観たのは、”Anything Goes”という有名なミュージカル。
どうせ見るならと、最前列のチケットを取りました。
最前列だと、舞台の俳優からの距離は、2メートルから3メートルです。
俳優の口からセリフとともに出るしぶきもはっきりと見えます。
確かに、最前列では、あまりに舞台に近すぎて、視界に舞台全体が入らないという点はあります。
しかし、一人一人の演者は、その微妙な表情や、衣装のシワまではっきりと見ることができます。
私が最前列でミュージカルを観た理由は、
素晴らしく見える舞台を鑑賞するのではなく、素晴らしく見せる技術を鑑賞したかったから!!
です。
観客席の中央くらいから見れば、ミュージカルはひとつの素晴らしい舞台として観劇できます。
舞台全体が、ひとつの芸術として、歌、踊り、芝居と、ハーモニーをもって鑑賞できます。
確かに、それも素敵な鑑賞法です。
でも、私は素晴らしいハーモニーを作り出す、一人一人の演者の技術、小道具の具体的な位置、主役以外の演者のポジショニングなど、細部を徹底的に観たかったのです。
“God dwells in the details”(神は細部に宿る)という言葉がありますが、まさにそれを観てみたかったのです。
ミュージカルが全体として、すばらしいパフォーマンスを成し遂げるとき、一人一人の演者は、どのように振舞っているのか、どのような工夫をしているのかを確かめることができました。
ここで、具体的な内容を書いていくとものすごく長くなりそうなので、やめておきますが、演出の本髄、演技の奥義を観たような気がします。
その中の多くは、教員採用試験の面接や模擬授業にも応用できるものです。
見る人・聞く人の心を動かすコミュニケーション的な技法には共通点があります。
世界的に有名なミュージカルでの演者たちの一人一人の演技を見て気づいたことは、個人面接や模擬授業に活かせることだらけでした。
苦労して、最前列のチケットを入手した甲斐がありました!!
ふと、シェークスピアの『お気に召すまま』(As You Like It)の台詞が思い出されました。
All the world’s a stage,
And all the men and women merely players;
この世はすべて舞台、
人はみな男も女も役者だ。
素晴らしく見えるということと、素晴らしく見せるということの奥義を垣間見たような気がしています。
なんだか、また、近いうちに、オペラハウスで観劇しそうな予感がしています(微笑)。
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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