意味情報が伝わるだけではダメなんです。相手の心を動かさなければ!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 合格への戦略, 面接力向上
【教員採用試験のバイブル】
偉大なスピーチは、人々を感動させます。
優れた映画やドラマや演劇は、人の心に響きます。
名作と呼ばれる書物も、人の心を震わせます。
パワーがある言葉は、情報伝達だけをしているのではありません。
偉大なスピーチは、意味情報だけを与えているのではありません。
優れた映画やドラマや演劇は、ストーリーの筋だけを伝えているのではありません。
名作と呼ばれる書物は、知識だけを教授しているのではありません。
パワーがある言葉には、聞き手・読み手の心を動かします。
パワーがある言葉は、聞き手・読み手の人生に影響を与えます。
パワーがある言葉は、話し手の理想や夢や志や情熱がこもっています。
でも、教員採用試験の面接の練習をしている多くの人は、このことを意識していません。
そんな人たちは、事実を説明しようとしています。
意味内容さえ伝えれば、聞き手・読み手は、感動してくれると勘違いしています。
自分自身ですら、あまり感動も納得もしていないような受験作文・良い子ちゃん作文を語ることで、ごまかそうとしています。
だから、毎年のように面接で不合格になります。
何度も何度も申し上げたように、面接は人が人を選ぶ営みです。
面接では、面接官の心を動かし、感動させ、好感・共感・好印象を勝ち取った人が合格します。
人の心を動かすことができる語りだけが、教採合格に直結します。
そんなことを考えていたら、一昨日、あるお洒落なクラフトビール専門のバーで、一人の外国人との会話が印象的でした。
その外国人の方は、偶然、バーのカウンターで、私の隣に座りました。
どこの国からいらっしゃった方かな?英語は通じるかな?と思いながら、
“Do you speak English?”と聞いてみました。
すると、”Sure!”とアメリカ英語のアクセントで返ってきました。
おおお!懐かしいアメリカ中西部の響きだと思い、嬉しくなって、どこから来たのですか?と聞いてみました。
その方は、アメリカのミシガン州からいらっしゃっていました。
私(河野)は、ミシガン州から少し離れたアイオワ州に住んでいましたので、いろいろと話が弾みました。
その方も、比較的、ポリティクスがお好きな方のようで、アメリカの政治、アメリカの最高裁判所、そして、私の研究分野など、ビールを片手に多くを語り合いました。
楽しく、語りながら、そこで、感じたことがあります。
母国語でも、外国語でも、ウィットに富み、ユーモアを交え、知的に語るためには、かなりの語彙力と表現力、そして、レトリックの力が必要だということです。
特に、政治の話を楽しくするためには、ウィットやユーモア、そして、レトリカルな表現が必須です。
よく、英語教育家を自称するような人が、「英語は中学校英語で十分!」と言いますが、それは、大きな間違いです。
アメリカの政治、最高裁判所の判事や判例の動向、過去数十年の歴代大統領の功罪などを、面白おかしく話すには、かなりのレトリカルな能力が必要です。
別に、難しい語彙ばかりで話すということではありません。語彙はシンプルでも構いません。
でも、相手を笑わせながら、自分の主張をし、また、相手のユーモアに笑いながら、相手の主張を受け止め、楽しく、時に皮肉も込めながら反論するという知的な会話のためには、いわゆる中学英語だけでは、歯が立ちません。
中学英語は、所詮は、意味情報を伝達するくらいの力しかありません。
知的な会話を楽しむには、中学英語のはるか先にある英語力が必要です。
「伝わればいい」という考え方は極めて危険です。
「伝わる」けれども、相手の心が動かなければ、相手と仲良くなれなければ、語る意義がありません。
私は、知的な会話ができないのであれば、会話する気力も湧いてきませんから、当然ながら、日本語も英語も、そういう知的な会話ができるように、日々、言葉の力を磨いています。
おかげで、そのアメリカのミシガンから来た方とは、楽しく、会話することができました。
どうやら、政治的には、彼と私は、反対の立場だったのですが(笑)、ビールの助けも借りながら、大いに議論し、友達になれました。
彼は、終電に乗るということで、帰り際に、私に、「楽しい会話だった。君と話せてよかった。終電とかがなければ、朝まで議論したいくらいだ!」と言って、帰っていきました。
会話の醍醐味って、こういうことだなと嬉しくなりました。
飲みに行って、職場や上司の悪口ばかり言いながら、大声で騒ぐなんていうのは、私はまっぴら御免ですね。
知的な会話をしたい方、河野正夫を飲みに誘ってください!(微笑)
日本語でも、英語でもいいですよ!
では、また明日!!
河野正夫