【川上貴裕の願書・自己アピール・志望動機の必勝戦略】小学4年生~6年生でも理解できる言葉で語る。
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 合格への戦略, 教育論, 面接力向上
教採塾の川上です。
コーヒーマスター(バリスタ)やソムリエが、コーヒーやワインの風味・香りなどを語るときは、「華やかな」、「ハーバルな」、「木樽のニュアンス」、「ココアのような舌触り」、などと表現しますよね。
しかし、一言で「華やかな」、「ハーバルな」、などと言われても、その言葉を聞く人が違えば、捉え方は変わります。
「華やかな」という言葉も、捉える人によっては、「花のような」イメージかもしれませんし、「柑橘系のような爽やかさ」かもしれません。
「ハーバルな」という言葉も、「刺激が強い(スパイシーな)」イメージを持たれる方もいれば、「燻されたような」イメージ、「ミントのようなすっきりとした」イメージを持たれる方もいらっしゃることでしょう。
また、同じものを飲むにしても、朝・昼・夜のどの時間に飲むか、その時の気分がどのような状態か、食前なのか食後なのか、温度はどの程度なのか、ということによっても、大きく左右されます。
もっと細かく言えば、舌のどこで味わうかによっても、印象はガラリと変わってきます。
例えば、舌の先端は、甘みを認識します。
アイスクリームを舌先で舐めるのも、無意識ですが、これによるものです。
舌の中心で感知するものは、旨味です。
舌の両サイドは酸味です。
梅干を食べて、酸っぱいと感じるときは、口をすぼめますよね。
これは、舌の両サイドが酸味を感知しているからです。
喉奥の舌あたりは、苦みを感知します。
「ビールは喉ごしが決め手!」という方もいらっしゃいますが、実はここからきています。
これらを総合的に脳が判断し、どんな味わい、風味なのかを認識させています。
つまり、コーヒーやワイン一つとっても、人それぞれで、感性は違い、言葉の捉え方・風味の感じ方は変わるのです。
私が、スターバックスでストアコーヒーマスターをやっていた頃は、毎週お客様にセミナーをしていたわけですが、上記のように、皆さんそれぞれ感じ方が違います。
もちろん、コーヒーやワインなどは、嗜好物ですので、ご本人の好みでいいと思います。
しかし、せっかく料金をお支払いいただき、セミナーにご参加いただいていますので、「どうしたら、このコーヒーの味わい、奥深さ、舌触りなどを差異なく伝えられるだろうか。」と、考えていました。
それを追究した結果、お客様が求めていらっしゃるのは、「ハーバルな」、「華やかな」、というような、響きがかっこいい言葉だけの表現よりも、いかに分かりやすいか、「なるほど!」、「確かにそう言われてみれば!」、というような納得のできる表現でした。
その表現を簡単に実現するためには、
「小学4年生~6年生でも理解できる言葉で語る。」
ということに他ありませんでした。
(どうしても、難しい言葉・熟語を語らなければならないときは、必ず、言い換え・翻訳を入れながら語りました。)
昨年も、200名近くの志望動機文・自己アピール文を添削しましたが、7割くらいの方は、次の3通りでした。
①「寄り添った教育」、「一人一人の良さ」、「何事にも一生懸命」、というような、どことなく響きの良いかっこいい言葉。
②学習指導要領や答申に記載されている、「主体的な学びを・・・」、「共感的な人間関係の育成を・・・」、「粘り強い指導」、「信頼関係の構築」、というような、自分は良いなと思っていても、相手には何ら共感・好感を得ない言葉。
③「個性の尊重」、「多面的・多角的」、「信用・信頼」、など、自分自身がその言葉の定義を知らない、あるいは、自分なりに定義を持っていない、違いが分からない言葉。
コーヒーやワインは、それぞれの好みですので、人によって捉え方が違っても構いません。
しかし、教育現場や教員採用試験では、聴き手の捉え方によって、意味が変化してしまうようなことがあってはいけません。
誰が聴いても差異なく理解してもらえるように、話し手が工夫・表現を凝らさなければなりません。
あなたが語る・記載する自己アピールや志望動機文は、上記に当てはまっていないでしょうか?
