教採の2次試験の面接で合格を勝ち取るために、「三悪」を排除しよう!!

個人面接で合格点を勝ち取る演習をしていく上で、信じるべきではない「三悪」があります。

この「三悪」を無批判に受け入れると大失敗をします。

その「三悪」とは、

1.「自分らしさを出せ」を無意味に強調する助言。

2.「面接は競争ではない」ことを無意味に強調する助言。

3.いわゆる「集客トーク」で聞き心地の良いきれいごとだけの助言。 

これら「三悪」をうかつに信じたりすると、合格は勝ち取れません。

1番目の、「自分らしさを出せ」を無意味に強調する助言には注意が必要です。確かに面接においては、自己分析が必要です。自分を知らずしては、何も始まりません。自分の強み、自分の志、自分の想い、自分の情熱をはっきりと自覚し、磨き上げることは極めて重要です。でも、それは戦略的なものです。

現在の自分のありのままをそのまま出しても、他者から(採用側から)、高く評価されるとは限りません。もちろん、あなたが素晴らしい徳を備え、最高の人格者であるというのなら、ありのままで良いのでしょうが、通常、私たちはそんな高潔な人格者ではありません。

高潔な人格者でない私たちが自分のありのままをそのまま出して、「勉強も仕事も嫌い。好きなのは遊びと飲み(笑)」では、話になりませんよね。自分らしさとは、ありのままの自分ではありません。自分がなりたい自分像、自分が相手に認めてもらいたい自分像です。これは自分で創り上げるものです。

繰り返しておきます。自分らしさは大切です。でも、それは自分が考え、求め、創り上げていくものです。そこには志、希望、理想、戦略が必要です。自分で自分を在りたい自分に育て上げることこそが、自分らしさを持つということです。単に、素直な想いを表現することではありません。ここが重要なのです。

人によっては、「面接では、自分を出してこい。自分を素直に表現してこい。」を強調する指導者もいますが、ちょっと考えものです。大事なのは、面接で伝えたい自分を発見し、磨き上げることです。戦略的に自分らしさを創り上げて磨きあげることをしなければ、他者からは評価されません。

こう言うと、ナイーブな人は「偽りの自分を作るのはイヤ」と思いがちですが、私が言っているのは、「偽りの自分」を作ることではありません。社会人として、そして何より、教師としての自分像を確立しなければならないということです。

赤ちゃんや子どもなら、そのままの姿で可愛いのでしょうが、大人は違います。職業人は違います。あるべき自分を位置付け、それを演じることも必要です。教師の仕事とはまさにそのようなものです。子どもの模範となり、子どもを鼓舞するようなパフォーマンスが求められます。

社会人は責務を負います。職業人は期待される人間像があります。それを心に思い描き、自分の強みや経験を考えながら、自分像を創り上げる必要があります。これは、商品の広告、CMと同じです。どんなに商品が良くても、そのまま置いておいては売れません。消費者が期待する商品像を創り上げるのです。

私は選挙コンサルタントでしたし、また、企業や商品の広告にも関わったことがあります。人々の心を動かすためには、相当の戦略が必要です。そして、その戦略は科学・サイエンスに基づきます。ただ単に自分らしさを出すだけでは何も動きません。人の心を動かす仕事をした人なら誰でも分かっていることです。

もちろん、「自分らしさ」が高く評価されるということが分かっている場合には、戦略を持って「自分らしさ」を演出します。何が求められているかを把握したうえで、戦略を立て、それを実演するのです。そうすれば聞き手の心を動かすことができます。

ここで、また、愚かな助言をする人がいます。

愚かな助言とは、

「作り上げたものは必ずばれる。作りものでは人の心はつかめない。」

といったものです。

こういった助言を信じてはいけません。全く事実ではないからです。

例えば、映画や演劇、ドラマなど、すべて台本があります。でも、聞く人は感動します。俳優は台本にある言葉を語っているだけです。でも、台本の言葉を読んでいると感じる人はいません。俳優は役作りをします。俳優は戦略的に人の心を動かす語り方をします。だからこそ、私たちは感動するのです。

その場で自然発生的に出た「自分らしい言葉」だけが、聞く人を感動させるというのは全くのでたらめです。なんとなれば、「その場で自然発生的に出た言葉のように」演出することだってできるのですから。要は、戦略、演習、実演ができていれば、聞く人は感動します。

2番目の、「面接は競争ではない」と無意味に強調する指導も困りものです。教採での面接において、ライバルとの競争の要素を否定することはできないでしょう。また、「面接は競争ではない」と強調する人に限って愚かな極論を持ちだします。

極論とは、「面接で人を蹴落したり、おとしめたりしてはいけない。」といったものです。当たり前です。個人面接で、誰が「私の前に面接した受験者より私の方が良いですよ。」なんて言うのでしょうか。「私以外は全部バカです。」なんて言うわけないでしょう。

