【寄稿記事】信念と経験は,授業者の栄養になる! by まさるくん。
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論

【寄稿記事】
本日付の2つ目の寄稿記事です!
この寄稿記事は,「まさるくん」からの寄稿です。
まさるくんは,数年前の受講生で,今は,英語教師として,ご活躍中です。
まさるくんとの講座での思い出としては,いつも笑顔で,いつも明るく,私の厳しいコメントを追い求め,私が優しいコメントをするとあまり満足そうな顔をしないという(笑),ご自身に厳しい,勉強熱心な若者でした。
まさるくんに英語を教えてもらえる生徒さんは幸せです。まさるくん程,楽しく,英語を教えてくれる人は,そんなに多くないでしょうから!
そんなまさるくんの文章には,希望と志が爽やかに詰まっています。
ご堪能ください!
【寄稿記事】
現在,私は中学校英語科の教員として勤務しています。
非常勤講師としての期間が長く,なかなか陽の目を見ずに過ごし,やっと5年前に採用試験に合格し,本務者として勤務することができています。
この度,教採塾のブログにOBとして記事を寄稿してほしいという名誉な依頼を頂きましたので,教員を目指すみなさんの一つの道標となればと思い,ここに教員の端くれとして記します。
さて,何から書こうかと思い悩みましたが,教員として過ごす中で自分が大切にしていることをまずは書いてみようと思います。
私は英語科の教員として勤務していますので,一番専門性を発揮しなくてはならないのは,一番には英語の授業です。
ですので,授業でのベストなパフォーマンスを行うための準備には惜しみなく時間を注いでいます。
この気持ちが私の中から消え去り,いい加減になった時には,仕事を辞める時だといつも自分に言い聞かせています。
英語教員として苦しみながら授業を進めていく中で,一つの自分なりの信念にたどり着きました。
それは,「生活に結びついて英語の授業」“Use in your life.”ということを主軸に置いた授業を行うということです。
「この学習はあなたの生活のどのような場面で使用することができるのか」その答えを生徒自身が授業後に見つけ出してくれることが私の一番の目標です。
英語という教科は良くも悪くも注目されやすい教科であり,「日本の英語教育は役に立たない」という言葉がよく聞こえてきて長年が経ちます。
そして,それが常識的になっている風潮は皆さんも知っての通りでしょう。
それを解決する特効薬を私は持ち得ていませんが,すこしでも一人一人の生徒たちに役立つものになればよいと思い日々,教材研究を進めています。
もちろん,上手くいくことばかりではなく,「難しい!」「わからない!」という言葉も授業の中では聞こえてきますが,ただの日本語訳で終らない学習を提供するために,学びの質を高めていこうと,努力しています。
教員の一番の仕事は授業です。
それは一生切り離すことのできない宿命です。
そして,その授業をどのように,組み立て,作品(授業)をプロダクトするのか,それが教員としての腕の見せ所です。
教科書をそのまま順序立てて教えること,それは今後科学の技術が進んでいけば人工知能が行ってくれることでしょう。
しかし,どのように授業をプロデュースするのか,それは教員にしかできないことです。
これから教員を目指すみなさん,紙の上での学問を大切にすることも大変有意義なことですが,様々な場面に赴き,見聞を広め,それをあなたの知識(財産)としていってください。
必ず,授業の質は向上していくことになるでしょう。
先ほど,非常勤講師としての期間が長く掛かったと書きましたが,その期間に私は並行してアルバイトにも精を出していました。(管制ワーキングプアというやつですね。)
その期間は,「一体,自分は何をしているのだろう?」と考えることも多くありましたが,様々な職種での仕事をさせていただくたびに,様々な人と出会い,様々なものを見て,私自身の視野は確実に広がっていきました。
授業を組み立てるときにもその経験が役立っています。
例を挙げると,ホテルでのベルボーイの勤務は英語の活動にリアリティを求めることに役立っています。
カードの販売促進をした経験は,授業だけでなく様々な経験で,「相手を説得するためにはどうしたらよいのでしょうか?」という生徒への発問につながっているように思います。
(当時は断られてばかりで,心が折れて「すぐに辞めたい!」と思ったのですが,まさかこのように形を変えて,私の人生に影響を与えるとは,びっくりです。)
また,生徒たちに「それでは相手は同意してくれないよ。」,「社会では通用しないよ。」などと意地悪な相手役も演じることもできます。
あの時のクレームをくださったお客様にある意味,感謝ですね。
今,なかなか結果が出ずに焦っている人も多くいることでしょう。
その辛酸を舐める経験は教員(人間)として成長していくための栄養です。
様々な場面でその栄養を蓄える場面を自分で創出してください。
色々と書き連ねましたが,私は「授業者としてあなた自身の信念を持つこと」「経験はあなたの栄養になる」ということが言いたかったのでしょうね。
この記事を読んでくださったみなさんが,自分の教員としての色を探し,それをどのように実現していくのか考え,形にしていってください。教員の一人として皆様のことを応援しております。
Contributed by まさるくん。