上記の3つのどれかに当てはまってしまった場合、ほとんどは、
「本当はこういうことが言いたい訳じゃないけど。」
「一言で言うと、なんとなくこんな感じ!」
「こんなことを言えば、面接官は納得してくれるだろう。」
というような、
・想いが言葉というカタチになっていないもの。
・自分なりの定義がなく、当てはめただけのもの。
・そもそも、情熱も、想いとなる核もないもの。
・独りよがりな自己解釈や自己満足。
・言葉自体が難しいもの。
などが当てはまってきます。
それが当てはまる中で、
上記の、②学習指導要領や答申で記載されている言葉なんて、特にそうでしょう。
学習指導要領や答申を読んで、理解はできるにしても、「なるほど!」、「いい教育だ!」と心から感動し、涙することがあるでしょうか。
あなたが、理解も、感動も、涙を流すこともないような文言であるのに、それと同じ言葉を記載・発言して、面接官を納得させようとするのは、愚の骨頂です。
この話に関連して余談をすると、
「この県の施策に共感して・・・」という志望動機もまた近しいものがあります。
教育施策は、募集者(教育委員会)が「こんな人が欲しい!」、と言うから通じるものであって、受験者がその施策の言葉を使うのは、勘違いも甚だしいです。
募集者が、「美人な人が欲しい。」と募集要項に書いたからといって、「私は美人です!」と言うのと同じくらい、愚かなことです。
例え本当にその人が美人だったとしても、自分で言った瞬間に嫌われますよね(笑)。
こうやって、例え話を用いると、「確かにそうですよね!」と感じる方は多いのに、いざ面接になると、その辺りの違いが全く分からなくなる人、そもそも気付かない人が、毎年いらっしゃいます。
情熱も、想いの核もない、響きがかっこいいだけの、又は、相手(採用側)と同じ言葉であるのに、「この言葉を使えば、(相手も使っていることだし)相手は納得してくれる。」という愚かで、独りよがりな解釈は、卒業しなければいけません。
余談が過ぎ、話が逸れましたね(笑)
教育においては、
誰が聞いても、自分の想いが、差異なく、明確に相手に伝わること。
というのが、本日のブログの内容でしたね(笑)
そろそろ自己アピールや志望動機文を考えていかなければならない時期となりました。
これから、皆さんに考え、やってほしいこととしては、以下の3つです。
・熟語や、言葉について、定義を知ったり、自分なりの言葉で分かりやすく再定義したりする。
・答申などに出てくるような文言を使わなくても、自分の想いが表現できるようにする。
・誰が見聞きしても、同じように感じてもらえる表現にする。
まずは、なんとなく、漠然としたものからでも良いと思います。
「自分が思う教育はコレ!」、というので、A4の紙のど真ん中に、その言葉を記載し、蜘蛛の巣状に、掘り下げていくのもいいでしょう。
そこから、本当に自分が実現させたい教育観、児童・生徒観、指導観など、想いとなる核を見出し、紡いでいけばいいのです。
その紡ぎ出したものが、小学生の中高学年が聞いても分かるような文章であれば、「なるほどね!」、「確かにね!」とすんなり受け入れてもらえるようになります。
「え?ほんとにそんなのでいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。
ハッキリ言います。
そんなもんです(笑)
これは、12月期の2次試験満点講座でも話しましたが、「モーダル・チョイス」、という部分にも関連してきます。
難しい言葉、響きがかっこいい言葉、意味のないビッグワード、想いが無い言葉を使っても、相手は納得してくれません。
共感も・好感も勝ち取れません。
合格もできません。
鼻で笑われるだけです。
まずは、1か月ほどゆっくりかけて、想いの核を見出したり、再思考したりしてみてください。(ここが一番重要!!!)
その後、紡いでいき、誰でも(差異なく・容易に)理解できるような、言葉の使い方、言い回し、表現方法などを模索してみてください!
これが、合格への近道の一つです!!
では、また来週!
川上 貴裕