こんな極論で本論を曲げてはいけません。教採における面接には当然ながら競争的な要素があります。教採は選考試験なのですから。もちろん、面接での語りは品格のあるものでなければいけません。時と場所をわきまえたマナーあるものでなければいけません。でも、そのことと競争的な要素は別物です。

選挙だって商品の広告だって同じです。ことさら他者をけなすネガティブ・キャンペーンは結局は嫌われます。ネガティブ・キャンペーンは嫌われますが、選挙でもCMでも競争に勝つという視点は重要です。他者に勝つためにいかに自分の魅力を知ってもらうかの視点は重要なのです。

好むと好まざるとに関わらず、教採の面接は競争です。これを出発点にする必要があります。競争だからこそ、どうすれば自分の魅力を面接官に伝えることができるか、自分の情熱で面接官の心を動かせるかを戦略的に考え、実演する必要があります。単なる語りと競争に勝てる語りは違います。

競争という言葉を聞くと、すぐに他者を蹴落すという発想になることこそが品格のない証拠だと私は考えます。民主主義社会も自由主義経済も結局は良き競争に立脚しています。それぞれがベストを尽くすことこそが社会善に繋がるのです。

スポーツでも同様でしょう。スポーツは基本的に競争です。試合に勝つことがまずは求められま
す。でも、試合に勝つということは相手チームを陥れたり、蹴落したりすることではりません。そして、競争に勝つためには戦略も作戦も先読みも必要です。自分らしく素直にボールを打とうだけではダメですよね。

スポーツマンシップやフェアプレイとはそういうものです。面接にも、「面接マンシップ」があると私は考えています(微笑)。「面接マンシップ」を持って、戦略と先読みをしっかりしながら、正々堂々と勝負すればよいのです。

3番目の、いわゆる「集客トーク」で聞き心地の良いきれいごとだけの助言も困りものです。コミュニケーションのプロとして、私は、何を言えば人々が喜ぶか、うんうんとうなずいてくれるのかはよく分かっています。「子どもに寄り添う」とか「勝ち負けより自分らしさ」といった言葉ばかりを乱発して、私のファンやフォロワーを増やそうなんて思っていません。私はプロとしての助言しかしません。

人を喜ばして、自分のファンにすることだけが目的ならば、私はきっと自分を大人気者にすることもできるでしょう。でも、私の目的は人を喜ばせることだけではありませんし、自分の人気を高めることでもありません。私の仕事は教採受験者を合格させることです。ネット上でのお話も読者の皆さんに合格に近付いてもらうためです。

私は広島教採塾の受講生にはよく言っています。「耳に心地よい言葉だけを聞きたいのなら、他の指導者のもとで学ぶ方が良いでしょう。合格したいのなら、私のもとで学ぶことに意義はあると思います。ただし、良い教師になるというのが条件です。」

このブログをはじめとして、私のお話は多くの場合、賛否両論がある場合もあります。自由な社会ですから、賛否両論は自然なことです。でも、私はネット上の情報発信を集客のためにやっているのではありません。読む人の心を和やかにするためだけにお話しているのでもありません。

私の願いは二つだけです。読者の方々には、「教採に合格してほしい。」、「優れた教師になってほしい。」という2つだけです。

だからこそ、私は合格するための厳しい戦略を語ることもあります。優れた教師になるための厳しい現実を語ることもあります。耳に痛いことも語らなければならない時は、語ります。

だからもう一度言います。

「ただの自分らしさ」だけでは合格しません。

「ただの自分らしさ」だけでは優れた教師にはなれません。

「ただの自分らしさ」から、考え抜かれた自分らしさ、人の心を動かす魅力を秘めた自分らしさ、子どもの心を鼓舞し模範となれる自分らしさを創り上げる必要があります。

私たちの社会では健全な競争は存在します。野球もサッカーもバレーも、勝負する競技です。何もかもが競争とは言いませんが、競争を否定していては、教育はできません。フェアプレイで堂々と立ち向かう、そんな子どもを育ててほしいと思います。だから、教採という勝負にも堂々と臨んでください。

世の中には、心地良い言葉は沢山あります。文学・文芸として聞くのならそれも良いでしょう。でも、教採に合格し、優れた教師になるためには厳しい言葉にも耳を傾ける必要があります。教師は優しさと厳しさを持たなければいけない職業です。だから、皆さんも厳しい言葉を受けとめる人であってください。

というわけで、

1.「自分らしさを出せ」を無意味に強調する助言

2.「面接は競争ではない」ことを無意味に強調する助言

3.いわゆる「集客トーク」で聞き心地の良いきれいごとだけの助言

という三悪には気をつけましょう。そして、フェアプレイで正々堂々と合格し、優れた教師になってくださいね。

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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