「戦略」って、どういうことだか、わかっていますか??

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最近は、多くの人が、「戦略」という言葉を使うようになりました。

 

「戦略」という言葉は、英語では、”strategy”、もともとは軍事的な用語でした。

 

古代ギリシャの軍隊の将軍のことは、”strategos”と呼んだそうです。

 

 

さて、教員採用試験でも、「合格戦略の立案」といったフレーズで、「戦略」という言葉がよくつかわれます。

 

「戦略」は、私もよく使う言葉の一つです。

 

 

よく使われる言葉ですが、「戦略」って、そもそもどういう意味なのか、おわかりでしょうか?

 

辞書的な定義は、お手持ちの辞書を引いていただくとして、ここでは、教員採用試験に合格するというコンテクストでの「戦略」という意味を考えてみましょう。

 

 

 

 

まずは、ケーススタディ的に、仮定のシナリオを考えてみましょう!

 

 

Aさんは、高校国語教師を志望している。Aさんは、高校国語の教員免許状は持っているが、中学校国語の教員免許状は持っていない。Aさんが受験する自治体では、高校国語の合格者は2名程度で、受験者数は40名程度。Aさんは、過去数回、教採を受験しているが、常に1次試験で不合格になっている。筆記試験の得点は、教職(一般)教養が60%くらい、専門教養が55%くらいである。

 

 

さて、このシナリオのときの、Aさんの合格戦略とは、どのようなものになるでしょうか。

 

詳しく見ていきましょう。

 

 

まず、Aさんの競争倍率を考えてみましょう。

 

合格者は2名程度で、受験者数は40名程度ですから、倍率は20倍ということになります。

 

でも、ここで重要なのは、単なる競争倍率だけではなく、2人しか合格せず、38人が不合格になるという、人数の意識です。

 

超少数(トップ5%)の2人に入るのか、圧倒的大多数(ボトム95%)の38人に入るのか、というイメージが必要です。

 

自分が本当に40人の中の2人に入り、38人には入らないという自信を持つために何をしなければいけないのかということを考えるのも戦略です。

 

 

次に、1次試験の競争倍率とその突破法を考えることが必要です。

 

40名が受験して、最終合格者が2名なら、1次試験通過者は、概ね、最終合格者の2倍ですから、このシナリオの場合、概ね、4~5名が合格するということになります。

 

ということは、1次試験の競争倍率は、10倍強ということになります。

 

10倍強の競争倍率で合格するには、1次試験の筆記試験で平均点程度では、話になりません。

 

10倍程度の競争倍率で合格するためには、1次試験でどの程度の得点を取る必要があるのかを冷静に考えることが必要です。

 

 

ここで、重要なのは、過去にXX%くらいでも合格した人がいるというような、数少ない例を聞いてきて安心してはいけないということです。

 

一般に、筆記試験でも低得点で合格する人は、筆記試験以外に特筆すべき、資質や魅力が何かあるものです。

 

そういう資質や魅力を考慮することなく、XX%で合格する人もいるから自分もその得点で大丈夫だというふうに、独断的に安心するのは、極めて危険なことです。

 

 

仮に、Aさんが1次試験の筆記試験で高得点を取り、1次試験を突破したと仮定します。

 

2次試験での倍率は、概ね、2倍程度が多いものです。

 

2倍と言っても、半数が合格し、半数が不合格になるというものです。

 

 

このシナリオのAさんの場合、中学校国語の免許状を持っていません。

 

これは、やはり、不利になります。

 

確かに、高校国語を志望しているのですが、近年は中高一貫校なども増えてきていて、採用側としては、中高を自由に行き来できる人材を採用したいでしょう。

 

また、高校国語は、中学校国語の延長線上にあるわけですから、中学校国語のことは知らないというわけにもいきません。

 

 

教採受験者は、こういうところがあまりよく意識化できていないことが多いようです。

 

自分は、高校国語を受けるのだから、高校国語の免許さえあればいいと自分に都合がいいように、勝手に解釈して、安心してしまいます。

 

 

例えば、別の例で考えてみてください。

 

そろそろ、寒くなるから、暖房機能のあるエアコンを買うとします。

 

同じくらいの価格なのに、一つ目の機種は冷房機能も付いている、二つ目の機種は冷房機能は付いていないとします。

 

どちらを購入するでしょうか?

 

たとえ、現在は、暖房機能に注目していても、付いているのなら、冷房機能も付いているものを買いたくなるのは当然です。

 

 

採用側は、言わば、「消費者」ですから、最大のコストパフォーマンスを求めるものです。

 

しかし、教採の受験者は、いつまでたっても、「学習者」感覚が抜けきれず、自分が頑張っていれば合格させてくれるかもしれないという錯覚をしてしまいがちです。

 

頑張る・頑張らないに関係なく、より価値が高い人が採用されるということを考えることが必要です。

 

とするならば、高校国語の免許だけを持っているAさんがどうすれば、2次試験でライバル受験者に勝てるのかを考える必要があります。これも重要な戦略です。

 

 

他にもいくつか考慮すべきことはありますが、ひとまず、これくらいにしておきます。

 

 

戦略がわかっていない人は、単に頑張るだけです。

 

戦略がわかっていない人は、自分に不利な状況を直視し、それを打開しようとしません。

 

戦略がわかっていない人は、自分に都合のよい一方的な情報だけを鵜呑みにします。

 

戦略がわかっていない人は、自分の価値の高低を客観的に考察できません。

 

戦略がわかっていない人は、戦略を立案できないので、不合格を毎年、繰り返します。

 

 

戦略とは、合格する道筋を考えることです。

 

戦略とは、合格するための準備の方法とその内容を考えることです。

 

戦略とは、競争があるところで、自分がその競争に勝ち抜くプランニングをすることです。

 

 

今回の、この仮定のシナリオの場合でも、賢明な戦略を立案できれば、教採合格を勝ち取ることができます。

 

 

戦略って、これほど、重要なんですよ!!

 

 

 

 

では、また明日!!

 

 

 

教採塾

河野正夫

 

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