ただし、賢いプランニングなしで、過去問ばかりやっても、合格は勝ち取れません。
教員採用試験の筆記試験の準備においても、過去問攻略は重要です。
しかし、安愚に過去問をやっても、教採合格には繋がりません。
愚かな過去問の勉強の仕方を指摘しておきましょう。
(1)志望県の過去問ばかり、何度もするのは、愚の骨頂です。
教職教養でも、専門教養でも、志望県の過去問を見ておくことは重要です。
どのくらいの難易度なのか、どのような出題形式なのか、どのような分野がよく出題されるかを知っておくことは重要です。
しかし、志望県の過去問は、そこまでの効果しかありません。
志望県の過去問は、言ってみれば、二度と出題されない問題です。
二度と出題されない問題ばかり、繰り返してやるのは、愚かなことです。
教採で不合格になる典型的な理由は、志望県の過去問を中心に勉強するということです。
(2)志望県以外の都道府県・政令市の過去問を、ほとんど見ないのは、不合格の主要な原因です。
教採受験者は、ものすごく縦割りの思考をします。
自分が志望している自治体以外の自治体の過去問には、注意を払おうとしません。自分の志望先しか見えてないのです。
他の県の過去問は自分とは関係ないと勝手に決めているのです。
愚かな判断です。
先程も述べたように、志望先の過去問は、二度と出題されません。
しかし、志望先以外の自治体の最近の過去問は、重要な分野がどこかを指し示してくれます。どのような出題可能性があるのかを指し示してくれます。
志望先以外の自治体の過去問なら、ほとんど同じような場所が、同じような形式で出題されることもあります。
志望先以外の自治体の過去問は、志望先で今年、出題される分野や内容を予想する大きな手掛かりです。
教職教養でも、専門教養でも、志望先以外の自治体の問題の過去問を、直近2~3年分やるのが定石です。合格への常道です。
(3)マークシート式、記述式、論述式にこだわって、志望先の出題形式以外の問題をやらないのも愚かなことです。
ここでも、自己流のど素人の思い込みがあります。自分の県の問題が記述式だからマークシートの問題はやらないとか、自分の志望先はマークシートだから論述式の問題は飛ばすとか、まったく愚かな思い込みです。
試験で合格点を勝ち取るには、理解と記憶、そして、それを活用した正答力が必要です。
たとえ、試験の形がマークシート式であろうと、記述式であろうと、論述式であろうと、教職教養や専門教養の内容を理解し、その理解と記憶に基づいて、試験に正答する必要があります。
単なる試験の表出が、マークシートであるとか、記述式であるとかは、表面的な問題です。
どのような問題形式でも練習しておくことは、理解と記憶、そして、それを正答に繋げる訓練になります。
試験の形式には、大きく分けて、再認式のもの(マークシート、記号選択)と再生式(記述式、論述式)のものがあります。
再認式とは、自分が理解して覚えたものを、選択肢の中から正しく選ぶことができるかというテスト形式です。
再生式とは、自分が理解して覚えたものを、覚えた通りに書くことができるかというテスト形式です。
この両方の形で問題演習をしておくことが、いずれの形式で出題されても正答しやすくなります。
つまり、再認式の問題演習は、再生式の正答力を高め、
再生式の問題演習は、再認式の正答率を高めることにつながるのです。
自分勝手に、志望先がマークシート式だからと言って、マークシート式ばかりやっていては、両方やっている受験者には勝てません。
過去問を勉強するにも、なぜ何のためにやるのかのプランニングが必要です。
やみくもに志望先の過去問だけをやっても教採合格は勝ち取れません。
賢い過去問のやり方とは、
1.志望県の過去問を直近5年間分やる。
2.志望県以外の自治体の過去問を直近2~3年分やる。
3.マークシート式、記述式、論述式、いずれの形式の問題もやる。
です。
特に専門教養の過去問のやり方には、工夫が必要です。
大原則は、質より量ですが、その量にもプランニングと工夫が必要です。
専門教養の問題演習には、戦略的なコンサルティング・プランニングが必要です。
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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