その結びの句として有名なのが、
Stay hungry, stay foolish. (ハングリーであれ、バカであれ。)
です。
“Stay hungry, stay foolish.”という言葉は、多くの人の心に響きました。
特に前半の”Stay hungry”という言葉は、ハングリー精神を表す言葉として、語り継がれています。
ハングリー精神は、とても大切です。
人は、ハングリー精神を失ったら、成長も向上もできません。
常に、何かに飢え、何かを求め、何かを探し続ける精神こそが、人間を進歩・進化させます。
しかし、ハングリー精神を言い訳に使ってしまっては、すべては台無しです。
次のようなことを言う人がいます。
「自分には何も能力がないけれど、ハングリー精神だけはある。」
「自分はいつも失敗しているけれど、ハングリー精神はある。」
「教採に落ちても、ハングリー精神があれば、次は合格するはずだ。」
ハングリー精神とは、ダメダメな人の言い訳のためにある言葉ではありません。
ハングリー精神とは、いま何もできない、何も持っていない人の隠れ蓑ではありません。
本当の意味でのハングリー精神とは、
「どんなに成功しても、どんなに金持ちになっても、どんなに能力を身につけても、もっと上を狙う。一つの成功にとどまらない。次の成功に向かって進み続ける。」
ということに他なりません。
ハングリー精神の「ハングリー」とは、「今は何もない」、「今は何もできない」ということではありません。
ハングリー精神の「ハングリー」とは、「今あるもので満足しない」、「今ある、才能や地位にとどまることなく前進する」ということです。
ですから、本来は、ハングリー精神という言葉を使えるのは、かなりの成功をおさめた人、かなりの能力を持っている人、かなりの財産を持っている人なのです。
振り返ってみれば、この言葉を言ったのは、あのスティーブ・ジョブズ氏、歴史に残る天才経営者です。また、この言葉が向けられたのは、アメリカ屈指の名門であるスタンフォード大学の卒業生です。私たちの時代の屈指の天才が、最優秀な頭脳を持つ大学卒業生に向かっていった言葉です。
もちろん、ハングリー精神を持てるのは、天才だけではありません。誰でも持てます。名門大学を卒業しなくても、ハングリー精神は持てます。
でも、それは、自分の無能の言い訳としてのハングリー精神ではなく、これまでの自分の成果・実績に自信を持ちながらも、そこに安住せず、さらなる高みを目指すという意味でのハングリー精神です。
ハングリー精神は、「貧乏根性」とは違います。
ハングリー精神は、何もしない、何も持っていない、何も成し遂げていない人の、空虚な希望ではありません。
実は、「私には、ハングリー精神がある。」と言えるためには、かなりの能力や実績が必要です。その上で、さらに上を目指すという宣言なのですから。
ダメダメな人が、言い訳として、「自分にはハンングリー精神がある」と言っているのを聞くと、悲しくなります。
ハングリー精神は、現在の無能や不遇をごまかす言葉ではありません。
私の受講生の皆さんは、全員、よい意味でのハングリー精神を持っています。
言い換えれば、現在でも相当の実力があり、魅力があり、実績があるけれども、それでは満足しないという人々です。
教師を目指す人は、すべて、そんな人であって欲しいと思っています。
皆さん、本物のハングリー精神を持ちましょう!!
いや、本物のハングリー精神を持てるような自分自身を創っていきましょう!!
誰でもできます。
そのためには、平凡を脱却し、自分を高め、自分の強みを深めていきましょう。
その時こそ、スティーブ・ジョブズの言葉の真の意味が分かります。
Stay hungry, stay foolish!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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