それは、受講生の面接質問への回答が、「語り」ではなく「読み」になっているということです。
面接は音声による対話ですから、当然、語る(話す)ことが必要です。
でも、受講生の多くの回答は、「読み」になっているのです。
「読み」にも2パターンあります。
一つ目のパターンは、あらかじめ用意した原稿をただ読むというもの。
二つ目のパターンは、原稿は読んでいないけれど、自分が準備した原稿を必死で思い出しながら、頭の中で読んでいるというもの。
読むのと話すのでは、根本的に、声の出し方、抑揚の取り方、間の取り方、プロミネンスの置き方などが違います。
日本人の多くは、オフィシャルな場面では、語りが読みになってしまいます。
面接でこれでは困ります。
困ると言うよりは、合格を勝ち取れません。
かといって、原稿を作るな、キーワードだけの箇条書きにしろと指導するのは、アマチュアの指導者です。こんな素人の助言に従ってはいけません。
フル原稿を準備することは、有益なことです。
自分の思考が整理でき、自分の想いを言葉で書けるかの判定ができ、また、言葉のチョイスや、レトリックを磨くことができます。
原稿は書いてもよいのです。
でも、問題は、原稿を文字言語で書くか、音声言語で書くかということを、しっかりと意識するということです。
人は、文字で原稿を書いていると、どうしても、文字だけを見つめて書いてしまします。すると、文章全体が文字言語での原稿となります。つまりは、読んで理解する文章になってしまいます。読んだら分かるけれども、耳で聞くだけでは、分かりにくい語りはいくらでもあります。
ですから、原稿は、音声言語で書くのです。たとえ、文字で書いていても、常に頭の中でその言葉を声に出すとどう響くか、どう聞こえるかを意識しながら書くのです。
その意味で、面接の語りの原稿は、原稿と呼ぶべきではないかもしれません。
むしろ、台本(脚本)と呼ぶべきでしょう。
台本だからこそ、音声言語で書くのです。
台本だからこそ、そこにあるのは、単なる文章ではなく、語るための「セリフ」なのです。
台本だと考えると、台本という名の原稿を準備することの重要性が理解できます。
いくら台本は文字で書いてあっても、読むだけではダメですよね。
俳優は、台本を自然な感じで話します。
俳優は、台本にあるセリフに命を吹き込みます。
いわゆる原稿があるから棒読みになるとか、原稿を準備しないほうがいいというのは、間違いです。
文字で書いてある台本を自然に読み、言葉に命を吹き込むのが俳優の仕事です。
台本がない方が、良い映画やドラマができるなんて、まずあり得ません。
面接原稿を準備するなと言う人は、こういうところが分かっていない素人なのです。
原稿は、台本として準備してもいいのです。準備すべきなのです。
面接の指導をする人は、台本をどう書くかを指導できなければいけません。
話し言葉の台本とはどう書くのかの指導を、音声を想い浮かべて、音とリズムを意識しながら、文字にしていく指導をする必要があります。
そして、出来上がった台本で、実際に話す時に、語りの演出を効果的に指導しなければいけません。
こういった指導がほとんど行われていないことは驚愕に値します。
面接指導者のプロが少なすぎるのは悲劇かもしれません。
でも、ポジティブな一面もあります。
こうした、プロフェッショナルな指導があまり行われていないからこそ、プロの指導を受けて、面接台本の書き方、台本の話し方の特訓を受けた人は、他のライバル受験者を圧倒できます。
他のライバルは、このような特訓を受けていないので、語り自体は貧弱なものです。特に音声で聞いた時に貧弱です。
現受講生で、面接対策講座や、スカイプ講座、個人レッスンなどを受講している皆さんは、ご期待ください。
ライバルに圧倒的な差を付ける面接力・話す力をご指導いたしますので!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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