私の添削は厳しいことで有名ですが(微笑)、でも、優れた自己アピール書を書きあげて提出しておくと、個人面接のときに、しばしば、面接官から、「素敵な自己アピールですね!」とか「あなたの自己アピールには感動しました。」と言ってもらえます。こう言わせたら、こちらのものです。合格は、ほぼ確実です。
さて、自己アピールを書くとき、最も大切なのは、読み手分析をしておくことです。
読み手分析とは、自分が書いた自己アピールを読む人がどんな人で、どんな想いを持って、どんな期待をしながら読むのかということを予想しておくことです。
自己アピール書を読む人というのは、
教育委員会の人事課の人たち、
教員採用試験の面接官(教育委員会の幹部、校長・教頭、民間人面接官)
といった人たちですよね。
年齢で言えば、40歳代から50歳代、皆さん管理職で、ほとんどの人が家庭を持っていて子どももいるという感じでしょうか。
そして、ほとんどの皆さんが教育の専門家か、教育に大きな関心を持っている人々です。
さらに、自己アピールの読み手は、採用側の人ですから、できるだけ優秀な人を採用しようとしていて、良い人材を探すという眼を持っています。
そんな人たちに読んでもらう自己アピール文に、
部活動の会計係で頑張った、
大学祭で何十人かの人をまとめた、
アルバイトで働くことの厳しさを学んだ、
などと書いても、まったくダメです。
そんな学生目線の話など、50歳代の大人は、全くもって興味ありません。
喩え話をしましょう。
小学校低学年の子どもが、「ねえねえ聞いて!今日の昼休みにお友達とかけっこして一番になったよ!」と言ってきたとします。
大人の私たちは、子どもを励まし、認める意味では、「すごいね!走るの速いんだね!」と褒めるかもしれません。
でも、もし私たちが、陸上競技の未来の選手を発掘する役目を担っている子どもスカウトマンだったとしたら、「何メートルを何秒で走ったの?ちゃんとしたコースで走ったの?認められる記録として走ったの?」と聞くかもしれません(笑)。
単なる雑談(子どもとの会話)と、プロが逸材を発掘する目とは、そもそも全く異なります。
話を教採の自己アピール書に戻しましょう。
あなたがいくら、部活動での会計係で苦労したことを書いても、大学祭で頑張ったことを書いても、アルバイトでの頑張りを書いても、50歳代の管理職・経営者にとってみれば、小学校低学年のかけっこの話と同じようなものです。
まあ頑張ったのなら褒めてやらないこともないけれど、逸材を探しているプロの眼から見ればどうでもいい話で、そんな話を聞いても、合格や採用にはまったく繋がらないというのが正直なところです。
特に、あなたが、大学を卒業して、5年以上経っているのなら、大学時代の話を自己アピールに書く意味は全くありません。読み手は、そんな昔のことを知りたいなんて思ってもいません。
また、25歳以上の人が、自分が中学校や高校時代の話を書くというのも噴飯物です。
甲子園でピッチャーをしたくらいのインパクトのあるエピソードを書くのなら話は別ですが、単なる部活動での頑張りくらいの話なら、25歳以上の年代になって、中学生や高校生の時の話を書くというのは、何の魅力もありませんし、むしろ、それ以来、何も特記すべきことはないのか!と思われてしまいます。
自己アピール書で失敗する人の最大の理由は、読み手分析ができていないということです。
読み手がどう受け取るか、読み手がどんな内容で心を動かすのかを全く予想せず、自分がかろうじて書ける思い出話ばかり書いてしまうのです。
あえて厳しく言わせていただきます。
自己アピールが下手な人は、決定的に「お子ちゃまマインド」なのです。
読み手分析をまったくせず、ただただ、「かけっこで一番になったよ!頑張ったよ!嬉しかったよ!」という小学校低学年レベルのことしか書けないのです。
大学時代の部活やアルバイトの思い出話など、50歳代の面接官から見れば、小学校低学年のかけっこの話と同じです。
自己アピールの読み手が求めているのは、あなたの想い、志、教育への情熱です。
あなたがこれまでの経験を通して、どのような想いを抱き、志を持ち、どのように魅力的な人間となっているのかを知りたいのです。
そして、それを伝えるための、それが伝わるような自己アピール文を書く必要があるのです。
お子ちゃまマインドから、プロフェッショナルなメッセージ伝達にシフトする必要があります。
昨日は、私が東京から広島空港に帰ってくるというので、空港の到着ゲートで私を待ちかまえていた受講生さんには、空港のレストランで美味しい牡蠣を食べながら、上記のような指導をみっちりと行いました。
私を1時間半もがっつりと捕まえて、広島空港で指導を受けた、このアグレッシブな受講生さんは、きっと最高の自己アピール書を書くことでしょう!!
皆さんも、お子ちゃまマインドのダメダメな自己アピールではなく、プロフェッショナルで、熱い想いと志が伝わる自己アピールを書いてくださいね!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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