教員採用試験の面接に、民間人面接官がいなければ、面接戦略はシンプルになりますね!!

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昨日で、広島県の教員採用試験の2次試験が終了しました。

3日間にわたった広島県の2次試験では、ちょっとした重要な変更点があったようです。

それは、個人面接の面接官から、民間人面接官がいなくなったということです。

昨年までは、個人面接が2回あり、ひとつが15分間程度で面接官が2人、もう一つが30分程度で面接官が3人でした。面接官が3人の方は、民間人面接官が3人のうちの一人でした。

今年からは、2回の面接は、それぞれ25分間となり、それぞれ2人の面接官となって、民間人面接官がいなくなり、校長・教頭、そして、教育委員会の管理職の方を中心として面接官が構成されていたようでした。

もし、これからも、民間人面接官がいないということであれば、広島県の教員採用試験の個人面接対策の戦略は、かなりシンプルになります。

過去数年を振り返ってみても、私の受講生のかなりの数が、2次試験の個人面接で、民間人面接官から厳しい質問を受け、時には、圧迫面接に相当するようなやり取りがありました。

それでも合格した人もいましたが、民間人面接官の厳しい質問に戸惑って、答えられなくなってしまい、合格を逃した人もいました。

私は、個人的には、こういうチャレンジングな面接官がいることは、人物評価の上では、プラスになるのだろうと考えていました。教育者や教育行政の専門家だけではなく、民間企業の経営者などの視点を入れることは、多様な観点から、受験者を評価できると思っていました。

個人的には上記のように思ってはいましたが、今年から、広島県では、民間人面接官を廃止したということですから、これが来年以降も続くことすれば、面接戦略はシンプルになります。

面接の語りの聞き手である面接官の多様性が減少するわけですから、ターゲット・オーディエンスが絞れるわけです。ターゲット・オーディエンスに多様性が少ないのであれば、コミュニケーション戦略上、準備すべき語りの構想の数が、少なくてすみます。

ターゲット・オーディエンスが比較的均質であるのであれば、満点を取れる語りを準備することが可能になります。

これはグッドニュースと言えますね。

ただ、私としては、面接官のプロフィールが均質化することは、より、面接対策が「受験対策」的になり、多くの受験者が同じような型にはまった語りをするのではと危惧します。

もちろん、多くの受験者が方にはまったような語りをするのであれば、ターゲット・オーディエンスの心により響かせるような語りをしたものが合格しますから、非常に微妙なラインでの差異が合否を決することとなりそうですね。

また、一般に、面接官経験者は、みずからの面接官経験だけをもとにして、面接指導をするのは困難ですから、面接官経験者による面接指導の意味が低下すると考えられます。

これまでは、民間人面接官という言わば「アウトサイダー」がいたので、その「アウトサイダー」が面接の最中にどのように振る舞うのかを知っている面接官経験者の見聞に大きな価値があったと思われますが、面接官がすべて校長・教頭、そして、教育委員会の管理職というのでは、面接のダイナミクスも、さほど語れません。

面接官のプロファイリングを均質化したせいで、面接官経験者の知見の価値が従来ほど有用ではなくなるのではないかと考えます。

面接官が均質化しているのであれば、合否は、ちょっとした差で決まります。多くの受験者が同じような方にはまったことをいう中で、均質化した面接官が高評価するレンジの中で、最も印象的に語ったものが価値です。

小さなレンジの中での印象的な語りが勝敗を決めます。

面接官経験者自身が、なぜ、ある受験者が合格し、他の受験者が不合格になったのか、ということを面接での語り方に特化して、科学的に説明することは、難しいものです。

小さなレンジでの印象的な語りの構築は、科学的な訓練が必要です。

科学的な訓練が必要ですが、面接官の均質化により、個人面接戦略は、かなりシンプルになりました。

ターゲットが決まっていますから、戦略の立案は容易です。

あとは、小さなレンジでの差異の取り方に特化して演習すればよいことになります。

来年の広島県の2次試験の個人面接は、シンプルな戦略で、細部を工夫した受験者が合格しそうですね!!

【追記】
今日のブログで申し上げたことは、決して、面接官経験者による指導は意味がないということではありません。面接官経験者(例えば、校長、教頭などの学校管理職)からの面接指導は、面接の作法を知り、教育の想いを新たにし、面接官一般の好みを知る上で、貴重なものです。ただ、一般に、面接官経験者からの指導だけでは、受験者の面接の語りが均質化・一般化するので、その土台の上に、小さなレンジでの違いを伝える語りの戦略と戦術が必要だということです。あらゆる意味において、校長・教頭などから、面接の基本的な指導を受けておくことは有益です。

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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