教採合格の出発点は、「何をしたいから教師になるのか?」です!!

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「何をしたいから教師になるのですか?」と題して、お話をしましょう。

教採の願書や面接では、志望動機・志望理由などが聞かれます。でも、今日は、単に面接などでの志望動機の語り方ということではなく、もっと根本的なところ、教師になるという想いそのものについて、お話していきましょう。

教採の願書や面接で、志望動機を聞かれると、大体7~8割くらいの人が「小学校の時に、中学校の時に・・・素敵な恩師に出逢って・・・」という話を始めます。それはそれで事実なのでしょうが、それは教師になりたいという「きっかけ」に過ぎません。「きっかけ」は志望動機とは言えません。

きっかけとはどんなことでもなり得ます。例えば、恋愛・結婚でもそうです。例えば、落としたハンカチを拾ってあげたことが出逢いのきっかけになることもあるでしょう。でも、「なぜこの人と結婚するのですか?」と聞かれて、「この人がハンカチを拾ってくれたから」と答える人はいないでしょう。

きっかけは、きっかけです。でも、結婚の理由とは、「この人と幸せになりたい。」とか、「この人と素敵な家庭をつくっていきたい。」とか、そういった話しになっていきますよね。ハンカチを拾ったかどうかは、過去のある時点での出逢いのきっかけであり、これから結婚することの理由とはなりません。

教職への志望動機も同じです。小学校の頃や、中学校の時代に、素敵な恩師に巡り合ったというのは、過去のある時点でのきっかけに過ぎません。素敵な恩師に出逢ったから教師になるというのは、ハンカチを拾ってくれたから結婚するというのと同じくらい荒唐無稽です。

教職への志望動機は、「教師になって何をしたいのか。」、「何がしたいから教師になりたいのか。」といった未来のアクションプランを語る必要があります。

アクションプランだけではありません。教師なることにどんなヴィジョンを持っているのかを語るのも志望動機になるでしょう。どんな教育を目指して教師になるのか、理想の教育・教師像をどのようにとらえて教師になろうとしているのかを語ることも志望動機になり得るでしょう。

もちろん、思想・表現の自由がありますから、何を志望動機だと捉えても構いませんし、恩師との出会いを志望動機だと言い張る自由もあります。誰にもそれは止められません。でも、それでは、人の共感や感動を勝ち取ることはできませんし、ましてや、面接官を納得させて合格を勝ち取ることはできません。

恋愛や結婚だけでなく、政治や選挙に喩えても分かりやすいでしょう。選挙で、候補者が「昔、素敵な政治家に出逢ったから立候補した」とか、「~~を尊敬しているから立候補した」とだけ語っているとすれば、だれもその候補者には投票しないでしょう。

どんな政策を実行したいのか、どんな社会を作りたいのか、日本の未来をどうしたいのかを具体的に理念を持って語れる候補者に有権者は投票するでしょう。教採の面接での志望動機もまさにこれと同じです。どんな教育をしたいのか、子どもをどのように育みたいのかのヴィジョンが必要なのです。

さあ、そこで本論です。あなたは、なぜ教師になりたいのですか?あなたは、やりたいことがあるから教師になりたいのですか。あるのであれば、それは何ですか?あなたが教師になってやりたいこととは何ですか?どんな教育を目指しているのですか?教師になってどんな教育を展開していきたいのですか?

何十年か前に「デモ・シカ教師」という言葉がありました。「教師にデモなろうか」、「教師にシカなれない」といった理由で教師になった人たちを呼んだ言葉です。いまは、影を潜めている言葉ですが、皆さんは、「デモ・シカ」教師にはならないと胸を張って言えますよね?

就活が面倒くさいから教師にでもなろう。教職単位を取ったから教採でも受けてみよう。

あるいは、教育学部だから、教師しか進むべき道が見当たらない、教採しか受けてみる自信がない。そんな理由で教師を目指しているのではないですよね? まさか、現在はそんな理由で教師を目指す人はいないですよね?

