その先生とは、つい2週間ほど前にも、お会いし、広島教採塾の講座にも「合格した先輩」として、顔を出してくださり、講座の後に、いっしょにお食事をして、楽しくビールを酌み交わしました。
いかつい体格の男性でしたが、家庭科の教師という、ちょっと意外なところが素敵な方でした。
経歴もユニークと言えば、ユニークで、こんな方に是非、教師になっていただきたいと切望していました。
教員採用試験にも何度も挑戦され、昨年、やっと合格を勝ち取られ、今年の4月から、希望と挑戦に満ちた教育実践を新たな土地で始められたばかりでした。
思えば、この方とは、10回くらいは飲みに行きました。
いつも、明るく、軽快で、ユーモアのセンスも抜群の方でした。
昨年の9月末に、教採合格を勝ち取られた後も、「勉強になる」という理由で、私の2次試験対策講座を受講され、語りの力や模擬授業力を磨かれていました。
磨かれていたというよりは、素晴らしい授業力と語りの力を、後輩受講生に、模範として授けてくださっていました。
私の指導を助けてくださっているのに、受講料は払ってくださるという、何ともユニークな方でした。
2週間前に、現職教諭として、講座に来られた時も、封筒に入れた受講料を差し出されましたが、さすがにそれは受け取れないので、「今日は、受講料は必要ありません。合格した先輩のご訪問ですから。」と言ったのが昨日のことのように思い出されます。
語りも授業も本当にお上手な方でした。
いかつい体格の方でしたが、人懐っこく、よくメールもくださいました。
試験の直前など、私から激励のメールを差し上げると、電車の中などでお読みになって、「涙がとまりませんでした」と、ちょっとセンチなところもある魅力的な方でした。
教採受験者としては、かなり年長の方ではありましたが、これからが活躍の時という、まさに働き盛りの年齢でした。
教え子が亡くなるのは、本当に悲しいものです。
今朝、逝去の知らせを聞いて、私はしばらく呆然としていました。
でも、彼の死を本当に驚き、悲しんでいるのは、彼が教えていた生徒たちでしょう。
どうか安らかにお眠りください。
もし、天国に学校があるのなら、天国でも教師をなさってください。
天国の天使たちも、あなたの授業を聞いてみたいでしょうから。
ご冥福をお祈りします。
広島教採塾
河野正夫
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