たかが3分、されど3分、そして、3分が一生を決める!!

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今日は、「たかが3分、されど3分、そして、3分が一生を決める!!」と題して、お話しをします。模擬授業についてのお話です。

模擬授業は、最初の3分で全てが決まると言っても過言ではありません。

模擬授業だけではありません。実際の本当の授業でも50分(45分)の最初の3分でその授業の成否は決まります。それくらい最初の3分は重要です。

教採の模擬授業も最初の3分の出来で合否が決まると言ってもいいでしょう。

ですから、今日のお話しのタイトルの「たかが3分、されど3分、そして、3分が一生を決める!!」が真実味を帯びてくるわけです。

あなたが模擬授業で合格点を取れるかどうかは、その最初の3分にかかっているということです。

模擬授業(実際の授業でも)の最初の3分が持つ意義は少なくとも3つあります。

1.子どもの興味・関心を惹き付ける。

2.その授業のねらいへの方向性を明示あるいは暗示する。

3.学習意欲をそそるような授業の雰囲気を創る。

これらの3つを授業の最初の3分でやり遂げる必要があるわけです。

最初の3分は、その授業の流れを決め、学習者の意欲の湧き上がり方を定め、教師のそれからの指導の出来栄えを予言します。

最初の3分こそ、授業を準備し、企画する上で、最も力を注がなければならないところです。

最初の3分を成功させるためには、授業者(教師)は、次の3つの資質を身に付けている必要があります。

1.豊富な知識と教養を持っていること。

2.聞き手の興味を瞬時につかむようなネタや切り口、視点を駆使できること。

3.聞き手が引き込まれるような話術を持っていること。

知識と教養は必須中の必須です。授業は、100を知って1から5程度を教えるといった感じです。知っているけれども教えないことが99から95くらいあるのです。でも、その99が教える1を輝かせます。自分が知っていることと教えている内容が量的・質的にイコールなのは言語道断です。

前日に準備したことが自分の知っていることの全てで、その全てを吐き出すことで授業をしたことにするなんて、ほとんどウィキペディアを朗読するようなものです。こんな教師こそ教壇から駆逐されなければならないと私は思っています。

素敵な教師はいろいろ知っていて、さらにたくさん調べて、その中から厳選して教えます。知識と教養が広くて深いからこそ、教えることを厳選することができます。狭くて浅い知識なら、厳選などできません。もし、「自分の知識=授業で教える内容」ならば、教師の知識は授業後の子どもと同程度です。

子どもの心を奮い立たせるような最初の3分を考案しようと思う時、どうしても必要なのが、教師の側の幅広い知識と深い教養です。これがないとどうしようもありません。だから、日々、知識と教養を増やしていきましょう。少しずつでもOKです。ただ、日々、確実に自分の知を高めていくことが必要です。

知識や教養がある程度身に付いたら、次は、ネタや材料や視点探しです。どんな単元でも興味深く子どもに提示する見せ方があります。そのためのネタ、切り口、視点を探し出し、編み出し、創り出すのです。この作業はクリエイティブなもので、教師にとってはかなり楽しいものです。大変ですが楽しめます。

ネタや材料や視点、切り口にめどがついたら、最後は話術です。簡潔明瞭な言葉、インパクトのある表現、子どもにちょっとチャレンジするような言い方、そういった語りの技が必要になってきます。私は退屈な話しかできない人は教師に向いていないと思っています。厳しいようですが真理です。

難しいことも興味深く話せる。通常なら退屈になりそうな内容も生き生きと刺激的に語れる。これこそ、教師に求められる資質で最も重要なもののひとつなのではないでしょうか。つまらない話しかできない、興味深い語りができないというのでは、子どもの前で話す資格はないと言われても仕方がありません。

教師にかなり厳しい期待と要求をしましたが、その厳しい期待と要求が試されるのが、授業の最初の3分間です。授業の最初の3分間を聞けば、その教師の資質がほぼ分かります。

あなたがハリボテの見かけだけの教師なのか、それとも、知識と教養があり、しっかりと授業を練り、言葉を駆使して指導しているのかが一目瞭然で見てとれます。あなたが本物の教師として認められるのか、ハリボテの化けの皮が剥がされてしまうのかが決まるのが、授業の最初の3分間です。

