【川上貴裕】抽象度が高く、語ることが難しいテーマ・課題について,精査し,徹底して学んでおきましょう!

合格への戦略

教採塾の川上です。

 

 

今週のオンライン・面接セミナーの課題は、「日本の伝統と文化を学ぶにあたって、どのような取り組みをするか。」でした。

 

多くの回答を添削していく中で、教採受験者が、「伝統と文化」については、抽象的なイメージが強く、答えにくい課題なのだろう、ということが良く分かりました(笑)

 

本日は、2つの事例から、「伝統と文化」について、考えていきたいと思います。

 

①古代エジプト

古代エジプトのピラミッドは、今からおよそ、4500年前に建造された、世界最古のモニュメントです。

一昔前までは、奴隷によって建造された、というのが、有名な説でしたが、今では、「ナイル川が氾濫期になると、畑作ができなくなる。しかし、生活していくためには、労働しなければ!」ということで、民を助ける公共事業として、ピラミッドの建造を進めた、というのが、定説となりつつあります。

ただ、世界七不思議の一つとして、今でも、建造された本当の目的は、謎に包まれたままです。

だからこそ、考古学者の端くれとしては、いつまでも魅力的なのですが(笑)

「遠い過去のことだから、分からない。」という人もいらっしゃるでしょう。

古代エジプトには、パピルスと呼ばれる、葦で作った紙が流通していました。

また、壁面にも、ヒエログリフという文字を使って、数々の歴史を刻んでいます。

現在でも、多くの史料が遺っていますが、やはりピラミッドが建造された目的に至る記載はありません。
(ピラミッドを建造した民たちの出勤簿は残っています。二日酔いで欠勤という記録も残っていたので、当時はかなり華やかで楽しい生活を送っていたのでしょうね(笑))

これだけ、文字や紙の文化があったにも関わらず、記載がないので、ツタンカーメンにとっても、謎だったわけです。

ツタンカーメンは、古代エジプトにおいて有名な人物の一人ですので、知らない人はいないと思います。

我々にとっては、ツタンカーメンでさえ、「遠い過去の人だから、分からない。」と思いますが、彼もまた、ピラミッドが建造されたとされる時期から、およそ1000年後の人物ですので、先祖がどういう意図で、ピラミッドを建造したのか、謎だったに違いありません。

『歴史』を著したヘロドトスも、ピラミッドについて記載していますが、彼もまた、ピラミッドが建造されてから、およそ2000年後の人物です。

『歴史』の内容も、見聞録的なもので、あくまでも予想に過ぎません。

まだまだ、エジプトの砂漠の下には、多くの遺物が隠れているとされています。

「全体では、3割くらいしか発掘できていない。」と断言する考古学者もいます。

全ての謎が解明される日が来るのは、果たしていつになるのでしょうかね。

 

②古代ローマ

映画『テルマエ・ロマエ』で、古代ローマを身近に感じることができた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

古代ローマには、水洗トイレがあったとされています。

およそ、2000年前に、既に水洗トイレがあったのにも関わらず、古代ローマが終焉を迎えて以降、18世紀あたりまで、ヨーロッパでは、糞尿を窓から道に捨てていました。
(正確には、道の真ん中に、川に通ずるくぼみがあり、そこに捨てていました。16世紀には、実は水洗トイレが発明されていましたが、下水管を敷ける資金もなかったので、結局は川に流すことになっていたようです。)

宗教的な違いも、もちろんあったのでしょうが、古代からある素晴らしい技術・文化が、継承されないことによって、ここまで廃れていくのです。

この2つの事例のような、ユニークなもの、「へー!そんなのがあったんだ!」と驚いてもらえるような、土産話的なものがあれば、「やはり、伝統・文化・技術などは、語り継いだり、受け継いだりして、未来へ繋げていかなければならない。」と、声を大にして述べることができます。

 

ただ何となく、「伝統と文化を守ることは大切だ!」と言うだけでは、何の信ぴょう性もありません。

大切だと言っておきながら、その割に、伝統や文化、技術について、聞いてみても、具体的に何も答えられない人も多くいます。

 

答えられない人の中には、挨拶、礼儀、作法、日本の心などの、『誇り高き日本人の精神論』的な要素へ逃げる人がいます。

内容としても、意義や大切さを語る人がいますが、結局は教え込み・強制でしかなく、子供達が自ら進んでやりたいと思うようなことが、一切述べられていません。

海外の高潔な礼儀・作法・挨拶などの詳細を何も知らないのに、「日本独自の」、「日本が誇る」といったことを述べます。

しまいには、伝統的なとか、相手を思いやるとか、色々言う人に限って、自分自身ができていなかったり、必要性や重要性を感じて・体現できておらず、また、誇れてもいないのです。

実にくだらないと思いますね。(礼儀や作法そのものが、と言う意味ではなく(笑))

 

面接官としても、「伝統と文化について何も知らないし、考えたこともないんだろうな。」くらいにしか、取ってもらえません。

余談ではありますが、座右の銘を答えるときも、「一期一会」を語る人が多くいます。

「では、あなたは、それが茶道の精神から来ることを知っていますか?茶道をやったことがありますか?」と聞けば、結局、知りもしなければ、やったこともないのですよね。

 

「守破離」もそうですね。

剣道などをずっと続けている人が言うのであれば、納得できますが、やったこともない人が、言葉の響きのかっこよさだけで使っているのを、よく見聞きします。

 

伝統や文化において、挨拶・作法・礼儀などをピンポイントで語る上では、圧倒的な知識・経験が絶対的に必要になります。

 

私は、母親が茶の師だったので、生け花や茶道の礼儀や作法、精神論に至るまで、かなり精通していますし、空手も黒帯を取得していますので、武道におけるそれらも、かなり精通しています。

私の自慢をするわけではありませんが、挨拶・礼儀・作法・精神論を語るのであれば、このレベルまでいってようやく初めて、自信をもって語れるものだと思います。

 

「伝統と文化」以外にも、抽象度が高く、語ることが難しいテーマ・課題が、他にも数多くあります。

教員採用試験の面接までに、一つ一つをもう一度精査し、自信をもって語れるように仕上げておいてくださいね!

 

教採塾の今年度の講座も、東京・大阪・名古屋・オンライン校・面接セミナーは、残すところあと1回(1ヶ月)となりました。

集大成として、面接官がうなるほどの語り・パフォーマンスを磨き上げていっていただきますので、受講生の皆さんは、どうぞお楽しみに!!

 

では、また来週!

 

教採塾

川上貴裕

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