教師の魅力とは?河野正夫が語る教師の魅力とは何でしょうか?
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論
【教員採用試験のレトリカル戦略】
教師の魅力とは何でしょうか?
多くの人は,
子供の成長を見守れる(見届けられる)。
子供とともに成長できる。
未来を拓く仕事だ。
子供を通じて,社会と未来を変えることができる。
人と人とのつながりを実感できる。
といった魅力を挙げるようですね。
もちろん,これらの魅力も悪くはありません。
素敵な魅力です。
でも,河野正夫なら,教師の魅力をどう捉えるか?,そんなことを考えてみました。
実は,昨夜,LINEで,ある受講生さんから,「河野先生が思う教師の魅力って,どんなものがありますか?教育者のひとりとして,とても興味があります。」という質問を受けました。
なるほど。
河野正夫が思う教師の魅力。
何でしょう?(微笑)
というわけで,河野正夫が思う教師の魅力について,お話しますね。
私は,教師の魅力は,「きっかけ」の力を信じること,「きっかけ」を与え続けること,「きっかけ」を大切にすること,だと考えます。
ほとんどの場合,教師と学習者(多くの場合,子供)との出逢いは偶然です。
ある学校に赴任するのも,ある学級を受け持つのも,ある子供がその学級にいるのも,大きな眼で見れば,偶然です。
でも,その偶然が,子供の運命を変え,子供の未来を変えます。
今の私があるのは,もしかしたら,私が小学校5年生・6年生のときに,担任の教師だった,ある一人の先生の影響かもしれません。
その先生は,授業の内外で,世の中の仕組みや,言葉のダイナミックな働きについて,たくさん話してくれました。
実は,私は,その先生のことを,あまり好きではありませんでした。
でも,その先生が,私に,きっかけを与えてくれたのは確かです。
その先生が,世の中の仕組みや,言葉のダイナミックな働きについて,たくさん話してくれたからこそ,今の私があり,今,こうして,このブログ記事を書いているのかもしれません。
その先生が,私がいた小学校に転勤で来られたのも,私の学級を担任されたのも,きっと偶然だったのでしょう。
でも,その偶然で,私は,人生が決まるほどの影響を受けたような気がしています。
時が流れ,今度は,私自身が教師になりました。
アメリカで,そして,日本で,教壇に立ちました。
公教育である学校だけではなく,教採塾で教員採用試験対策講座でも,教える立場に立ちました。
数千人の学習者に向き合いました。
私の二十数年の教師としての経験を振り返るとき,私が,学習者に与えることができたのも,やはり,「きっかけ」だと考えています。
人は,ちょっとしたきっかけで,何かに気づき,何かを感じます。
人は,ちょっとしたきっかけで,大きな流れに身を投じます。
人は,ちょっとしたきっかけで,困難に挑戦し,未来を変えます。
でも,きっかけは,偶然にやってきます。
人の人生を変えるきっかけは,学習指導要領には書かれていません。
人の人生を変えるきっかけは,カリキュラムの中には書かれていません。
きっかけは,ある日突然,舞い降りてきます。
伝説の受講生に,よっちゃんという人がいます。
よっちゃんは,数年前の4月のある日,教採塾に電話してきました。
「個人レッスンを受講したいのですが,空いていますか?」
よっちゃんは,電話口で,ちょっと自信なさそうな声で,そう言いました。
残念ながら,その時,個人レッスンは,満員でした。私は,
「個人レッスンは満席ですが,広島校の講座なら空きがありますよ。」
と答えました。
よっちゃんは,
「わかりました。ちょっと検討します。」
と言って,電話を終わりました。
それから,1週間後,よっちゃんは,広島校にいました。
そして,よっちゃんは,伝説の受講生となり,教採に合格し,いまは,教師として,大活躍しています。
よっちゃんは,教師になってから,私に,次のようなことを言ってくれました。
「僕は,これまで,何をしても中途半端で,自分に自信が持てませんでした。でも,河野先生に出逢って,自分にもできることがある,自分は自分でいいんだって思えるようになりました。だから,今は,自分に自信を持って,子供たちを教えています。」
私は,この言葉を聞いて,よっちゃんが教採塾に電話してきたときの,よっちゃんの自信のなさそうな話し方と声を思い出しました。
そして,この言葉を話したときのよっちゃんの自信に満ちた,幸せそうな声を比べました。
たとえ,半分はお世辞だったとしても,私が,よっちゃんにとって,何かのきっかけになったのであれば,本当に嬉しい,教採塾をやっていてよかったと思いました。
知識は,本からでも,インターネットからでも学べるかもしれません。
でも,人が人に与えることができるきっかけは,やはり,人との出逢いが必要なのだなと強く感じます。
私が,伝説の受講生と呼ぶ人たちは,実は,みんな,私との出逢いから,大きく変わった人たちです。
いや,言い換えましょう。
私が,伝説の受講生と呼ぶ人たちは,みんな,それぞれが手にしたきっかけを契機にして,大きく変わり,今,大活躍している人たちです。
私が何かをしたのではありません。
偶然にも,私に出逢い,なにかがきっかけとなり,その人たちは大きく羽ばたきました。
私には,何の手柄もありません。
私は,偶然の一つの要素です。
でも,人は,偶然による,きっかけで,大きく変わる存在です。
きっかけがあれば,人は,何でもできます。
きっかけがあれば,人は,未来も社会も変えることができます。
きっかけがいつ舞い降りて来るか,それは,誰にもわかりません。
もしかしたら,このブログ記事が,誰かのきっかけになるかもしれません。
私は,教師として,そんなきっかけを大切にしたいと願っています。
きっかけは,偶然です。
でも,人は,偶然を大切にし,偶然から,変化を,未来を,幸せを築いていく存在です。
私もその一人でありたいですし,皆さんにもそうであってほしいと願っています。
だからこそ,河野正夫は,思います。
教師の魅力は,「きっかけ」の力を信じること,「きっかけ」を与え続けること,「きっかけ」を大切にすることだと。
そして,河野正夫は,これからも,「きっかけ」を,多くの皆さんに届けることを続けていきたいと心から願っています。
追伸:このブログ記事を書くきっかけを与えてくれた,Aくん,ありがとう。
では,また明日!!
河野正夫