仮想敵を作ったり,事実のすり替えをしても,説得力のある面接の語りにはなりませんよ!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論
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教採塾の川上です。
各講座、ネット、SNS、他の予備校教師の発言などで、教採の面接における、課題の回答を見聞きすることが、多くあります。
その中でも、最近、特に感じるものが、『事実のすり替え』です。
事実のすり替え=責任転嫁とも言えます。
一見、すら~っと聞いていると、何のことはないのですが、よくよく考えると、「あれ、それって、根本が間違ってないか?」と感じる回答が、実は、結構あります。
例えば、「なりたくない教師像は?」と聞かれたときに、どこでも、よく聞く回答としては、
「子供のせいにする教師です。授業において、子供から思うような反応が返ってこなかったり、生徒指導がうまくいかなかったりするときもあると思います。しかし、そのようなときも、子供のせいにするのではなく・・・以下略」
というようなものです。
一見すると、「自分は、子供のせいになんてしませんよー!」というような、予防線を張ったアピール文で、「え?いいんじゃない?」と感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、面接の語りにおいて、この回答には、2つの誤りがあります。
1.仮想敵を作る。
ここで言う、仮想敵というのは、
聞かれてもいないのに、あるいは、誰もそうは言っていないのに、勝手に、自分の想像上で創り上げ、蹴落として、自分を持ち上げる。
そのための相手のことです。
事実、現場には、「子供が全然、授業で手を挙げない。」、「全然、言うことを聞いてくれない。」と言っている教師、あるいは、それによって、感情的に叱る教師も、いることでしょう。
ただ、面接の場において、面接官から、「そのような教師がいますが、どう思いますか?」と、聞かれたわけではありません。
聞かれたのであれば、この回答も、恐らく、活かせるでしょう。
しかし、聞かれたわけでもないのに、あたかも、「そのような教師がいますが、自分はそんなことはしません。」と、言う必要があるでしょうか。
聞かれてもいないのに、自ら、仮想敵を語ることで、面接官が疑問に感じ、追加質問をしてくることも多くあります。
その多くは、自分で言っておきながら、上手く答えられず、面接に失敗する、というパターンです。
あるいは。
どこの誰が、「時には、子供に一方的に押し付ける指導も必要だ。」、「指導がうまくいかないのは、子供のせいだ!」と言っているのでしょうか。
そのような見聞きしたこともない、根拠のないことを面接で語っても、何の説得力もありません。
仮想敵を作ると、自分の首を絞めることになりますよ。
2.事実のすり替え。
そもそも論として、
指導が上手く入らないのも、授業で思うような反応が返ってこないのも、教師の力量不足・能力不足に過ぎません。
それをあたかも、
「子供のせいにする。」
「子供が手を挙げないのが悪い。」
「言う事を聞かないのが悪い。」
なんて、言語道断です。
子供をクッションとして、挟むべき内容ですら、ありません。
「なりたくない教師像」の回答の中に、「授業の反応が悪い、指導が上手く入らない。そのような場合でも・・・」と、いう方向性を入れていくつもりであるならば、
「子供のせいにする教師」
でははなく、
「学習指導・生徒指導の改善ができない教師」
とするべきです。
そもそもの軸や、事実をすり替えてはいけません。
もちろん、すり替えているつもりは、無いのでしょう。
しかし、そのつもりが無いなら、無いなりに、語りに矛盾や、すり替えが無いか、確認すべきですし、気付くべきです。
気付ける/確認するためにも、聴き手意識も、もちろんそうですが、常に、根本の要因が何かを考えながら、語りを構成していきましょう!
「うーん、これはどうなのかなぁ。矛盾やすり替えはないかなぁ。分からないなぁ。」と、感じる語りは、そもそもとして、方向転換されることをおススメします。
微妙なものは、恐らく、ご自身が一番納得されていませんし、自信を持って語ることができませんし、追加質問に耐えうるものでもないでしょう。
もっとも、今回の例の課題においても、この方向性の語り、回答は、差し替えるべきです。
そのような、事実を、面接官は聞きたいわけではありませんから。
これについては、また次回、あるいは、近いうちに、ブログで、お話していきますね!
では、また木曜日に!
川上貴裕