「友よ、拍手喝采してくれ。喜劇は終わったのだ。」
原語はラテン語で、Plaudite, amici, comedia finita est.です。
さすがは、ベートーベンですよね。病の床にあり、死の直前に、友人たちに向かって、自分の人生を喜劇に見立て、それが終わり、幕が下りるので、拍手喝さいをしてくれと言ったわけです。このあたりのセンスが凄いですよね。
ベートーベンの母語はドイツ語ですから、最後の言葉は、ベートーベンにとっては外国語で言ったわけです。ラテン語は、当時は、教養人の共通語でしたから、きっと友人たちも理解してくれたのでしょう。
でも、考えてみると凄いですよね。臨終の際の言葉を、こんなにカッコよく、しかも外国語で語れるなんて。もしかすると、死ぬ間際にはこれを言おうと何カ月、いや、何年も前から準備していたのでしょうか。いずれにしても、言葉のセンスとはこういうところに出ますよね。
言葉のセンス、これは現代人の我々にも必要な才能ですよね。言葉のセンスがあれば、人の心を動かすことができます。想いを効果的に相手に伝えることできます。
私は、コマーシャルやポスターなどのキャッチコピーを集めるのが好きです。もう何百、何千と集めました。
最近、ツイッターで流れてきた秀逸なコピーをご紹介しましょう。
「恋とは言えず、愛にも行けない、ふたりの夜」
「恋」を「来い」に、「愛」を「会い」に掛けていて、
「来いとは言えず、会いにもいけない。」を連想させる。
そして、恋とも愛とも呼べない関係を暗示していて、本当に意味深長なコピーですね。
JR東日本さんのコピーです。
沖縄の泡盛酒造メーカーの忠考酒造さんのコピーも素敵です。
「もすこし飲んだら、好きってばれそう。」
ほのぼのして、良いですねえ!!
私が一番、好きなのは新宿伊勢丹さんのためにコピーライターの真木準さんが書いたコピー。
「恋が着せ、愛が脱がせる。」
秀逸ですね。
教育に携わる私たちも、言葉のセンスは磨いておきたいですね!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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