大雨だったのと、荷物がたくさんあったのと、イケメンにプレゼントするドレスシャツの素敵な包装を雨で濡らしたくなかったたこともあり(笑)、ちょっとお金はかかるけれど、尾道市内の自宅から、広島駅近くの広島校まで、タクシーに乗っていきました。
距離にして80キロ超くらいでしょうか。高速道路を通って1時間10分くらいです。
タクシーの中で、運転手さんといろいろとお話をしました。
運転手さんと話をしていて、気付いたことがありました。それは、この運転手さんは、距離をすべてタクシー料金で表現しているのです。
たとえば、
「XからYまでは、8,000円くらいの距離ですねえ。」
「AからBは、2,000円くらいあるから、ちょっと歩くのは無理ですね。」
「CからDは、5,000円くらいの距離だと思われがちですが、実は、9,000円くらいの距離があるんですよ。」
といった感じでお話をされるのです。
この運転手さんは、「~キロメートル」という単位は一度も使いませんでした。
「30キロの距離がある」ではなく、常に、例えば、「7,000円の距離がある」とおっしゃるのです。
なるほどね!と思いました。
距離は、別にキロメートルで表す必要はない。単位は何でも良いんだと。
もちろん、タクシーのメーターも内部のプログラミングは、距離を用いて料金を表示するものではありますが、表面に表れている料金だけを見て、それを単位として使うのであれば、タクシーのメーター料金も立派に距離を表す単位となり得ます。特に長距離であれば、ほぼ正確な距離の記述となります。
ですから、この運転手さんと話していると、
「ここから福山駅までは5,000円の距離だけど、三原駅までは3,000円ですね。」
とか、
「そう言えば、ついこの間、ある美術館に行ったんですけど、場所は、駅から2,000円くらいのところにあってね。」
といった感じになるのです。
距離の表し方が、20キロとか、30キロとか、5キロではなく、いつもタクシー料金なんです。
なんでもないことかもしれませんが、これがものすごく新鮮だったのです。
広島県中の地名を挙げて、尾道の自宅からの距離をタクシー料金で表してみたくなりました。
いや、日本中の都市と都市との距離をタクシー料金で表してみたくもなりました。
マラソンの42.195キロの距離も、この運転手さんにかかったら、「9,000円くらいの距離を走るんだねえ!」ということになるのでしょうね。
視点を変えて物事を見てみるということはとても重要であり、かつ、新鮮な感動をもたらしてくれます。
移動距離はキロメートルか時間で表すに決まっていると思っていた「一般人」の私に、このタクシーの運転手さんは、移動距離はタクシー料金で表すという新しい視点を与えてくれました。
新しい視点で考えると、距離の価値が手に取るように分かります。
尾道の自宅から広島校までの距離は、17,000円ほどの価値がありました(微笑)。
距離に価値付けができるこの新しい距離の表し方はとても新鮮でした。
私たちは、何かを評価・判断・記述するときに、これまでの常識にとらわれた形に縛られて行っていることが案外、多いのかもしれないと気付きました。
ちょっと視点を変えて、新しい単位を導入してみたりすると、世の中を見る眼が変わるなと思いました。新しい価値が見えてくるなと思いました。
教育に携わる者は、常に新しい視点を求め、新しい視点で物事を見つめ直す必要がありますよね。
そうは言っても、新しい視点は、そんなにすぐには見つかりません。でも、探し続けることが必要ですね。
雨の日曜日の早朝、そんなことをタクシーの中で感じたのでした!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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