まだまだ,自己アピール文を,事実や経験を説明するだけの文書だと思っている人がいるようです。
自己アピール文は,あなたの過去の事実や,経験の説明を書くものではありません。
採用側が知りたいのは,単なる事実や経験の説明ではありません。
その意味では,自己アピール文はアンケートではありません。
採用側が知りたいのは,あなたの想い,志,情熱です。あなたが,経験や体験から学んだ熱い想いや未来への志です。
その意味では,自己アピール文はプレゼン資料だと言えます。
自己アピール文は,あなたを「売り込む」ための最大の武器です。
そこに,単なる事実だけ,経験の説明だけを書いてもダメです。
最もダメダメな自己アピール文の例を書いてみましょう。
いいですか。ダメダメ自己アピールの典型例です。
自己アピール:
私の長所は,あきらめない心です。小さい時から野球に夢中で,15年間やってきました。とは言っても,野球がものすごく上手いというわけではないので,努力だけは人一倍やってきました。高校のとき,一度,ケガで,県大会にでることができず悔しい思いをしましたが,その後,練習を重ねて,レギュラーに戻ることができました。この経験を生かして,教師になっても,諦めない心を忘れずに,教育にあたっていきたいと思います。
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これこそ,ダメダメの典型。絶対に不合格にまっしぐら!というやつです。
上の文章のどこがいけないのでしょうか?
すべてがいけないといっても過言ではありません。
まずは,最初の文です。確かに,冒頭文が結論なのは,分かりやすいのですが,その内容がダメです。
「あきらめない心」って当たり前です。
社会人となり,これから教師になろうとする人が,そうやすやすと物事をあきらめるような人ではダメです。
「あきらめない心」は持っていて当然の資質です。
持っていて当然の資質をいまさらのように長所として自慢されても,読み手・聞き手は,???となってしまいます。
15年間野球をやっていたのは,ある程度は売りになるかもしれませんが,何も特徴も伝えたい想いもなさそうです。
あまり上手くないから努力したというのも,当たり前すぎて,何の感動もありません。
どんな努力をして,どんな成果があったのかが全く明らかにされていず,読む価値もありません。
そして,極めつけは,すぐに,ケガの話を持ち出してくるという,体育会系の悪い癖です。
15年も何かスポーツに打ち込んでいれば,ケガくらいします。
ケガをすれば,治るまでは試合には出られません。
ただそれだけのことを,いかにも人生最大の挫折のように語る体育会系の「ケガ話」には,面接官も採用側も飽き飽きしています。
命にかかわるようなものすごいインパクトがある話ならともかく,肉離れとか,アキレス腱とか,その時は,痛くて大変だったかもしれませんが,それをいかにも人生の転機みたいに話しても,だれの心も動かせません。
1回か2回,大会に出られなかったからといって,人生の苦難を乗り越えたみたいに書いてみても,中年の面接官の心を動かすことはできません。
ダメダメの最後は,いつも「この経験を活かして」となります。
大して活かせもしない経験を,これ見よがしに,「この経験を活かして」と言われても,読み手・聞き手の心には何も響きません。
なにか経験について,くだらない話をして,最後に,「この経験を活かして」といえば,自己アピールになるみたいなバカなパターンをどこで学ぶんでしょうねえ。。。
ダメダメの典型すぎて,この言い方をやめるだけで,上手い文章になるのになといつも感じています。
ダメダメな語りは,みな何かしら共通点があります。典型的なパターン化された「この経験を活かして」というのも,ダメダメ文例のワースト3に入りますね。
はい。皆さんの自己アピール文がこんな文章にならないように,気を付けてくださいね!!
では,また明日!!
河野正夫
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