,やはり,「師」には,言葉の能力を期待したいですよね。
私は,昔から不思議に思っていることがあります。
コミュニケーション能力は大事だとか,子供の心をつかむ授業が大切だとか,言語活動を充実することが肝要だとか,そういう研修講義を担当する人にかぎって,語りが下手くそなのです。。。
あまり,個別なことを言ってはいけませんが(笑),某県の初任者研修の講師の話の下手くそさには,定評があるようで,教育委員会の人が,初任者たちに向かって,「皆さんの気持ちは分かるが,講義中,寝ないように。」と注意が入るとか,入らないとか。。。(笑)
こういった講師の皆さんは,講義の中では,子供の興味関心を引くことが大事とか,子供のXXを引き出す授業が大切とか,仰るんですよね。
でも,その講師の先生の話は,どうしようもないほど,下手なんです。
例えば,ただ,パワーポイントの資料を単調に読み上げるだけとかなんですよね。
はい。他人様の悪口は,このくらいにします!!(笑)
私が言いたいのは,語りの下手な「師」からは,コミュニケーションの妙技は,学べないということです。
もちろん,学問的にレトリック理論なり,コミュニケーション理論を学ぶというのであれば,「師」の語りの上手下手は,あまり関係ないかもしれません。
アカデミック・プロパーなら,「師」の語り口より,学問的な切り口の方が重要でしょう。
しかし,人の心を動かし,人を引き付ける語りの力を身に付けたいのであれば,やはり,語りが上手い「師」のもとで学ぶのが,絶対的に重要なんですよね。
私自身,これまで,この人の話し方は上手いなあ!と感激し,その人から,話の妙技を盗みたい!と思った「師」が何人もいます。
そういった「師」の講演や研修,セミナーに参加し,お話を聞くたびに,私の語りの力が向上しているのが実感できます。
刺激を受け,刺激を消化し,自分の語りに同化していくという自分の心の中でのプロセスが,自分自身で感じられるのです。
語りの上手い「師」からのインプットとは,それ程のインパクトと効果があります。
ところで,皆さんに面接指導をしてくれる「師」は,語りがお上手ですか?
もし,その方が,ものすごく語りが上手な方であれば,皆さんは,とても幸運です。
語りが上手い方の面接指導は,楽しく,役に立ち,そして,必ず,合格につながります。
もっと言えば,教採合格だけでなく,合格してからの教師生活にも大いに役立ちます。
でも,もし,その方の語りがあまり上手でなければ,ちょっとした悲劇かもしれません。
確かに,面接のポイントは指摘してくださるかもしれません。
語りの評価は,してくださるかもしれません。
しかし,どうすればいいのかという的確かつインパクトある模範例・具体例を示すことができないはずです。
確かに,スポーツ等では,「名選手=名指導者」ではないようです。
ですが,語りにおいては,やはり,「語り名人=名指導者」の等式は成り立つのではないかと,私は思っています。
語りは言語であり,言語は習慣であり,人の想いそのものでもあります。
言葉の上手な使い手は,必ず,周囲の人を,感化するものです。
私の持論は,
語りの下手な人に,面接指導をしてもらっても,ほとんど効果はない。
です。
そう言えば,私が存じ上げている,言葉を教えている人たち(例えば,大学時代の先輩,後輩 ← 同輩がいないのはご愛敬。。。笑)は,本当に,しゃべりが上手いんですよね。
先日,その中の一人と,大阪でお食事を共にしましたが,まあ,よくしゃべること。。。(笑)
そして,そのおしゃべりが,面白いんですよね。
この人は,大学時代から,語りが面白い人でしたから(笑),私は,そんなにびっくりしませんでしたが,同席していた私の教え子(教師3年目,この人も語りは上手い)は,しゃべりの面白さに驚いていました。
語りは,語りの名人に教えてほしいものですね。
教員採用試験の面接や模擬授業の力・感性・技術を向上させたいと思っている方は,是非とも,語りの名人に教えてもらってくださいね!!
では,また明日!!
河野正夫
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