【川上貴裕】今年の夏の教採の面接では、教職教養の知識が必要とされる質問や、教職教養に関する場面指導的な面接課題も、増えることと予想されます!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 不合格の理由, 合格への戦略, 面接力向上
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レトリカ教採学院(教採塾)の川上です。
今年の教採では、多くの自治体で、教職教養の筆記試験が免除になりました。
それに伴って、面接では、より、教職教養の知識が必要とされる質問や、教職教養に関する場面指導的な面接課題も、増えることと予想されます。
教職教養の知識が問われるものは、法律、答申、通知などに基づいた語りが不可欠です。
自分自身の考えや、思い付きの指導を語ると、一発アウトです。
不祥事や、教師の専門性の低下、危機管理能力の欠如が、課題になっている背景としては、教職教養の欠如も、大きな要因の一つだと考えます。
教職教養がないゆえに、現場では、勝手な行動を取ったり、間違った行動を取ったりする教師も多くいます。
それゆえ、致命的な事態に陥る可能性、リスクを考えると、以下のような面接課題に、正しい回答ができない人は、それだけで落としたい、不合格にしよう、と考える面接官も、いることと思います。
教職教養が必要とされる面接課題は、例えば、以下のようなものが挙げられます。
「いじめの措置について、どのような手立てが必要ですか。」
「虐待を受けている可能性がある児童がいます。どのように対応しますか。」
「授業中、トイレに行きたいと言っている児童がいます。どう対応しますか。」
「コロナに伴い、『医療従事者の家庭の子供は、登校させないでほしい。』と、保護者から相談されたらどうしますか。」
「他のクラスの教師が、体罰をしているところを目撃したら、どうしますか。」
「保護者から、『担任を変えてほしい。』と言われたら、どう対応しますか。」
「髪の毛を染めて来た子供に、どのように対応しますか。」
「いじめの予防のために、どのような手立てを講じますか。」
「経験したことのない部活動の顧問を任されたら、どうしますか。」
などです。
いくつかピックアップして、どのような教職教養の知識が必要か、押さえていきましょう!
いじめの措置については、以下のような対応が求められています。
①いじめの事実がある場合、被害者の学校に通報。
②通報を受けたら、学校は事実確認。
③事実があれば、いじめをやめさせ、再発防止。
④加害者を別室指導。
⑤加害者・被害者の親がケンカしないよう仲裁。
⑥生命、身体、財産に重大な被害が生じる場合は警察に通報。
加害者ではなく、被害者の学校に通報することや、被害者ではなく、加害者を別室指導することなど、押さえておくべきポイントが、教職教養の知識として、必要ですよね。
虐待については、虐待が疑われる以上、事実かどうかに関わらず、管理職に報告の上、児童相談所に通告する必要があります。
仮に、虐待の事実が結果としてなかったとしても、教師が罰されることはありません。
また、虐待の可能性があるからと言って、学校に引き留めておくことは、学校の権限としては、できません。
勝手に引き留めておくと、保護者から、法的に訴えられるでしょう。
授業中のトイレについても、子供が行きたいと言った場合に、「あと授業5分だから、我慢して。」と教師が言った途端、体罰になります。
髪の毛を染めてきた子供に対して、「染め直してくるまで、学校には来させない。」という旨を語った瞬間、学習の権利の阻害や、体罰の観点からして、アウトです。
いじめの予防に関しても、「些細な変化も見逃さない。」、「子供の様子をよく見る。」では、アウトです。
いじめ認知の大多数(50%強)は、アンケート調査によるものです。
教師が、いじめを認知する割合は、いじめの実態調査では、毎年、10パーセント程度です。
従って、面接官からすれば、「残りの9割は、対処・発見できない教師。」、「いじめの実態調査を分かっていない教師」ということで、厳しい圧迫面接、詰問が待ち受けていることでしょう。
いかがだったでしょうか。
他にも、教職教養の知識が問われる面接課題や場面指導は、数多くあります。
皆さんの合否を、大きく左右しますので、自信をもって、正しい回答ができるように、準備しておいてくださいね!
ではまた!
川上貴裕