不要不急の会見からは、実に多くのコミュニケーション論、スピーチ論、プレゼンテーション論を、学ぶことができます!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: パフォーマンス力向上, 合格への戦略, 面接力向上
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レトリカ教採学院(教採塾)の川上です。
首相や、都知事の『不要不急の会見』が、話題になっていますね。
Yahoo!ニュースの、プレジデント・オンラインでも、専門家による、ダメ出しが、掲載されていました。
各SNSでも、
「全然、緊急性を感じなかった。」
「なに、あの無意味な会見は!」
「結局は、『自粛』だけじゃん!」
「緊急事態宣言じゃないのかよ!」
というように、批判が多かったですね。
不要不急の会見からは、実に多くのコミュニケーション論、スピーチ論、プレゼンテーション論を、学ぶことができます。
子供への語り、保護者への語り、面接官への語りに、応用することが可能です。
今回のブログでは、会見に照らし合わせて、教採受験者も、面接で、ついついやりがちな語り方、陥りやすいポイントを、いくつか紹介していきますね!
【区別する語り】
会見では、
若者:カラオケ、ライブハウスなどに、行かないように。
中高年:バー、ナイトクラブなどに、行かないように。
と、自粛の要請がありました。
なぜ、年代で区別するのでしょうか。
各所を指名するのであれば、それだけで済む話です。
しかし、あえて、年齢層で、場所の区別をすることで、「若者だって(若者の方こそ)、バーやナイトクラブに行くよね。」、というように、疑問や反論が出てきます。
発言者自身は、悪気はない、無意識だとは、思います。
しかし、聞き手としては、疑問を持ちますよね。
教採受験者においても、
「小学校は、中・高と違って、担任との距離が近いので・・・」
「高校の理科の方が、より専門的で、深い学びができるので・・・」
など、区別して語る人がいますが、これも同様に、数多くの疑問や反論を呼び、面接官から、詰問され、自ら首を絞める結果となってしまいます。
【抽象的な表現】
抽象的な表現は、聞き手の混乱を招き、「はっきりして!」、と苛立ちを覚えるものです。
会見での、抽象的な表現であれば、
「様々な影響」
「独自の対策」
「強力な支援」
「不要不急の定義」
「緊密な連携」
「最悪の事態」
「自覚をもって、適切な行動」
「笑顔を取り戻す」
「国民・都民の皆様に寄り添う」
などの、言葉が挙げられます。
結局、どういうことなのか、具体的な手立てや対策、定義もないので、はっきりしませんよね。
問題は、全部、投げかけていること、相手任せにしていることですね。
教採受験者においても、
「分かってくるであろう。」、というので、具体的な施策、手立てもないままに、抽象的かつ、言葉の響きの良さだけで、表現を選び、語る人が多い印象を受けます。
話している本人は、頭の中でイメージがついているので、分かるのでしょうが、聞き手によって、方向性や、イメージするものが、違う場合もあります。
明確で、具体的な語り(かつ、端的に。)を心がけましょう。
【不要な言い訳や前置き】
会見では、
「グラフ、あまり、よく、分からないかもしれない。」
という、表現をされていらっしゃいました。
分からないかもしれないのであれば、「分かりやすいの、出してよ!」、「だったら、最初から、出さなくていいじゃん!」、という話ですよね。
不要な言い訳や前置きは、語るべきではありません。
教採受験者においても、
「あまり、得意ではありませんが。」
「今は、やっていませんが。」
というように、言い訳や前置きから入る人が、多いですね。
面接官からすれば、「だったら言うなよ!」、の一言に尽きますよね。
【未来形・願望系の語り】
会見では、
「~してまいります。」
という、表現が、多用されました。
実際に、やってくれるのか、どうなのか、不透明な印象を受け、なんとも、不安を覚える、不安しか残らない会見でした。
教採受験者においても、
「~していく所存です。」
「~する覚悟です。」
「~してまいります。」
など、普段使わない言葉を、多用し、面接官が違和感を覚えることは、多々あります。
そもそも、面接において、「~してまいります。」という、未来形は、弱すぎます。
柔和な印象を、与えようとしているのかもしれませんが。
「~していきたいと思っています。」
「~したいです。」
というような、未来形ではなく、断定形で、言い切らなければ、説得力はありません。
【フィラー・ワード】
首相や都知事、専門家や、記者に至るまで、「えー」、「あのー」などの、フィラー・ワードが非常に多かったですね。
歯切れが悪く、「結局どうするの!」、「言いたいことは何!」と、苛立ちを覚えた人も多いのではないでしょうか。
教採受験者においても、
普段の会話には、フィラー・ワードは無いのに、面接の語りになると、フィラー・ワードを連発する人が、たくさんいます。
1分間の語りに、30数回入る人もいます。
これでは、面接官を苛立たせたり、不安を覚えさせたりと、信頼を勝ち取ることは、できませんよね。
【簡潔に語れない】
記者の質問、とても長いですよね。
時間も限られているので、できるだけ情報を引き出したいのでしょうが、「質問下手かよ!」と、叫ばずにはいられません。
会見の主催者側としても、結局何を求められているのか、聞いていて、さっぱりわからないし、最後まで聞く気すら、無くなります。
1分以上に及ぶ質問であれば、もはや、「時間返せ!」とさえ、思いますね。
(もちろん、あの手の会見であれば、予め、各記者の質問が、主催者側の手元にありますので、答えることはできますが。)
面接官も同じです。
教採受験者が、ダラダラ、事実の説明をしてアピールしても、上記と同じ感情になるだけです。
もっとも、下手な人の語りを、面接官は最後まで聞く義務はありません。
「子供達の前でも、このような下手な語りをするんだろうな。子供達は、ついて来ないな。」と、感じられますので、その時点で、不合格は決まったようなものですね。
【文字、原稿に囚われる】
会見であれば、
プロンプターを見ているのだろうけども・・・
専属のスピーチライターの原稿なのだろうけども・・・
何より、どこか、他人事、想いが言葉に乗っていない、のんびりしている、そんな印象が強かったですよね。
教採受験者においても、
必死に覚えてきた内容を、語るだけで、自分の言葉になっていない人が、かなりいます。
覚えてきた内容を、再現するだけで、精一杯なのです。
だからこそ、イレギュラーな質問には、到底、耐えられません。
表情においても、
用意された原稿(あるいは、暗記したもの)があると、その通りに、語ることに必死で、表情にまで、意識が届きません。
したがって、暗い表情、面白味のない表情、こわばった表情にしか、なりません。
以上、いくつかの会見から、教採受験者にも、共通する例を、挙げてきました。
聞く側であれば、いくらでも、修正、批判はできるのですが、いざ、語る側になると、同じようなことを、やっていたりするものなのですよね。
上手な語り、安心できる語り、信頼される語りを、目指していきましょう!
ではまた!
川上貴裕