教員採用試験の専門教養の学習は,モニタリングを取り入れましょう!
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論, 筆記で満点を
【教員採用試験のバイブル】
教員採用試験では,専門教養の筆記試験が課されます。
特別枠などでは免除されることも稀にありますが,最近は,すべての枠で,専門教養の筆記試験を課そうという動きが全国の自治体に広がっているみたいですね。
さて,専門教養の筆記試験とは,例えば,数学志望なら数学,英語志望なら英語,小学校志望なら小学校全科といったように,自分が教える専門教科の試験です。
一般論で言えば,専門教養の知識・教養・学力は,大学等で習得すべきであって,教員採用試験の受験勉強で習得するものではありません。
厳しいことを言えば,英語ができないのに,教採の受験勉強で,ちょこっと英語を勉強して,英語教師になるというのでは,あまりにも情けない。
英語に限らず,すべての専門教科で同じことが言えますよね。
専門教科の先生は,英語であっても,理科であっても,音楽であっても,保健体育であっても,その教科の「専門家」です。
専門家としての知識・教養・学力があることが前提となります。
だからこそ,私は,大学1年生くらいの年代の人に,
教員採用試験を受験するまでに,何を勉強しておけばいいですか?
と聞かれたら,ほぼ,必ず,
大学での勉強,大学での専門をしっかりと学んでください。
とお答えしています。
以上のように,厳しいことを言いましたが,それでも,教員採用試験の受験勉強の中に,専門教養の勉強もしっかりと組み込んでおくことは,合格戦略上,重要です。
一般に,教員採用試験では,専門教養の筆記試験の配点は,教職教養より,はるかに大きくなっています。
専門教養の得点を取りこぼすと,合格を逃してしまう可能性が大です。
とはいうものの,専門教養の勉強は,受験勉強としてしようとすると,なかなかハードなものがあります。
ハードだと言える理由は3つです。
1.ほとんどの場合,専門教養の範囲は極めて広いということです。
最も広いのは,小学校全科でしょう。
9教科(外国語科と道徳科を含めれば11科目)もあり,知識の整理も膨大な時間と手間がかかります。
社会や理科の教師志望の人も大変です。社会なら,日本史・世界史・日本地理・世界地理・政治・経済・倫理などなど,膨大な範囲があります。
理科も,物理・科学・生物・地学と,ささっと復習するにはかなりの分量があります。
もちろん,それぞれの専門教科の教師の志望者なのだから,それくらいは教師を目指す時点で習得していて当然という考え方もありますが,現実はなかなかそうもいきません。
それぞれの教科での膨大な範囲・分量の内容をどうやって効率的に,習得・復習していくかが鍵になります。
2.専門教養の習熟度は,受験者それぞれによって大きく異なるということがあります。
最もわかりやすい,英語の例で話してみましょう。
英語教師を目指す人の英語の語学レベルは様々です。
TOEICで900点以上を取得している人もいるでしょうし,英語圏の大学を卒業している人もいるでしょう。
また,TOEICで700点にも達していない人もいるでしょうし,そもそも,そういった資格試験等のスコアを全く持っていないという人もいるでしょう。
英語以外の他の教科でも,専門教養の知識量・学力の差は,受験者間で大きいものがあります。
大手の予備校などで,よくやっている専門教養の集団講座のような一般的な講座は,こういった受験者間の知識量・学力の差に,ほとんど対応できません。
3.多くの場合,専門教養でさえ,勉強の仕方が,「丸暗記中心」の昭和の高校入試・大学入試の受験勉強法になっているということもあります。
専門教養の学習は,その受験者がなろうとしている専門の教科の学びです。
それでもなお,専門教養の勉強の仕方が,「丸暗記中心」で,活用力も応用力もなにもない勉強方法を取っている人がかなりいるという現状があります。
そんな方法で勉強して,仮に,教採に運よく合格したとしても,その教科の教師になって,その教科を子供たちに興味深く教えることができるのかといぶかってしまうこともしばしばです。
専門教養の勉強は,受験者それぞれの,現在のレベルを確認し,到達目標を確実に定めて,戦略的,効果的,効率的に行っていく必要があります。
教採塾では,【モニタリング】をお奨めしています。
モニタリングとは,
(専門教科の)学習を,現在の知識・学力レベルを踏まえて,どのような到達目標を設定すべきかを確定し,設定した目標に到達するために,その人に合った教材(参考書・問題集等)を適切に選定し,どのような学習計画・学習方法で学んでいくかのアドバイスを定期的に受けながら,併せて,定期的な学習進度や達成度合いのチェックを受けながら進めていくこと。
ということです。
重要なポイントは,5つあります。
☆現在の知識・学力レベルを踏まえる。
☆どのような到達目標を設定すべきかを確定する。
☆その人に合った教材(参考書・問題集等)を適切に選定する。
☆どのような学習計画・学習方法で学んでいくかのアドバイスを定期的に受ける。
☆定期的な学習進度や達成度合いのチェックを受ける。
以上の5つを行いながら,学習を進めていくのが,ここでいう「モニタリング」です。
「ただ何となく勉強する」とか,「とりあえず勉強する」とか,「一応やっておく」といった無計画な勉強法では,専門教養での合格は勝ち取れません。
また,先輩や友人と同じことをやっても,多くの場合,上手くいきません。
先輩と友人と知識・学力レベルが違うことも多いですし,また,学習スタイルや学習への適性も違います。
自分の学習スタイルや学習への適性に合った学び方をしなければ,合格圏に達することは困難です。
教師を志望する人の最大の問題(課題)は,
教師になってからは,子供の現状や個性や学習スタイルを尊重した指導がしたいと思っているのに,自分が教採の勉強(専門教養の勉強)をするときには,自分の学力レベルの現状や個性や学習スタイルを無視して,誰かがやっている一般的な勉強方法をただ単に真似るか,あるいは,結局は,「丸暗記」式の学習しかしないことです。
効果的に学べない人が,効果的に教えることができるはずがない。
私(河野)は,いつもそう思っているので,私の受講生には,効果的に学ぶ方法をいつもアドバイスしています。
皆さんも,モニタリングを活用した,専門教養の勉強にチャレンジしてみてください!
きっと高得点で合格しますよ!
では,また明日!!
河野正夫