だから、英会話学習でも、ネイティブ・スピーカーと対面で学ぶというのが大はやりです。
英語ネイティブと話すのはいいのですが、何をどう話すかということが本当は最も大切なんですけれど、そこはあまり重点が置かれていないようですね。
英会話と言えば、挨拶をして、お互いの様子を尋ねて、天気のことや、最近あったことを話すといったイメージになりがちです。
つまり、母語話者同士が道で会った時の最初の数分の会話のトピックです。
でも、これは、あくまでも社交上の雑談であり、アイスブレーキング的な会話です。
本当の会話は、その後に続くものですよね。
例えば、もし、私が、英語ネイティブと話をする機会があるとします。英語ネイティブを、例えば、アメリカ人だとしましょう。
すると、私が、その英語ネイティブと話したいのは、アメリカの選挙制度の話であったり、アメリカの教員養成制度についてであったり、または、アメリカ人の外国語下手の原因論であったり、そんな話題です。
ですから、こういった話題で会話ができないアメリカ人とあまり長く話したいとは思いません。
パーティーでちょっと会うくらいのアメリカ人なら、社交上の雑談で終わらせるでしょうが、社交上の雑談をするために、わざわざ外国語を学ぶというのもおかしなものです。
というか、そもそも、外国人がたくさん来るようなパーティーにはあまりいきませんから。。。(笑)
私が本格的に英語を話したいと思うのは、自分が興味関心を持っていることに、同じく興味関心を持っている英語ネイティブと深く話す、専門的に話す、意見を交換し、時には意見を戦わせるといった対話をしたいからです。
自分の健康や、お天気や、最近の出来事について話したいからではありません。
どうしても、日本人の英語学習者のかなりの割合の人は、金髪ブロンドの外国人と何か言葉を交わすのがステータスみたいに思ってしまっているようですね。
英語を話すことを本当にステータスにしてみたいのならば、外国人と、政治・経済・文化・文学・歴史・スポーツ・芸術などをしっかりと語り合えばいいのにと思ってしまいます(微笑)。
たかが日常の雑談なのに、英語で外国人と話していれば「カッコいい」と思ってしまうのが、ダメダメ英語学習者のメンタリティなんですよね。
そんな単なる社交上の人間関係用の英語力よりも、もっと情報収集用の英語力の方が、ほとんどの日本人にとって大きなメリットがあるはずです。
情報収集用の英語とは、講演や講義を英語で聞いて理解できる、英語での館内放送やアナウンスメントを聞いて必要な情報がわかる、人物紹介やオリエンテーション的な説明が英語で理解できる、英語でニュースや天気予報が聞ける、英語のCMを見て(聞いて)理解できるといったことです。
書き言葉でも同様です。取扱説明書が英語でも読める、新聞や雑誌が読める、英語のウィキペディアで調べ物ができるなど、情報収集のための英語が読めれば、毎日だって使えますし、自分の実際の役に立ちます。
語学は「人とのつながりのため」とか、英語も「言葉のキャッチボール」とか、訳のわからない抽象論を叫ぶよりも、英語でものが分かる、英語で調べ物ができる、英語で聞いても説明が分かるといった方が、はるかに有用度も高いし、満足度が高くなるのではないでしょうか。
滅多に会わない外国人との数分間の雑談に備えるよりは、毎日、インターネットやマスメディアで触れる可能性がある英語の語りや文章が分かる方が、英語を使えることのメリットを実感できます。
文法と訳読を毛嫌いするあまり、英語を雑談の道具のみに貶めてはいけません。
英語は、世界最高レベルの情報収集ツールです。
英語が分かれば、インターネットの世界のかなりの割合のページを読むことができます。
英語が分かれば、字幕なしで動画や映画をみることができます。オンラインで視聴できるものが何百倍にも膨れ上がります。
現在の世界で、情報収集をしたければ、英語が使いこなせることが、最低条件です。
インターネットの世界でも、英語で検索し、英語でページやファイルを読めれば、日本語だけでリサーチするよりも何百倍も、量的、質的にメリットがあります。
もうそろそろ、チャラチャラ雑談英語を卒業して、情報収集のための英語力を付けた方がよさそうです。
英語好きの皆さん、メリットある賢い英語力を身に付けていきましょう!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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