一昨日から昨日にかけては、東京などでは大雪だったそうですね。
(写真はイメージです。)
会社に出勤していたけれど、大雪で交通機関も混乱し、帰宅するにもできないといった方々も多かったことでしょう。
大雪が降るということは事前に予想されていて、政府や自治体などは、不要不急の外出を控えるようにと繰り返していました。
それでも、ほとんどの人が出勤したのは、ひとつには、日本人がちょっとやそっとのことでは会社を休まない・休めないということもあるのかもしれませんが、一昨日から昨日にかけての大雪は、日本人が働き過ぎるという理屈だけでは説明がつかないものがありました。
確かに、日本では、ちょっとした天気の悪化くらいでは、なかなか会社は休みになりませんし、自宅待機の指示も出ません。
何が起こっても仕事には行くというメンタリティがあるというのも事実でしょう。
でも、一昨日から昨日にかけての大雪では、雪が昼過ぎくらいからひどくなり、多くの会社で、午後になってから、早退・帰宅の指示が出たようです。
一斉に帰宅者が出たせいで、交通機関の混乱に拍車がかかったというのもあるのでしょう。
ここで疑問が沸いてきます。昼過ぎから大雪が降り始めたら早退・帰宅の支持が出たのに、なぜ、大雪が降ることは分かっていたのに、そもそも出社させたのでしょうか?自宅待機、あるいは、自宅での勤務を指示しなかったのでしょうか?
この疑問に対する答は、案外、簡単です。
実際に大雪が降り、地面に積り、あたりが真っ白になっても雪が降りやまないのを見て、初めて事態の深刻さに気が付いたということです。
一言でいうと、
大雪を目の当たりにするまでは、大雪に対する警戒心も備えもなかった
ということです。
現在は、気象予報はかなり正確です。
一昨日から昨日にかけて大雪が降るというのは、ほぼ確実に予想されていました。
予想の根拠の天気図も納得のいくものでした。
でも、人は、予想や天気図や気圧の配置図では動かないのです。
理屈では、午後から大雪になると分かっていても、午前中に雪がふっていなければ、普段通り、出勤します。
政府や自治体が、不要不急の外出は避けるようにと繰り返しても、いま、目の前で大雪が降っていなければ、外出します。
出勤した後で、外出した後で、大雪が降り始め、交通機関が混乱し始め、道を歩くのも困難になってきて、それを目の当たりにして、人は初めて、事態の深刻さに気付きます。
この話をしたのは、別に、一昨日から昨日にかけての大雪における日本人の行動を批判するためではありません。
この話をしたのは、新学習指導要領の勉強の仕方について、話を進めたいからです。
新学習指導要領が重要なことは疑問の余地はありません。
また、教員採用試験においても、新学習指導要領が頻出であることも疑う余地はありません。
では、新学習指導要領をどう学んでいくのか、それを考えてみましょう。
まず、新しい学習指導要領なので、いわゆる「過去問」の蓄積はありません。
高校の新学習指導要領は、また告示されていません。
昨年(2017年)の夏の全国の教員採用試験で出題された主に小学校・中学校の新学習指導要領の問題が「過去問」のすべてということになります。
新学習指導要領の過去問の集中演習は今年はなかなか難しいかもしれません。
こうなると、普通の予備校さんは、新しい学習指導要領をまとめた資料を作ったり、あるいは、文部科学省(中教審)が作成したパワーポイント系のスライド資料を用います。
教採塾でも、文部科学省(中教審)のスライド資料は、先月、用いました。
でも、それだけでは、ダメなんです。
大雪の際のことを思い出してください。
いくら、テレビなどで、気象予報士が天気図や気圧の配置図などを示しながら、必ず大雪になると解説しても、人々は行動を変えませんでした。
天気図や気圧の配置図は、大雪が降るという確実な予測は論理的に伝えてくれますが、人は、論理的な予測だけでは、本当の理解も、行動の変容も起こりません。
人が、ある事象を本当に理解し、自分の行動を変容させるのは、その事象を自分の眼で目の当たりにしたときです。
