「あなたと気が合わない子供や保護者がいたら、どうしますか？」

というのがあります。

いろいろな答え方はできると思いますが、基本は、「気が合わない」子供や保護者という捉え方はしないというところが出発点になります。

つまり、教育の専門職としての教師が、「あの子は気が合わない」とか「あの子とは考え方が相容れない」などと思ってはいけないということです。もちろん、考え方の違いや好印象を持つ持たないということはあるかもしれませんが、だからといって、「合う・合わない」という捉え方をしてはいけませんよね。

教師は、子供やその保護者を、「あいつは気が合わあい」とか「あいつとは相容れない」と決めつけてはいけないのです。

そうではなく、「ユニークな個性を持っている、この子とどのように関わっていくのか。」、「この子を育むために、この子の保護者とどのように連携していくのか。」を真剣に考えていく必要があります。

例えば、医師が、命の危険が迫っている患者を前にして、「この患者とは気が合わないんだよな」なんて一切気にしないのと同じです。

また、火事を消火しにいった消防士が、「この家の住人とは、合わないんだよね」などということを意識しないのと同様です。

人の命や心、成長をあずかる専門職は、自分と気持ちが合うかどうかなんて、気にすることはできません。

目の前にいる子供の成長を促す、目の前いる患者の命を助ける、目の前にある火事を消火する、その時に、「気が合うかどうか」なんて関係ありません。

でも、就職試験である教員採用試験では、「合う・合わない」が決定的な合格要因となります。

人が人を選び、雇うわけですから、「気が合う、雰囲気が合う、考え方が合う」というのが絶対条件です。「相容れない」ひとを採用する採用側なんていません。

採用試験では、「合う・合わない」が決定要因ともなり得ます。

私は、教員採用試験を恋愛に、しばしば喩えます。

教員採用試験も恋愛も、結局は、人が人を「合うか・合わないか」で選ぶ営みだからです。

恋愛では、ある人にどんなに能力や財産や美貌があっても、その人が自分に合わないと思ったら、そこには、恋愛も結婚も成立しないでしょう。

採用試験も実は同じ構造だということを見落としてはいけません。

教員採用試験で「能力はあっても合格しない」という人は、恋愛で「財産はあるのに結婚してもらえない」というのと同じことです。

「合うか・合わないか」は、人が人を選ぶときの、決定的な要因なのです。

ですから、教員採用試験の面接で、毎年のように不合格になっている人は、自分のどこが合わなかったのか、相容れないと感じられたのかを分析する必要があります。

そして、その相容れないと感じられた部分が、修正がきくものなら、しっかりと修正すれば、次は合格を勝ち取ることができます。

相容れないと感じられた部分が、どうしても修正できない、修正したくないものなら、合格は諦めた方が良い場合もあります。

ちなみに、広島教採塾は、いわゆる「１条校」ではありませんので、教員採用試験対策講座の受講生として、あまりにも相容れない方のご受講はお断りすることもあります。

滅多にありせんが、ごくたまにあります。「この方にはご指導しても教員としての展望が開けそうにない。」、「この方にはどう考えても教師になっていただきたくない。」と真摯に思えた場合には、受講をお断りすることがあります。

私自身もプロフェッショナルですので、単なる私的な感情で受講をお断りすることは可能なかぎり避けるようにしています。しかし、心の底から、この方だけはお受けできないという方には、正直にお伝えするようにしています。これも、責任ある行動だと考えるからです。

子供を対象とする学校では、教師の好き嫌いや教師と合うか合わないかは、教育を行う上で、主要な要因にはなりませんし、なってはいけません。

しかし、大人の社会では、教員採用試験も含めて、「合わない」や「相容れない」は、致命傷ですね。

大人の社会で選ばれる人になろうとする努力は本当に大切です。

そういう私も、大人の社会で選んでいただける人になれるよう精進していきますね！！

では、また明日！！