教員採用試験には,募集定員というものがあります。
例えば,中学校保健体育であれば,30人という風にです。
もちろん,県によっては,あらかじめ募集定員を教科ごとに公開してせずに,例えば,中学校全体で200人という風に発表する場合もありますが,それは,あくまでも外部に対する公開ではそう発表するということで,内部では,当然,国語が何人程度,社会が何人程度と決まっています。
さて,30人の定員のところに,150人受験者がいれば,競争倍率は5倍です。
30人が合格して,120人が不合格になります。
では,誰が合格して,誰が不合格になるのでしょうか?
筆記試験を伴う1次試験の場合は,話は簡単です。
概ね,筆記試験の学力が高い(得点が高い)方から順に合格となります。
ですから,筆記試験で満点を取れば,よほどのことがない限り,1次試験には合格します。
ここで,少しひねってみましょう。
1次試験の筆記試験の得点があまり変わらない人たちの中では,誰が合格するのでしょうか?
100%や90%以上,1次試験の筆記試験で得点すれば,まずは,合格します。
でも,70%とか,75%くらいの場合,合格することもありますし,不合格になる場合もあります。
こういった場合,誰が合格して,誰が不合格になるのでしょうか?
もちろん,1次試験にグループワークや,個人(集団面接),小論文があれば,それらの得点が加味されるということになりますが,そういった人物評価で,高い得点を取るのは,どういう人なのでしょうか?
さらに,筆記試験免除の特別枠で1次試験を受験する場合は,1次試験は,概ね,面接や小論文などの,人物試験だけです。
人物試験で,1次試験をクリアするのは,どんな人たちなのでしょうか?
もちろん,2次試験は,ほとんどの県で,人物試験が中心です。
そもそも,2次試験で,合格する人は,どのような人なのでしょうか?
教員採用試験の合格戦略とは,上にあげたような問いに答えることです。
筆記試験なら,合格の秘訣は簡単です。
高得点を取ることです!
でも,1次試験の個人面接,集団面接,小論文,そして,2次試験の個人面接,模擬授業などの人物評価での合格の秘訣を体系的に,あるいは,科学的に説明できる人は,ごく少数です。
誰もが,面接や模擬授業の準備,練習は,皆さん,見よう見まねでやっています。
根性論とまでは言いませんが,「とにかく,練習する。」,「やるだけのことをやる。」といった主観的な目標でやっています。
その意欲は尊いものですが,結局は,こういった勉強法は,不合格になってしまいます。
あんなに頑張ったのに,あんなに努力したのに,不合格になった,というのがこれです。
面接や模擬授業,特に,面接では,重要なのは,単なる面接技術や小手先のテクニックではありません。
自分を合格に導く,トータルなライフストーリー,信念のコーディネート,語りへの転換戦略です。
これをやった人は,ほぼ100%合格します。
面接を,単に言葉の使い方と考えていると,必ず失敗します。
面接を,単に言葉のキャッチボールと考えていると,必ず不合格になります。
言葉のキャッチボールなんて,最も陳腐で無意味な考え方です。
面接で合格するためには,自分の強みと,自分のこれまでの人生と,自分のこれからの人生を,いかに教員採用という舞台で語るかという戦略です。
結局は,想いの勝負,志の勝負,情熱の勝負なのです。
でも,これは,根性論でも,精神論でも,主観論でもありません。
想いは,戦略的に描けます。
志は,戦略的に築けます。
情熱は,戦略的に表現できます。
面接などの,人物評価試験で,最もまずい練習法は,ただ,やみくもに練習することです。
戦略もなく,目的・目標もなく,面接の練習をしてもダメです。
キーワードは,
ライフストーリー,
想い,
志,
情熱
です。
昨年は,過去16回,教採に不合格だった人も,この戦略で合格しました。
大学を卒業してから二十数年ぶりに,初めて受験した教採でも合格しました。
定員一人の超狭き門でも合格しました。
そのバックグラウンドでは,絶対に無理という背景を持った人も合格しました。
合格には戦略が必要です。
特に,面接には,絶対に必要です。
なぜある人は教員採用試験に合格し,また,ある人は不合格になるのか??
その差とは??
この質問への回答は,
戦略があるかないか。
です。
そして,戦略のキーワードは,
ライフストーリー,
想い,
志,
情熱
です。
では,また明日!!
河野正夫
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