そんな理由で教師を目指しているのではないということを、自信を持って、元気に爽やかに述べるのが、教職に就く志望動機なのです。なぜ、教師になりたいのか、あなたの情熱の中にある、その理由を述べるのが志望理由です。

こう言うと、すぐに、「どんな理由で教師になろうが自由だ。デモ・シカで教師になって何が悪い」と突っかかってくる人がいます。突っかかるのは勝手ですが、デモ・シカ教師に国民の税金で給料を払うのですか?デモ・シカ教師に日本の未来を担う子どもたちを託すのですか?冗談じゃありません。

国民の一人として、納税者の一人として申し上げます。デモ・シカ教師になろうとしている人が万が一にもいるのなら、直ちに教職を目指すのをやめてください。全体の奉仕者である教育公務員に、そんな人がなってはいけません。国民の一人、有権者の一人として、私はデモ・シカ教師を認めません。

さあ、私のお話を読んでくださっている方の中にはデモ・シカ教師はいないはずですね(微笑)。

では、もう一度、質問です。デモ・シカ教師ではないのならば、あなたはなぜ教師になりたいのですか? 教師になって何をしたいのですか? どんな教育をするために教師になるのですか?

どうでしょう? 今度は、志望動機を答えるということが、結構シリアスで重みがあることだというのがお分かりいただけたでしょうか? 

そうなのです。 志望動機を答えるというのは、教採の面接質問・願書に書くことの中でも、最も重要なことなのです。

広島教採塾の(面接対策)講座の第1回はこの自覚からスタートします。教師になる重みを感じていない人は、そもそも教採を受ける資格がありません。でも、誰だって軽い気持ちで教採を受ける人はいません。ただ自分の頭の中で、真剣に深刻に考えていないだけなのです。そこを真剣にさせるのが第1回の講座です。

面接対策講座の最初の3題の課題は次の3つです。

1.教職を志望する理由は何ですか? 

2.あなたのどこが教師に向いていますか? 

3.あなたが理想とする教師像とは何ですか? 

この3つを1カ月かけて完成してもらいます。誰に対しても自信を持って話せるレベルの想いと語りにします。

広島教採塾に集まっている受講生は
全員が本気で教師になりたいと思っている人たちです。そこを疑ったことは一度もありません。でも、教師になりたいというその本気の想いをカタチにすることに関しては、最初の段階では皆さん、あまり上手ではありません。そこに火を付けるのが私の役目です(微笑)。

教師になりたいとは思っている。なんとなくやりたいことはあると感じてはいるが、はっきりとした想いにはなっていない。もやもやとした感覚を、想いや志にするにはどのように考えたらよいのか。どのように自分を見つめ直したらよいのか。どのように自分の心を突き詰めてみるのか。そこにトライします。

まずは想いや志を固めること。それをカタチにしてみること。カタチにするには言葉が必要です。志望動機が言葉にならない、言葉にできないのは、まだ、想いや志がカタチになっていない証拠です。自分も納得し、聞く人も納得するカタチ、言葉で想いを表すことができるようになる、それがスタートです。

今、まさに教採への勉強をスタートされた方々、どうか、志望動機をカタチにして、あなた自身の言葉で語ることを大切にしてください。あなた自身の言葉でカタチにして語ったその志望動機が、あなたの心を貫く芯になるのです。それがあれば、あなたの心はぶれません。

教師になって何をしたいのか、どんな教育を目指すのか、これがあなたのぶれない芯になるのです。このぶれない芯を、あなた自身の言葉でカタチにするのです。すべてはそこから始まります。この芯がないのに、教職教養を学んでも虚しいものです。

自分の教育観がないのに、教育原理や教育心理を学んでも、あまり大きなものは期待できませんよね。いや、もう一つの考え方はあり得るでしょう。自分の教育観を育てていくために、教育原理や教育心理を学ぶというのは充分にあり得ます。学べば学ぶほど、自分の教育観は育っていくものですから。

ですから、今、この段階で、理想の教育像を描けないという人は、絶望する必要は全くありません。教育原理や教育心理、その他の教育学をどんどん学ぶのです。学問をすればするほど、自分の教育観は成長します。昨日まで見えなかったものが見えてくるようになります。

しっかりと学んだ上で、じぶんが曖昧に感じていたことをしっかりとした想いにする。それをカタチにする。自分の言葉で表わしてみる。というプロセスを経ればよいのです。

昨日から11月です。

皆さんの教採に合格するプロセスは、既にスタートしています!!

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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