東京での「体育会系面接必勝法」は明日なのですが、今日は、東京でゆっくりしようと思い、Best friendのゆうと君とディズニーランドの側のベイシェラトンに泊まって、疲れを癒しています。
ゆうと君は、このブログでも前にも登場したスーパーインテリジェントな青年です。私は、こんな知的にアクティブな人を他に知りません。
さて、そんなゆうと君と昨夜は、午前5時くらいまで、シャンパンを飲みながら、語り合っていました。
話題はいろいろありましたが、やはり、教育についても語りました。
ゆうと君が次のようなジョークをニヤニヤしながら話してくれました。ゆうと君がニヤニヤしているときは、超知的になっている証拠です(微笑)。
「ある時、女性英語教師が、中学校1年生に、『今日習ったbe動詞を使って簡単な文を作りなさい』という課題を出しました。
いつもはやんちゃなA君が今日は珍しく手をあげました。先生はA君に黒板にその文を書くように言いました。
A君は、mypenisbig と黒板に書きました。
先生は、真っ赤な顔をして、次のように指導しました。『文の最初は大文字で書きます。単語と単語は離して書きます。文の最後にはピリオドを打ちます。be動詞を使っていません。そして、なにより、こんな文を書いてはいけません!』
A君は、戸惑いながら言いました。『先生、分かりました。文の最初は大文字で書いて、単語と単語は離して書いて、文の最後にはピリオドを打つようにします。でも、be動詞はありますよ。isはbe動詞ですよね。』
もちろん、これはジョークネタです。
でも、ゆうと君がこれを持ち出したのには意味があります。
ジョークとしてこの話は精密に計算されています。
出てくるのは、女性英語教師といつもはやんちゃな男子中学生のA君。この登場人物設定だけで、読み手のマインドセットができてしまいます。
そして、be動詞で簡単な文を作るという課題。中学校1年生にもかなり簡単な課題ですよね。
そして、A君が書いたmypenisbig.多くの人はこれを、my penis bigと読みます。思春期のやんちゃな男子中学生が言いそうな言葉です。もちろん、これは文ではありません。文になっていないだけでなく、be動詞すらありません。
でも、A君が書こうとしたのは、My pen is big.(私のペンは大きい。)だったのです。
文頭の大文字と単語の分かち書きと文末のピリオドは怠っていましたが、A君の英文は、be動詞を使った正しい文なのです。
ジョークの中の女性英語教師も、このジョークの読み手もmypenisbigをmy penis bigとちょっと卑猥に読んでしまいます。このジョークはそのように読むように精密に誘導されています。そう読むようなマインドセットになるように仕掛けられています。
ゆうと君が言いたかったのは、このマインドセットについてでした。
ジョークではなく、現実の教室でも、教師は一定のマインドセットを持っています。日々の生徒との関係の中で、一定のマインドセットができあがります。
「あの子はやんちゃな子だ。」
「あの子は学力が高い。」
「このクラスは落ち着きがない。」
「授業規律をもっと高めなければ。」
などと、教師の頭の中には、一定のマインドセットができあがってきます。
そんな時に、もし、現実に、A君がmypenisbigと黒板に書いたら、『なるほど。これは、My pen is big.を書こうとしたのだけれど、英語の表記の仕方がまだできていないな。でも、be動詞はちゃんと使えているな。』という評価ができるでしょうか?恐らく、ジョークの中の女性英語教師と同じように、my penis bigと読んでしまうのではないでしょうか。そして、理不尽に叱ってしまうかもしれません。
このジョークの面白さはここにあります。
目の前には、be動詞を使った極めて適切な文があるのに、それをわざわざ不適切で猥褻な意味に読んでしまう。
やんちゃなのは中学生ではなく、教師の頭の中のマインドセットなのですよね。
教師でもなく、教育学の専門家でもない、ゆうと君は、またしても、教育現場における教師の姿を、このジョークであぶり出してくれました。
教師は自分のマインドセットで、子どもの言動を決めつけて解釈してはいないでしょうか?
ジョークなら、このジョークのように、ニヤリと笑って済みます。
でも、本当の教育の現場では、笑えないことです。
ジョークを聞いたのに、背筋に緊張が走りました。
そんな、ゆうと君と今夜も教育談義をします。
楽しみです。
では、また明日!!
(注:これはアメリカのジョークなので、アメリカ人の英語感覚で書かれています。日本人の多くがmypenisbigをmy penis bigと認知するかは分かりません。アメリカ人なら、ほとんどと言っていい人が、my penis bigと最初には認知します。)
広島教採塾
河野正夫
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