塾講師の経験で勝負してもダメですよ!!

教採受験予定の学生さんと話していると、その多くが、塾の講師の経験をアピールしてきます。

自分は塾でこのように教えて塾長からほめられたとか、自分は塾の講師評価アンケートでトップだったとか、塾での指導で教科指導力が分かってきたとか、誇らしげに話してくれます。

塾での指導という職責に全力を注入し、塾の生徒さんから信頼される指導をなさっているのは素晴らしいことです。また、塾での指導の技術を磨き、少しでも効果的な指導に努められてことにも心から敬意を評します。

でも、これは他のアルバイトと同じ程度の経験であるということを自覚してほしいなあとも思います。

居酒屋でアルバイトを続けた人、コンビニでアルバイトを続けた人、ホームセンターでアルバイトを続けた人、それぞれの職場で、全力を尽くし、工夫を重ね、上司やお客さんの信頼を勝ち取った人も多いことでしょう。

しかし、だからと言って、教師の資質に直結するとは言えませんよね。アルバイトで上手くいったから、自分は優れた教師になれると信じる人は少ないでしょう。

でも、塾講師のアルバイト経験者の多くの人たちは違うのです。塾で指導が上手く言って、塾長さんや、生徒さんたちにほめられると、もう天狗になってしまって、「俺は教科指導がどういうものか、分かっている。」という顔をしてしまいます。板書も、発問も任せておけ!と言わんばかりなのです。

確かに、塾での頑張りとある程度の成果は認めますし、敬意を評します。

でも、「たかが学生のアルバイト」だったという謙虚さがないと、50歳台くらいの教育の専門家である(校長・教頭、教育委員会の幹部である)面接官たちからは冷ややかに見られます。

冷ややかに見られるどころか、「バカなやつだなあ。ひとりで粋がって、かわいそうだなあ。」と憐憫の情で見下されます。

学生が週何回かアルバイトで教えた程度の塾講師の経験を、さもこれが教育だとばかりに教育のプロの前で振りかざしても、撃沈するだけです。

そもそも塾の指導と、学校の指導は違います。共通する部分もありますが、共通する部分を協調したいのなら、まずは、学校の教師になってから語るべきです。学校での指導経験もないのに、塾の講師経験からだけで、板書はこうあるべきで、発問とはこうあるべきで、私はこの方法で大きな成果を上げたなんて、意気揚々と語ってもダメですね。

数年前、ある教育委員会の人が言っていました。教採の面接で、塾講師の経験を自慢たらしく言う奴は不合格にするんだと。この話の真偽を確認した訳ではありませんが、少なくとも、たかが学生アルバイトの塾講師の経験を面接で鼻高々に語る受験者は嫌われることは間違いないようですね。

学生さんの魅力は、その若さと情熱、そして、未熟な故の謙虚さと誠実さです。それをかなぐり捨てて、50歳台の教育のプロに、塾講師で学んだ指導の秘訣を教えてやる!なんて雰囲気で語っては、反感と軽蔑を呼び起こすだけです。

塾講師で活躍されるのは大いに結構です。

塾講師は素晴らしいアルバイトです。

ただし、学生のアルバイトの範囲でやったものだという謙虚な姿勢が必要です。

塾と学校の違いを適切に理解していますか?

塾の生徒と学校の生徒の違いを理解していますか?

塾での教科指導と学校での教科指導の根本的な違いは何か知っていますか?

塾での生徒指導と学校での生徒指導の根本的な違いを知っていますか?

私教育である塾と、公教育である学校との、最大の違いは何か分かりますか?

塾の授業と学校の授業の最大の違いは何か知っていますか?

こういったことが分かるのは、学校の教師になってから何年も経ってからですよ!!

粋がらずに、謙虚に物事を考え、語る必要があります。

塾講師という狭い視野だけで、生意気なことを言ってはいけませんよ。

教採は、教育公務員たる教師、公教育の担い手を採用するための試験です。

生意気なガキに、教採合格の可能性はありません!!

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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