面接の語りの極意と方向性 by 川上貴裕

不合格の理由

皆さん,こんにちは!

本日は,木曜日ですから,川上貴裕がブログ記事を執筆する日です。

ところが!

川上貴裕は,オンライン上での面接セミナーに,ものすごく素敵な「総評」を,今日,載せていたのです。

あまりにも,素敵な文章だったので,この「総評」を本日のブログ記事にするよう,川上にお願いしました。

 

 

以下が,その「総評」です。

 

【「総評」引用・開始】

【注:面接課題は,「発達障害の児童生徒にはどのように指導しますか。」でした。】

 

①実に多くの方が、「自信」、「声掛け」、「褒める」、「社会的自立」、「アセスメント」、「困難さ」、「全体指導の中の個別指導」という表現を用いての記載でした

たった50名ほどの面接セミナーでさえ、上記の言葉を使った語りが出てきて、いわゆる、インフレ化状態です。

面接官は、1日を通して、ずっと、受験者の語りを聞いています。

インフレ用語を受験者が語ったところで、面接官には、何の驚きも感動もありません。

せいぜい、「はいはい、またか。」とうんざりする程度です。

あるいは、「どうせちょっと通知や答申をかじっただけでしょ。」と、すぐにばれてしまいます。

意地悪な面接官であれば、「じゃあ、語ったことについて、詳しく聞いてみよう。」と思います。そこで答えることができなければ、この1問だけでも、不合格に近づくと思います。

ありふれた言葉、定義や説明が詳しく自分の言葉として言えないものは、使うべきではありません。

陳腐で浅はかなだけです。

だからこそ、インフレにあふれた語りの中で、斬新・新鮮な観点のものがあれば、もちろんその人を採用したくなるのが、採用側の心理ですよね。

 

②「本当にその言葉の意味、分かってる?」と詰問したくなるようなものもありました。

例えば、

個別の指導計画・個別の教育支援計画と、2種類ありますが、この違いをきちんと定義できますか?

全体指導の中の、個別の指導とは、どんなことですか?

アセスメントって、どうすることですか?

といった具合です。

そのまま答申や報告の文言を、自分なりの定義ももたず、鵜呑みにして使うことの危険性・脆弱性を改めて各々で考えていただきたいものです。

 

③社会的自立というのは、最終的には大事なものですが、大局的な側面に囚われ過ぎています。

今回の課題で問われているのは、もっと身近な指導についてです。

 

④面接の評定項目の中には、「質問の意味、意図を正しく理解できているか。」というものがあります。

この点において、課題に正対できていない方が若干名いらっしゃいました。

今回の課題は、「子供に対する指導」であるにも関わらず、教師側の体制の視点ばかりの語りがありました。

事実、体制としては必要なことですが、質問に正対していなければ、そもそもの教師としての資質・能力が疑われる部分です。

 

⑤「子供の困ったこと(困難さ)を聴く」という表現をされた方も、数名いらっしゃいました。

「聴く」というのは、どういうことでしょうか。

これが傾聴というのであれば、アクティブ・リスニングの観点で語るべきです。

多くの人が「傾聴=聴き上手」と勘違いしていますが、実際は、「話させ上手」ということです。

そして、話を聴く際も、カウンセリング・マインドの観点=受動的な態度と共感的な理解で聴くことが重要となってきます。

「困難さ」という表現も実に曖昧です。どういうことが困難【さ】なのかが理解できません。面接では、普段、友人や家族に話さない言葉を用いて語らないことです。

 

⑥「どんな些細な変化、小さな変化も見逃さない。」という表現について。

いじめの実態調査でも、教師がいじめを発見する割合は、十数%です。

となると、残り9割は、意図的ではないにしろ、見逃している状態ということです。

つまり、根拠・出典があるものに対して、それに相反するようなことを言っても、面接では信じてもらえませんし、圧迫面接へと移行していきます。

私個人としては、「些細な変化も見逃さない。」というのは、教師との信頼関係が構築されていることが前提にある場合のみだと思います。

「変化を見逃さないために、声掛けをする」というのが多くの人が語るセオリーのようですが、皆さんも、1人は、小・中・高・大で、苦手な、嫌いな教師がいたことと思います。

その教師に、ずっと見られていたり、褒められたり、声を掛け続けられたりして、好きになるでしょうか。この先生に何でも話したい!と思うでしょうか。

余計に嫌われるだけですよね。

児童生徒と信頼関係を構築する最も効果的な方法は、授業が面白い、ということです。

授業が面白ければ、「もっと学びたい」と子供たちは感じます。

それだけで、信頼関係は、構築されていくのです。

あるいは、何か一つでもカリスマ性を備えていることです。

それだけで、子供たちは尊敬してくれます。

今回、課題の中で記載した人がどうこう、ということではありません。

以上の事からもお分かりいただけるように、

「些細な変化も」、「声掛け」、というものや、「○○することが悪いのではなく」、「正しく身に付けさせる!」というようなスタンスは、あまりにも一方的な指導や価値観だということです。

当たり前だと思っていたことが、実は、客観的に見聞きしたら、面接官側の視点で見聞きしたら、全く持って通用しないものが、実は多く潜んでいます。それだけで、教師としての資質・能力を疑われてしまいます。

自ら、不合格への片道切符を手にしないように!

 

⑦「褒めて伸ばす」という表記も非常に多かったです。

文科省のくだらない報告や通知にそう書いてあるのでしょうが、それを読まれた皆さんが、本当に、褒めて伸ばすことで、自己肯定感が伸びると確信していますか。共感できましたか。感動しましたか。

読んで涙もしない、理解できない、腑に落ちない文章を使って、どうして合格できると思うのでしょうか。

そもそも、褒めて伸ばすのであれば、それは通常学級の子供たちに対してもそうあるべきです。

いかにも、「特別支援を要する子供には!」、「困った子にはとりあえず!」という限定的な印象を受けて、「褒めて伸ばす指導」の本質に正対できているのかな、と疑問を感じました。

 

次回の課題は、この講評を念頭に置いた上で、取り組まれてみてください。

 

【「総評」引用・開始】

 

以上です。

素敵な指摘ですよね!

皆さんのご参考になれば,幸いです!

 

 

では,また明日!!

 

 

教採塾

河野正夫

 

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