そもそも、文部科学省(中教審)のスライド資料は、文部科学省(中教審)の視点でまとめたものです。
確かに、よくまとまってはいますが、学習者の視点でまとめたものではありませんし、教員採用試験での出題を前提にして、作成したものであもありません。
所詮は、スライド資料などは、大雪の前の天気図や気圧の配置図くらいのものです。
見る者、読む者の心に届き、行動を変容させるようなものではありません。
また、新学習指導要領の重要さを褒め称えるだけでもダメです。
教採の受験産業では、ただ単に、新学習指導要領は重要だ!、教採に出るぞ!ということを連呼しているところもありますが、そんなことは自明の理で、いまさら、何度も叫んでもらう必要はないのです。
どう学べば最適なのかが最も重要なことなのです。
私は、新学習指導要領も、まずは、それ自体(新学習指導要領の本文自体)を、よく見ることだと思います。
私は、普通の予備校さんの決まり文句でもあるような「読み込んでおくこと」みたいな言葉は使いません。
「読み込む」とはどうすることなのかのイメージが学習者にはすぐには伝わらないからです。
イメージも方法論も伝わらないのに、「読み込んでおくこと」を連呼するのは、結局は、精神論・根性論です。
私は、新学習指導要領の、少なくとも、総則・特別の教科 道徳・総合的な学習の時間・特別活動は、本文を視覚的に見て、見える化(可視化)して、本文を見ながら、鮮やかなレクチャーとシンキングをすることが何よりも重要なことだと考えています。
本文にアンダーラインを引くとか、重要語句を赤くするといったことではありません。
本文を見て、本文から、新学習指導要領の特徴・性格・神髄を感じ・理解することが肝要です。
そうすれば、教員採用試験の問題を解く際にも、十分に応用できる知識と教養になります。
教員採用試験に出るのは、スライド資料や講座資料ではなく、新学習指導要領の本文ですし、本文から読み取れる特徴や性格なのですから。
本文を見ながら、なぜ、新学習指導要領の特徴・性格・神髄を感じ・理解することができるかというと、それは、レクチャーの上手さ・鮮やかさ・インパクト、そして、シンキングのリアルさ・クリティカルさがあればこそです。
これは重要だぞ!と重要な文書を学習者に投げつけるだけでは、指導ではありませんし、レッスンでもコンサルティングでもありません。
この資料がわかりやすいぞ!と他人が作った資料を学習者に押し付けるだけでは、指導ではありませんし、レッスンでもコンサルティングでもありません。
指導者は、学ぶべき対象をあるがままに、学習者の目の前に提示しながら、インパクトある鮮やかなレクチャーを行い、学習者がクリティカルな思考を巡らせるように誘導する必要があります。
教材だけで、学習者は成長しません。
指導者の働きかけが重要です。
たとえ、それが知識の伝授ではなく、ファシリテーションだとしても、指導者の力量こそ、レッスンやコンサルティングを成功させる最大の要素です。
ちょっと偉そうなことを書きました。
でも、謙虚な気持ちで書きました。
チャレンジのつもりで書きました。
2月期の総合対策講座、そして、筆記試験満点講座は、ここで書いたことを具現化します。
新学習指導要領の総則・特別の教科 道徳・総合的な学習の時間・特別活動を視覚から入り、そして、鮮やかでインパクトあるレクチャーとクリティカルなシンキングで、徹底的に学んでいきます。
ちょうど、天気図や気圧の配置図や政府や自治体のメッセージではまったく行動を変容しなかった人々が、昼過ぎからの大降りの雪ですべてを理解したように、2月期の講座も、新学習指導要領を速習します。そして、講座の受講者は、新学習指導要領をマスターします。
眼の前の大雪のようなインパクトがなければ、指導者足り得ないということを自分自身に課しながら、最高の講座にしていきます!!
受講生の皆さん、ご期待ください!!
では、また明日!!
河野正夫
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