教採の模擬授業のほとんどは5分から10分程度で行われます。中には15分という長い時間をかけさせるところもあり、また、3分という短い時間で行わせるところもあります。でも、いずれにしても、最初の3分の重要性は変わりません。

3分の模擬授業なら全部と言うことになりますが、5分、10分の模擬授業であっても、15分の模擬授業であっても、最初の3分がその授業の成否をほぼ決定付けます。最初の3分で合格点を勝ち取れるかどうかが決まります。まさに、「たかが3分、されど3分、そして、3分で一生が決まる」なのです。

授業の最初の3分間はその授業の成否を決めるということを述べましたが、この授業の最初の3分間で、子どもたちの興味関心を呼び起こし、学習への動機付けをする必要があります。授業の最初の3分間の準備は再重要です。

授業の最初の3分間で何をどう話すか、これは綿密な戦略と計画が必要です。この3分間の威力と魅力を飛躍的に向上させるためには、この3分間のスクリプト作りをすることが効果的です。スクリプトとは、台本・脚本のことです。授業の最初の3分間で話すことを完璧なシナリオにしてみるのです。

これは単に原稿を書くという意味合いではありません。皆さんは放送作家や構成作家という仕事をご存知でしょうか?

放送作家や構成作家は、テレビやラジオの番組のシナリオを書きます。出演者はこの脚本に従って番組を演じていきます。授業も構成作家になったつもりで、効果的な脚本を書いてみるのです。

授業もその最初の3分間は高度な演出が必要です。そして、その演出は基本的には、教師の語りで行われます。ですから、教師の語りを戦略的に文字にしてみる、脚本にしてみる、視覚的な流れとして形にしてみることが必要なのです。

これを授業スクリプトと私は呼んでいます。授業スクリプトは、単なる授業案ではありません。授業メモでもありません。
単なる話すことの原稿でもありません。舞台演劇の脚本・台本のようなものだと思ってください。授業スクリプトを読むとその授業が音で映像でイメージできるようなものです。

授業の最初の3分間をスクリプトにするのは、思っているほど簡単ではありません。どう語り始めるか、どこで子どもの興味関心を勝ち取るか、どんなことを話すか、どのような言葉で、インパクトフレーズは何にするか、などなど、書き始めると物凄く難しいことに気付くはずです。

普通の授業では、思いつきでダラダラと語り始めることが多いものです。でも、それでは、子どもの心をつかむような最初の3分間にはなりません。ここは、「3分間ドラマ」の台本を書きあげるくらいの意気込みで準備をしておかなければならないのです。

最初のうちは、恐らく、3分間のスクリプトを書くのに3時間以上かかるはずです。そのくらい難しいのです。でも、練習しなければいけません。スクリプトを書き上げて、自分で眺めてみて、「よし、これだ!!」と思えるものになって初めて子どもの心をつかむような授業になります。

そのためのスクリプトは、音声言語を意識した、躍動感のあるものでなければいけません。学習指導要領の解説をそのまま朗読するような授業では、子どもも教師も全然面白くないですよね。聞き手の心、学習者の心をつかむような語りとその内容、表現方法でなければなりません。

3分間のスクリプトですから、通常の日本語で書くと、漢字仮名交じり文で、大体、900字から1000字くらいになります。英語や数式などが入るときは、もっと字数は多くなります。言語学の用語で言えば、大体950音節くらいで3分の語りになります。

授業スクリプトは単なる授業原稿でも、授業の文字起こしでもありませんから、書き方がなかなか分からないかもしれません。書き方というよりも、授業の仕方、語りだし方、内容の取り上げ方、視点の切り込み方、表現の選び方に途方に暮れるかもしれません。

それでも、模擬授業が上手くなりたい、教採の模擬授業で合格点を取りたい、授業の語りを飛躍的に上達させたいという人は、この授業スクリプトにしっかりとチャレンジしてください。

授業スクリプトは書けば書くほど、授業力・授業構成力・指導言の力が向上します。

模擬授業で合格を確実にしたい方は、是非、お試しあれ!!

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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