【川上貴裕】TENET、Pavarottiの映画から通ずる、「授業とは」、「教師とは」という観点について、お話していきますね!

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レトリカ教採学院(教採塾)の川上です。

 

 

先日、河野を誘って、TENETとPavarottiを観に行きました。

映画を観ていると、映画の内容しかり、登場人物しかり、教育に通ずるところがたくさんあるな、と感じました。

 

TENET、Pavarottiの映画から通ずる、「授業とは」、「教師とは」という観点について、お話していきますね!

 

★意欲を掻き立てる。

TENETは、インターステラーやインセプションを手掛けた、クリストファー・ノーラン監督の最新作です。

ノーラン監督の映画はよく、難しいと評されることがあります。

しかし、彼の映画がすごいのは、映画が封切られるたびに、学者たちが、科学論文を発表するほど、科学や物理に、忠実に基づいた作品となっているのです。

例えば、2014年に公開された映画、インターステラーでは、ブラックホールが映像化されましたが、2019年にNASAが撮影に成功した、ブラックホールの映像と、瓜二つでした。

これまで誰も見たことが無かった、ブラックホールの映像化・可視化に成功するほど、忠実な理論に基づいて、映画が製作されているのです。

 

それを踏まえて。

文系の私からすれば、インターステラーのブラックホールの理論や相対性理論にしても、今回のTENETのエントロピーの減少にしても、さっぱりなのですが(笑)、その理論を知らずとも、伏線や、セリフ、登場人物や企業の名前の秘密、可視化、カメラワーク、パフォーマンスなどで十分に、「あ、今は時間を逆行しているんだな。」、「あの伏線がこう繋がるのか!」、「これはラテン語か!」と理解できましたし、楽しめました。

また、難しい理論や法則であったとしても、「もっと知りたい!」という意欲を掻き立てる工夫が、至る所に張り巡らされていました。

それらを調べた上で、もう一度映画を見てみると、1回目では気付かなかった新たな知見に辿り着くことができました。

何度も何度も、挑戦したくなる映画でした。

 

教育においても、不思議なこと、知らないこと、初めて挑戦することなどを、子供達が、「やってみたい!」、「もっと知りたい!」と感じさせることができる、そんな導入や、授業であったら、子供達は、おのずと、学習意欲が掻き立てられるのだろうと思いました。

教師(志望者)の模擬授業や公開授業を見ていると、教師自身は、自分の得意・専門科目なので、しれっと授業を流しているのですが、その科目が得意ではない子にとっては、その時点で「分からない」となって、意欲をなくしたり、置いていかれたりしているな、と感じることがよくあります。

 

教員採用試験の面接演習においても、例えば、面接官が文系の人間であれば、理系の専門用語や過程が、必ずしも分かるとは限らないのに、理系の受験者は、さらっと専門用語を踏まえて、言い換えも無く、そのまま自己アピールをしたり、自分の好きなその科目の魅力についてダラダラと話し続けたりします。

仮に、その途中で、面接官が「どういうこと?」と感じてしまっては、「この人は、子供の前でも、こうやって、子供を置き去りにする授業・説話をするんだろうな。」と思われてしまい、不合格まっしぐらだということに、気付きません。

 

ノーラン監督の理系映画が、文系の私でも十分に楽しめるように、学校の授業においても、理系の授業が文系の子供でも楽しむことができたり、挑戦したくなったりするような、そんな教育であってほしいものです。

(ここでは、理系→文系の一方的な書き方でしたが、もちろん、文系の授業が、理系の子供でも楽しめたり、体育が苦手な子供でも、体育が楽しめたり、という意味を踏まえています。)

 

★人柄が周りを惹きつける。

もう一本の映画、Pavarotti。

イタリアの国宝と評された、オペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティのドキュメンタリーでした。

彼の十八番(オハコ)である、 “Nessun dorma” from Turandot は、何度聴いても、震えます。

 

動画・音源はこちらから

 

 

冒頭では、パヴァロッティが憧れていた歌手、エンリコ・カルーソが100年前に歌った場所、アマゾンの奥地にあるオペラハウスで歌いたい、ということで、実際に足を運ぶところから、始まります。

また、一緒にコンサートをしたい人がいれば、その人が住む地まで足を運んで、直接交渉するほどです。

意欲的・率先的な行動力、やりたいことを、とことん突き詰めるその姿勢は、幅広い知識・教養が必要とされる教師にとっても、不可欠な要素だなと、感じました。

 

加えて、パヴァロッティは、オペラはもちろん、ロックも、食も、恋も、若手の指導も、チャリティも、常に全力でした。

そして、何より、何をするにしても、パヴァロッティ自身が一番楽しんで、熱心に取り組んでいました。

 

オペラの歌唱力はもちろんですが、いつも陽気で、明るく、ユーモアに富んでいて、周りを和ませるので、必然的に、彼の周りには、人が集まってきますし、いつも、愛される存在でした。

教育界では、「子供は、教師を映す鏡」、「教師の背中を見ている」などが、よく言われますが、この映画に関連して言うのであれば、やはり、何よりも、教師自身が、楽しそうにしていると、必然的に、子供たちも、楽しく過ごしますし、信頼も深まっていくのだろうと考えます。

 

★本物を追究する。

ノーラン監督は、CGを使うことを嫌う監督としても有名です。

今回のTENETも、実物の大型ジャンボジェットを爆破するシーンが、とても印象的でした。

前回の作品である、ダンケルクでは、1台50万ドルはすると言われているIMAXカメラを、戦闘機に取り付け、海に墜落させるという、徹底ぶりです。

「観客は、どこでCGを使っているか、よく分かっている。本物でしか体験できない映像、迫力ある作品を撮りたい。」と、ノーラン監督は言っています。

本当にその通りで、小細工をしないオリジナリティあふれる、本物の映画・映像というものは、迫力も魅力も、けた違いです。

 

さて、ここの部は、ちょっと強引かもしれませんが(笑)、映画に通ずる教育としては、教師にも、本物を追究する姿勢は、大事だと考えます。

ちょっとかじった程度のもの、実際に見聞きしていない知識、真偽を調べもせず、鵜のみにして使うインターネットの情報は、本物とは言い切れませんし、本当によく知っている人、本当の知識には勝てません。

下手すれば、子供に間違った知識を与えてしまう危険性も、否定できません。

 

また、「教師は授業力が命」、「教師は授業で勝負」と、よく言われますが、小細工ばかりの授業であったり、SNSで流行っている授業実践にすがってばかりで、自分自身の授業力・構成力は、本当に乏しい教師が多くなっているなと感じます。

小細工、真似ごと、すがる授業も、全くもって不要とまでは言いません。

もちろん、指導力・授業力の向上において、必要な場合も多々あるでしょう。

ただ、やはり、あなた自身の、オリジナリティあふれる、魅力的な、本物の授業力・構成力・創意工夫などで、勝負していただきたいと、最近のSNSで見かける教員を見ていると、特に思いますね。

 

何はともあれ、2作品とも、本当に素敵な映画でした!

我々が行ったのが平日で、ほぼ貸し切り状態だったということもありますが、映画館自体、換気能力が大変に優れていますし、感染防止のための配慮も徹底しているので、ぜひ、機会があれば、足を運んでみてくださいね!

 

 

ではまた!

 

 

レトリカ教採学院(教採塾)

川上貴裕

 

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